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第117回 いま政治に頼むこと

2010年7月1日

なによりも成長戦略を

新政権が発足した。いろいろ政策課題を抱えての船出だが、いまなによりも優先すべきは日本経済の活力を高めることだろう。大幅な規制緩和と思い切った減税を主体とした積極的な成長促進策で税収を増やし、一刻も早く財政健全化への道筋を内外に示す必要がある。

いわゆる成長戦略の強力推進を求められるわけだが、それを政や官が主導するのではない。国はあくまでも民間の事業意欲を高めるためのお膳立てをする役割に徹するべきである。非効率でスピード感に乏しい官製事業はできるだけ廃し、民間の創意工夫エネルギーを最大限に引き出してやることだ。法人税や所得税を引き下げてやれば、放っておいても企業や個人の事業意欲は高まる。

減税すると財政赤字はさらに悪化する? 日本は伝統的に単年度決算の予算消化主義でやってきたから、毎年の歳入歳出の帳尻を合わせようとしがちである。5年ぐらいの大括りで歳入の最大化を図る考え方をすれば、大幅減税で経済活動を活発化させる政策は存分に力を発揮するはず。

なぜ成長戦略を最優先するのか? 日本経済はずっとジリ貧を続けており、それが中小企業の倒産や雇用機会の喪失を加速させ、社会不安を高める一途となっているからだ。また、経済のパイが縮小していくなかで高齢化にともなう社会保障費負担の増加に対応しようとすれば、財政赤字は拡大の道をたどらざるを得ない。すべてが悪循環となる流れを断ち切るには、日本経済を4%ぐらいの成長路線に乗せてやるしかない。

マーケットを甘くみない

日本の財政赤字は膨れ上がる一途だし、国の債務残高はGDP(国内総生産)の2倍にもなろうとしている。いくら貯蓄残高が多いから国債の増発は国内でまだまだ消化できる、国際収支が黒字だから日本国債の格付けはギリシアみたいに下がらない、と高を括ったところでものごとには限度がある。マーケットがいつまでも財政の不健全さを見逃してくれるとは思えない。

マーケットが見逃さないとは? 国は財政赤字を穴埋めしたり、既に発行した国債の利払い費に充てるため、新規に国債をどんどん発行している。それらは片っ端から、金融機関や年金それに郵貯などが購入してくれるので、現時点ではなんの問題もみられない。だから、国は野放図に国債を発行できるわけだ。

しかし、どこも既に腹一杯といっていいほど国債を抱えているのは紛れもない事実。それも超のつくほど低利回りの国債だ。いつかどこかで、「もうこれ以上は買えません」と誰かが言い出したらどうなるか。

国としてはまだまだ国債を発行したいが、民間での消化が困難となってきた。なんとしても発行予定額を消化させるには、クーポン利率(額面あたりの利金額)を引き上げて国債の購入魅力を高めてやるしかない。それは新発国債の利回り上昇を意味し、既に保有している国債の魅力を削ぐことになる。

そうなると、低利回りの既発国債を保有している人達の間で、より高利回りの新発国債に乗り換えようという動きが一気に広がる。売りが一斉に出てきて、国債の値崩れがはじまる。慌てて売らないとしても、保有債券の価格は新発国債の利回り水準を反映した水準まで下がっていく。その分だけ、評価損は拡大する。

それを見逃さないのがマーケット。国債の値崩れがはじまるぞとみるや、「早めに売っておこう」「先物で売り崩してやろう」といった動きが、パッと債券市場全体に広がる。債券相場はいつでも一方通行的な値動きをする。価格下落がさらなる売りを誘発し、債券の流通利回りつまり市場金利はみるみる上昇していく。

とはいえ、国債を大量に保有する機関投資家も運用のプロ。多少の市場金利上昇ぐらいなら先物でヘッジしたり、じっくりと高利回り国債を中心としたポートフォリオに組み替えできる。

問題は、マーケットが暴れ出すとしばしば行き過ぎること。大量に発行された国債の値崩れにはずみがつくと、さすがに機関投資家も浮き足立ってくる。そこへ、一部の金融機関が国債売りをはじめたといったニュースが流れたりでもしたら、もう総売り状況へ一直線となる。

そういった債券市場の大混乱を防ぐには、とにかく成長率を高め財政健全化に道筋を立てること、そして日本の金利水準を緩やかに上昇させていくことだ。これらのどれもが、長期の株式投資にはプラスとなる。

(2010年6月10日記)

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