現在地
ホーム > マーケット情報 > レポート&コメント > 澤上篤人「さわかみ経済教室~中長期の資産形成~」 > 第126回 長期投資の運用

第126回 長期投資の運用

2010年11月16日

今回は、「さわかみファンド」のような本格派の長期投資ファンドの運用について書きます。よく機関投資家ファンドマネージャーの運用といわれているものとは、いろいろな面で違いがあります。唯一の共通点は、どちらもより良い成績を投資家顧客にお届けしようと頑張っている点です。

なぜ営業しないのか

投資とは将来価値の高まりが期待できる対象に、多くの人々がまだそのイメージさえ抱けない間に資金を投入することである。価値の高まりとは株式投資でいうならば、ある企業がどれだけ世の中の人々がより豊かにより幸せに生活できるよう貢献できたかは、日を追うとともに業績向上となって表面化してくる。そういった企業を応援すべく早い段階から買っておけば、投資リターンは後からついてくる。

世の中の評価は、社会的価値がいよいよ現実となってくるにつれて、「これはいい」と裾野広がりで納得や支持が高まっていくのが一般的。逆いうと、まだ海のものとも山のものとも知れない段階で、多くの人々の同意や共感はなかなか得られない。だから、投資家はいつでも時代を先取りする少数派なのだ。

ここに投資運用ビジネスの難しさがある。価値の高まりを求めて未知の世界に踏み込んでいこうと提案しても、そうそう気楽に付き合ってくれる人はいない。具体的な成功イメージが描けないとか、リスクが大きいとかで、個人に限らず投資家の多くは資金を出すのを渋りがちとなる。一方、運用サイドにとっては投資家顧客から資金がどんどん集ってくれないと、運用もなにもあったものではない。

そこで機関投資家は、できるだけ多くの投資家顧客の理解と同意が得られるような投資テーマでもって、運用資産獲得のマーケティングに力を入れる。それでは残念ながら、いま現在の世間的納得を求めた資金集めとなってしまう。それを運用するといっても投資ではなく、単なる資金運用をするだけとなる。

われわれ長期投資家は違う。いま現在の納得は横へ置いて、あくまでも将来の価値をとことん追求する。投資本来の姿を徹底するには営業で資金集めするのではなく、運用成績の積み上がりでもって自然と資金が集まってきてくれるようにする必要がある。それには、顧客資産の増加をじっくり待てるようコストを抑えて、Small is beautiful の経営に徹するのが不可欠となる。

成績を追いかけない

世のファンドマネージャー達は投資家顧客のためにできるだけ良い成績を残そうと、あらゆる機会をとらえて自己研鑽に励む。どのような銘柄をポートフォリオに組み入れるか、どんなタイミングでどのくらいポジションを積み上げるのか、いつ頃から利益確定の売りに入るのか、等々に全神経を集中させる。

その横で、年金など投資家顧客からはいつも成績成績で追い立てられる。成績が良ければ、より多くの資金を運用させてもらえる。悪ければクビになることも覚悟しなければならない。もう否応なしに、1年毎の運用成績や他社のファンドマネージャー達との成績評価を強く意識させられてしまう。

これは、1970年代半ば頃から本格化した年金運用を中心とする機関化現象がもたらした副産物でもある。年金は大事なお金で10年たって運用が下手だったでは手遅れだから、毎年きちんと成績評価しようといっているうちに、世界中で長期投資がどんどん下手になっていった。ファンドマネージャー達を1年毎の成績を追いかける短期運用に走らせた挙げ句、年金など投資家顧客サイドも投資運用ではなく単なる資金運用の成果に甘んじることになる。いってみれば機関投資家運用の限界である。

長期投資家の運用は違う。いつでもより良い経済社会を築いていくべく、みなが逃げ惑う時に資金を経済の現場へ投入する役割を果そうとする。目先の成績は追わないが、経済社会が活性化すれば投資リターンは後からついてくると考える。ファンドマネージャーも当然のことながら、5年10年の時間軸でどっしり腰を下した運用が求められる。暴落時に買い仕込んで上昇相場をじっくり待つ地味な作業の連続で、世の多くのファンドマネージャーのように毎年の運用成績に一喜一憂したり、華々しい成績をあげて名を成そうなんて意気がる余地はない。

(2010年10月27日記)

本資料は情報の提供を目的としており、投資その他の行動を勧誘する目的で、作成したものではありません。銘柄の選択、売買価格等の投資の最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようにお願いいたします。本資料の情報は、弊社が信頼できると判断した情報源から入手したものですが、その情報源の確実性を保証したものではありません。本資料の記載内容に関するご質問・ご照会等には一切お答え致しかねますので予めご了承お願い致します。また、本資料の記載内容は、予告なしに変更することがあります。


楽らくサポート

個人確定拠出年金iDeCo

口座をお持ちでない方へ

まずは無料でかんたん

口座開設

口座開設中のお客様

クイック口座開設手続き中のお客様

楽天証券へ資料請求して、今すぐご利用いただけます。

楽天証券資料請求はこちら

今すぐご利用いただけます。

ポートフォリオ一覧を表示

楽天証券にログインしてご利用ください。

楽天証券へログイン

上記より楽天会員にログインしてください。

ポートフォリオ機能とは?

よくあるご質問

お問い合わせランキング

マーケットスピード IIダウンロード

Marketspeedダウンロード

Marketspeed for Macダウンロード

MarketspeedFXダウンロード

投資情報メールサービス「マーケットアロー」

 お友達紹介プログラム

お客様の声をカタチに