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第89回 世界の運用者とインフレ局面

2009年5月8日

今回も個人的見解をたっぷり盛り込みます。御了承ください。

30年ぶりの本格インフレと金利上昇?

いま世界各国は金融危機を乗り切ろう、落ち込んだ景気を浮上させようということで、ものすごいお金のバラ撒きをしている。財政赤字が異常膨張しようが国債を大量発行しようが、かまってはおられない。世界の金融不安が解消し景気回復トレンドも相当に力強くなるまでは、ずっと続けられるだろう。

世の中なんでもそうだが、大量に供給されるものの価値は下がっていく。これは避けられない。経済活動はすべて需要と供給のせめぎ合いであり、需給の力関係は価格変動で調整されていくものだから。

お金も大量にバラ撒かれると、やはり価値は下がっていく。お金の価値が下がるということは、その相手方としてモノの値段が上がるのは自然の成行きである。つまり、インフレの徴候が色濃くなっていく。

もっとも、不景気からインフレ直行なんてあり得ない。スタグフレーション(不況時の物価上昇)を繰り返すうちに景気の本格回復段階を迎え、その先でインフレの火が燃え上がることになる。

おそらく、今回も同様のパターンを描くのだろう。当分は、失業率の上昇やら景気の低迷を騒ぐばかりで、インフレのイの字も出てこない。むしろ、デフレ懸念の方が強いぐらいである。だから、各国は金融対策や景気浮揚を目指してお金をどんどんバラ撒き、せっせと将来インフレの種を撒いているわけだ。

30年前に先例がある。米国でみてみよう。1973年11月の第一次石油ショックで、原油価格が1バレル 3ドルが10ドルに跳ね上がった。それを受けて、消費者物価は72年の3.3%から74年11.1%、75年9.1%へと急上昇した。

79年から80年にかけての第二次石油ショックで、原油価格は10ドル前後から30ドルに引き上げられた。消費者物価は79年11.3%、80年13.5%、81年10.3%と、やはり2ケタ以上の上昇をみた。

石油ショックによる需要の急減退をテコ入れしようと、米国政府は積極的な景気刺激策を次々と打った。結果として財政赤字の大幅拡大と国債の大量発行で、長期債利回り(10年もの)は67~73年の平均6.28%、74~79年の平均8.07%、そして80~85年には平均12.09%へと急上昇していった。

米国を例にあげたが世界中が70年代80年代に、すごいインフレと金利上昇局面を経験した。

年金運用者のほとんどは未経験の世界

将来インフレの可能性といっても、まだ先のことだから大慌てすることはない。しかし、年金など長期資金の運用者は頭の片隅にでも、本格インフレ局面を想定しておいた方が良いかもしれない。

たとえば、世界の年金運用が本格化の途についたのは1970年代の後半からで、80年代90年代と爆発的な拡大をみた。年金資金の大量買いが、世界の株式市場や債券市場を岩盤のように下支えしていった。運用資金がどんどん流れ込んでくるから、買えば上がるという好循環が20年以上にわたって続いたわけだ。

やはり米国の長期債利回りでみると、上に書いた80~85年の平均12.09%が、86~92年に平均8.12%に、93~99年の平均6.17%に、そして2000~08年の平均4.59%へと、きれいに下がってきている。それだけ、長期債の価格が右肩上がりで上昇していき、すばらしく幸せな運用環境が長いこと続いたことになる。

いま、各国政府がすごいピッチで財政赤字を拡大しては国債を増発している。いくら中央銀行が国債などを大量に買い取って金利上昇を政策的に抑えようとしても、国債発行残高の著増傾向は紛れもない事実。

いずれ国債の大量供給による債券価格の下落つまり金利上昇は避けられず、どこかで市場金利は暴れ出すことになるだろう。それが、不況時の物価高(金利高)つまりスタグフレーションとなるか本格的なインフレ到来となるかは知れないが、その場合債券中心の運用にとっては悪夢となるだろう。30年ぶりの本格的な金利上昇局面は、年金など多くの機関投資家運用者にとって、はじめて遭遇する冬の時代といえる。

一方、株式投資はきちんと銘柄選択すれば大きな成果が期待できる。なにしろ、世界各国が急いでいる景気回復もインフレ傾向も、企業によっては大幅な売上げ増加つまりビジネス拡大に直結するのだから。

※ ここで使用した各種数値データは、すべてOECD統計による。

本資料は情報の提供を目的としており、投資その他の行動を勧誘する目的で、作成したものではありません。銘柄の選択、売買価格等の投資の最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようにお願いいたします。本資料の情報は、弊社が信頼できると判断した情報源から入手したものですが、その情報源の確実性を保証したものではありません。本資料の記載内容に関するご質問・ご照会等には一切お答え致しかねますので予めご了承お願い致します。また、本資料の記載内容は、予告なしに変更することがあります。


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