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第97回 夏休みシーズンと長期投資

2009年9月1日

夏枯れ相場

毎年この季節は夏休み休暇やお盆の里帰りで、株式市場への参加者が極端に少なくなる。夏の高校野球をテレビ観戦する人も多く、株式投資どころではなくなる。それで、夏枯れ相場といった症状をきたすのが恒例となっている。

さあ、今年はどうなるか。2年前に米国でサブプライム問題が発生して、世界中の株式市場が大暴落した。夏休み休暇などで買いが薄くなっていたところへ売りが殺到したから、世界同時株安の激震が走った。各国の株式市場ではリスク回避の売り逃げ一色となり、株価全般は棒下げした。

それから2年たった。各国政府や中央銀行による金融危機克服と景気浮揚を狙った大盤振舞い政策もあり、世界の株価全般はジリ高基調をたどっている。例年なら夏枯れの閑散相場となる時期だが、今年は売られ過ぎの反動で買い方が優勢となるのか興味しんしんである。

ともあれ、われわれ長期投資家にとっては夏枯れ相場などはどうでもいいこと。2年前のサブプライムショック時もそうだったが、市場参加者が少なくなっているところへ売り物が集中したのなら、ちゅうちょなく目一杯買ってしまおうとする。それは、もう長期投資家の本能みたいなもの。

本能だけで行動する? 心配ない、ちゃんとした合理的な根拠をもった行動でもある。

一番の合理性は、皆が売って安くなっている時に買っておけるということ。投資でもビジネスでも安い時に将来の商売のタネを仕込んでおくと、後はどうにでも料理できる。価格面で無理する必要がないから、なにかにつけて楽である。

二番めの合理性は、皆が売り逃げに走っている時だから、良い素材だけを厳選して好きなだけ仕込めること。これは暴落相場時でも冷静に対応できる人ならではの芸当である。

世の中が落ち着き冷静な判断が戻ってくると、「どうして、こんなに価値あるものを、あれほどの安値で売ってしまったのだろう」と嘆く声が、あちこちで聞かれるようになる。それはもう後の祭りで、長期投資家の手に収まっている。

現役層の金融資産が動けば

三番めの合理性は、地球上68億近い人々の毎日の生活に一時として休みはないということ。毎日の生活に必要な物資を生産し供給する経済活動は日夜ずっと繰り広げられている。その主体となるのが企業のビジネス活動である。

たとえ、企業が社員に交代で夏休みを取らしたり、工場が盆休暇でまるまるラインを止めるとしても、企業としての供給責任は果さなければならない。生活物資をはじめとしていろいろな資材の生産供給活動が途切れることなく繰り広げられるためには、市場での交換と価格形成機能は不可欠である。だから、各種市場や株式市場には長期休暇というものがないのだ。

市場はいつでも開いていて、需要と供給の調整機能を果す重要な役割を果している。そうはいうものの、いつ需給の力関係が大きく崩れるか予測がつかないのも市場の特徴である。たまたま、夏枯れ時とかで売りが殺到したら、暴落症状をきたすのは避けられない。

売りが殺到して株価は暴落しているといった時でも、多くは売り逃げのリスク回避心理によるもの。そういった混乱時に、企業の生産と供給活動をずっと応援するぞという価値観をもった長期投資家が買いを入れたら、市場はどうなるだろう。

買いが入ってきた分だけは売りの圧力が減るのは間違いない。同時に、価格急落という現象におののいて売り一色となっている市場に、人々の生活をベースとした経済活動を断固支えていくぞという価値観を放り込んでやるのだ。市場にも経済全体にも落ち着きと安心感を与えることができる。

市場はいろいろな価値観や利益計算が混ざり合う場であるが、長いめではより合理性のある方向で価格が形成されていく。いつでも地球上68億近い人々の毎日の生活を想定した行動をしようとする長期投資は、合理性の追求そのものである。

(2009年8月10日記)

本資料は情報の提供を目的としており、投資その他の行動を勧誘する目的で、作成したものではありません。銘柄の選択、売買価格等の投資の最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようにお願いいたします。本資料の情報は、弊社が信頼できると判断した情報源から入手したものですが、その情報源の確実性を保証したものではありません。本資料の記載内容に関するご質問・ご照会等には一切お答え致しかねますので予めご了承お願い致します。また、本資料の記載内容は、予告なしに変更することがあります。


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