現在地
ホーム > マーケット情報 > レポート&コメント > 澤上篤人「さわかみ経済教室~中長期の資産形成~」 > 第120回 経済政策と長期投資

第120回 経済政策と長期投資

2010年8月16日

財政赤字と成長力

いつ頃からか日本経済は自律的に拡大発展していくエネルギーが弱くなり、代って国の政策や財政支出に依存する度合いが強まってきている。日本経済のサラリーマン体質化といえようか。

経済活動はもともと一人ひとりが額に汗して働いて生活の糧を得ようとすることで成り立っている。日本には1億2,500万人が毎日の生活を送っており、それを400万社を超す企業による生産や供給活動が支えている。人々や企業それぞれが「もっと豊かに」「もうすこし収入を増やしたい」と願っては頑張ることで、富が創出されていく。

もし、1億2,500万人そして400万社が自分で自分の飯代を稼ごうとする自立心を失い、国にすべてを頼みはじめたら一体どういうことになるだろう。国の財政が保つはずもないし、その原資ともなる税金を誰が納めるのか。国債を増発するといっても、どこに買うお金があるのか。もちろん、富の創出などあり得ない。

冒頭にサラリーマン体質化と書いたが、大きな政府指向といってもいい。日本中あちこちでなんでもかんでも国に頼り、ひたすら仕事を与えてくれるのを待つといった依存心が強まっていはしないか。政治家も、なんとか給付金とか子ども手当とか国からの分配をちらつかしては票集めにしゃかりきとなっている。これでは国の財政赤字が増える一途となるのも、経済成長力が落ちるのも仕方あるまい。事業家精神や新たなる富の創出力も落ちていく。

ここに日本経済の成長力が鈍ってしまった根っ子の問題があるのだろう。国は日本経済をどのような姿にしていくのかの明確な将来ビジョンを国民に提示し、それに向けて民間パワーを結集させるのが本来の仕事。ところが、目先の利益誘導や予算バラ撒きをもって政治とする風潮が一般的となり、またそれに群る人々や企業の多いこと。日本の社会全般に自助自立の気概はどこへ行ってしまったのだろう。

お金にも働いてもらって、富を創出していく

ひと昔前までだったら、「とにかく必死に働いて、豊かな生活を実現しよう」で日本中が一致団結していた。それが最近は、「日本経済の先行きが不安だ、この先どうなるのだろう」とはいうものの、「給料が減ったのなら、夜働いてでも副収入を確保するだけさ」で、さっさと行動する人は少ない。

日本のように高度な豊かさを実現した成熟経済では、人々の間で「なにがなんでも生きていく」たくましさや必死さが薄れていくのは仕方ないのかもしれない。だからといって、なにもせず日本経済のジリ貧を嘆いているうちに、豊かな生活そのものの基盤が崩れていきかねない。

やはり、経済は成長があってこそ現在の生活水準が保たれ、すこしずつ高めることもできる。ところが、成長の源泉ともなるべき「人々の意欲や豊かさ願望」のエネルギーレベルがなかなか上がって来ない。それどころか高齢化の進展もあり、「このままなんとか暮していければ」の現状安住意識が先立ってしまう。

そこで登場してくるのが、お金にも働いてもらうこと、つまり長期投資の重要性である。昔のように、「土日なしで朝から晩まで働くのはちょっとね」というのなら、お金に富の創出を手伝ってもらうといい。

全国の銀行が預金で集めた資金を、企業に貸出す比率が75%にまで下がってきている。残りの25%が国債購入や海外運用にまわされている現状は、企業の資金需要がそれだけ低水準な一方で、個人マネーが預貯金に集まり過ぎていることを如実に物語っている。だったら、個人個人が預貯金のたとえば5%から10%ほどを引き出しても、日本経済にそれほどのマイナスとはならないだろう。むしろ、その5%から10%ほど、つまり40兆円から80兆円を長期投資にまわしてやれば、とんでもない経済活動の拡大効果を生む。

われわれ生活者が「こういった会社はずっとずっと頑張ってもらいたいものだ」と思える企業に対しては、消費者として日々売上げに貢献しているはず。ついでに、株主となって経営を応援するのだ。世の中の役に立とうと頑張っている企業を投資家として応援することで、その企業と一緒に富の創出に参加できる。それが長期投資である。

(2010年7月23日記)

本資料は情報の提供を目的としており、投資その他の行動を勧誘する目的で、作成したものではありません。銘柄の選択、売買価格等の投資の最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようにお願いいたします。本資料の情報は、弊社が信頼できると判断した情報源から入手したものですが、その情報源の確実性を保証したものではありません。本資料の記載内容に関するご質問・ご照会等には一切お答え致しかねますので予めご了承お願い致します。また、本資料の記載内容は、予告なしに変更することがあります。


楽らくサポート

個人確定拠出年金iDeCo

口座をお持ちでない方へ

まずは無料でかんたん

口座開設

口座開設中のお客様

クイック口座開設手続き中のお客様

楽天証券へ資料請求して、今すぐご利用いただけます。

楽天証券資料請求はこちら

今すぐご利用いただけます。

ポートフォリオ一覧を表示

楽天証券にログインしてご利用ください。

楽天証券へログイン

上記より楽天会員にログインしてください。

ポートフォリオ機能とは?

よくあるご質問

お問い合わせランキング

マーケットスピード IIダウンロード

Marketspeedダウンロード

Marketspeed for Macダウンロード

MarketspeedFXダウンロード

投資情報メールサービス「マーケットアロー」

 お友達紹介プログラム

お客様の声をカタチに