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第112回 21世紀の成長モデル

2010年4月16日

お金をまわしてやれば経済は拡大発展する

かつての日本でも、現在の中国・インド・ベトナムでもそうだが、国民の間で豊かな生活へのあこがれが爆発する時は、すさまじいばかりの経済成長をとげる。人々は懸命に働いては得た収入で、欲しかったものを次から次へと手に入れていこうとする。すこし背伸びしてでも、とにかく買いたい。

生活用品からはじまって耐久消費財まで、人々が猛烈な勢いで買い群ってくるから、企業は設備増強投資に追いまくられる。工場新設やら営業所開設やらが新たな雇用を創出し、さらなる購買力を生み出す。この好循環で、経済はスパイラル的に拡大発展していく。

人々がどんどんモノを購入し、企業はそれに応じて次々と工場を建設していく高成長期の経済では、お金が高速で動きまわっている。誰かの支払いが、別の誰かの収入となり、そのお金はまた別の誰かに支払われていく。この繰り返しが経済活動である。

この20年間、日本経済がダラしなくジリ貧をたどっているのは、お金が元気よく動かないからだ。かつてあこがれた豊かな生活は実現したし、欲しかったモノはほとんど手に入れてしまった。もうこれといって買いたいモノがない、あってもせいぜい買い換え需要ぐらい。となれば、お金をつかいようがない。

企業の方も、昔のように作る端から買ってもらえないから、過剰設備をもてあます。むしろ、既存設備を需要が爆発している中国やベトナムなどへ移そうとし、それが雇用を減らし失業を発生させる。この現象が日本中で発生しているから、企業の投資意欲や人々の購買力をさらに削いでしまう悪循環となっている。

どうにもならない縮小均衡スパイラルに陥っている日本経済だが、要はお金がかつてのようにまわらないだけのこと。もうこれといって買うモノがないのなら、なにか別にお金をジャンジャンつかう道を見つけ出せばいい。経済なんて、お金が動けば動くほど元気になるのだから。

お金は天下のまわりもの

一国の経済が高成長している間は、国全体がひたすら豊かな生活にあこがれてモノを買い揃えていく。それでも余ったお金は預貯金にしておくだけでいい。銀行や郵便局に預けられたお金は、企業融資や産業インフラ投資を通して、経済の現場へどんどん流れ込んでいく。

ところが、成熟経済の段階に入っていくにつれ、消費需要はガクーンと下がる。お金をつかわないから、貯蓄残高は積み上がる一途となる。せっかく預貯金が増えても融資先が減っているので、お金が行き場を失ってしまう。つまり、国中でお金がかつてほどには動きまわらない。経済の拡大再生産につながらない。

そこで、長期投資の出番となる。モノを買う代りに生活者として応援したい企業の株を買う。株を買うのもテレビを買うのも、経済の現場へお金をまわしてやるという意味では同じこと。

生活者として応援したい企業というのは、「10年後も20年後もずっと頑張ってもらいたい」「なくなっては困る」ような会社だろう。応援すべき時とは、不況突入時や株式市場の暴落時などだ。株安時には株主構成が変ってしまい、経営の方向や理念をねじ曲げられる懸念がある。せっかく立派な経営をしてくれていたのに、つまらない会社に成り下がってもらいたくない。われわれの生活もつまらなくなってしまう。

いつも書いているように、不況時に長期投資家が株を買うだけで民間版の景気対策となる。この効果を知らないが故に、日本では803兆円もの個人マネーが年0.1%~0.3%の富(利子)しか産まない預貯金に眠ったままとなっている。(2009年12月末、日銀速報) 預貯金マネーのたった5%あるいは10%でも長期投資に向ってくれるだけで、日本経済に6%とか12%ぐらいの成長上乗せ効果が発生するのだが。

長期投資にプラスして、個人個人が預貯金の3%~5%ぐらいを引き出して、それぞれ好きな分野でつかいはじめると、すごいことになる。文化・教育・芸術・スポーツ・技術開発・NPO・その他なんでも構わない。自分が楽しめる方向へお金を投入してやるのだ。その動きが高まってくれれば、新しい産業は次々と生まれるし雇用も創出できる。もちろん、日本経済も活性化する。それも、新しい地平線を切り開きながら。

個人マネーが長期の株式投資に向ったり、好きな分野へどんどん投入されることで、成熟経済はいくらでも成長できる。日本が世界に先がけて実現すべき、21世紀の成長モデルともなる。

(2010年3月26日記)

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