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第109回 長期投資家は世界経済のどこを、どうみるか

2010年3月1日

投機と投資と長期投資と

投資というとすぐ儲かるか損するかの計算をしがちだが、もともとは将来の価値の高まりを期待して資金を投入することである。「こんな商品を世に出せば、みな喜んで買ってくれるだろう。では、工場を建てよう」といった事業意欲に、「よっしゃ、資金を出そうじゃないか」と応じるわけだ。

企業などが事業拡大にあたって資金を調達する時、銀行から借り入れるか、投資家に株式や債券を買ってもらうかの選択をする。株式あるいは債券を発行するとなると、購入した投資家にとって中途で換金できる仕組みがあるとありがたい。かくして、株式市場や債券市場が整備されていった。

株式市場や債券市場で株券や債券が手軽に売買できるようになるにつれ、もっぱら売買差益を狙って市場に参加する投資家も登場してくる。これがデイトレーダーや短期投資家であり、証券会社などの自己勘定トレーダーである。年金など機関投資家もいってみれば、この部類に属す。そういった投機マネーや純投資の資金が市場に常時たむろしていることは、市場の価格形成に厚みをもたらしてくれる重要な役割を果す。

そこで長期投資家だが、いろいろな目的の資金がそれぞれ自己利益を追求しようと市場で価格変動を追いかけている中を、常に資本家的な資金投入を意識して行動する。進取の精神で事業を拡大しようとする意欲の強い企業を応援するわけだ。応援といっても、新規募集される株式や債券に応じることで企業の資金繰りに貢献するのは、ほんの一部である。ほとんどのケースは株式や債券購入という形で市場参入するわけだから、一般の投機や投資とそう大きく変わらない。

決定的に違うのは、不況突入時や相場暴落時の行動である。価格変動を追いかけては自己利益を追及する投機家や投資家は我先に売り逃げようとする。一方、われわれ長期投資家は皆が売り逃げようとする時こそ出番と、どんどん買い資金を投入する。

別に、その資金が企業に届くわけではない。売りたかった人達の手に渡るだけである。それでも、不況時や相場暴落時に敢然たる買いが入ってくるというのは、経済の現場へ資金を供給することであり、その企業にとってなによりも心強い応援メッセージとなる。まさに、資本家と長期投資家の独壇場である。

新興国の急成長を追いかけるだけではない

事業の将来可能性という観点では、真っ先に新興国の急成長が視野に入ってくる。なにしろ膨大な人口を抱えているし、人々の生活水準向上エネルギーはすさまじいものがある。たとえば、先進国では金融危機だ世界同時不況だと騒ぎ消費も落ち込むが、新興国の人々にとっては価格水準がすこしでも下がれば自分達の購買力でも手が届くようになる。前々から欲しかったものが手に入るとなれば、彼らはなんのためらいもなく買ってくる。それが新興国の消費エネルギー爆発である。

そういった新興国の成長ダイナミズムには不況をものともしない反発力の強さがあり、誰の眼にも絶好の投資対象と映る。長期投資家にとっても質の良い長期資本提供で新興国の経済建設に大きく貢献できる。

さてさて、ともすると新興国経済の急成長ぶりに眼を奪われがちとなるが、日本のような成熟経済においても進取の気質に富んだ事業家や企業はいくらでもみつかる。

たとえば、新興国の人々が自動車や家電製品などを買い揃えようと燃え上がる熱気は、もうだれも止められない。そうなると、エネルギーや工業原材料・水といったものが絶対的に不足してくる。また、食料の確保や環境保全も地球規模の重要課題となってくる。それら天文学的に膨れ上がろうとしている需要にどう応えていくかを考えるだけでも、ビジネスチャンスは無限に広がる。

早い話、地球資源に頼っている現状にはいずれ限界がくる。そう遠くない将来、工場で生産されたエネルギーや工業原材料、それと工業化による飲用水確保や食料増産が世界中の人々の生活を支えていくことになろう。それらの供給ニーズは量的にも半端な規模ではない。高度な技術開発力と工業製品を安く大量に生産する能力を併せ持っている日本の製造業にとっては、とんでもない将来需要が横たわっているわけだ。

新興国が豊かになればなるほど、大活躍するであろう日本企業は数多い。われわれ長期投資家にとっては応援しがいのあるテーマである。

(2010年2月8日記)

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