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第82回 投資家らしさが欠けている

2008年9月5日

今回は個人的な見解を書き述べます。相当に独断と偏見が並びますが、ひとつの断面ではあります。

機関投資家化現象の限界が浮きぼりに

投資も経済も、いってみれば力と力のせめぎ合いである。企業の売上げがグ―ンと伸びるのも、消費などの買いエネルギーが集中した結果である。どれだけ良い製品で、どれだけ販売活動に力を入れても、買いの力を糾合できなければそれまでのこと。

力と力のせめぎ合いが一番はっきり見られるのが市場である。市場では価格変動という形で、常に押したり戻されたりを繰り返す。時として一方向に大きく振れたり、その反動もある。

このダイナミズムを瞬発力よく機敏につかみ取っていくのが短期投資であり、大きなうねりとしてとらえるのが長期投資である。大きなうねりとは、小さなダイナミズムが集っていくうちに蓄積されたエネルギーが大きく流れ出る時の、すさまじいエネルギーをイメージするといい。

世界の株式市場において、70年代半ば頃から徐々に存在感を高めてきたのが、年金資金などの機関投資家運用である。いまや、たとえば米国株市場の60%を支配するまでに巨大化している。

ところが機関化現象の進展とともに、運用成績の比較評価がどんどん厳しくなっていった。年金運用なら本来は10年20年後の成績を問うべきだが、 10年たってみて運用成績がお粗末だったでは手遅れである。そこで、年金基金やコンサルタント会社が毎年とか四半期毎の成績を問うようになった。

そうなると、運用担当者はのんびりと大きなうねりをとらえるなんて言ってはおれない。小さなダイナミズムを小刻みにつかみ取りながら成績を積み上げる方向に、どんどん追い立てられてしまう。

株式投資でいうならばディーリング運用で成績を出そうとするから、どうしても短期売買が主体となる。それも、コンピューターにプログラム売買させた方が、はるかに早いし効率的である。

こうなってくると、企業の業績動向も直近の業績数字をデータ処理してはプログラム化するだけとなる。運用者それぞれの判断とか読みといったものが入り込む余地は、どんどん削られていく。

ということは、どの機関投資家も近似化したプログラム売買でもって、わずかばかりの成績差を競うのが日々の仕事となってしまう。始末の悪いことに、機関投資家の巨大資金が同じタイミングで、同じ方向へドドっと往っては戻すを繰り返す。それが、最近の世界の株価を形成しているのだ。

先を読もうとしない

投資とりわけ長期投資は、先読みゲームの様相が強い。将来に向けての大きなエネルギーの蓄積を、早い段階から読み込んではさっさと行動するわけだ。

機関投資家の多くは巨大な資金を運用するから、その図体に適しく大きなダイナミズムをとらえて、早め早めに行動しないと、まともな投資リターンなど望めない。ところが、短期のディーリングに走ったり、コンピューターに売買させる運用が主体となってくると、もう先読みもなにもない。

株式市場は本来、経済の先行指標としての役割を果す重要な機能をもっている。それが、経済統計などの数字をつかず離れず追いまわすことをもって株式投資となっていくと、株式市場そのものの否定となる。いずれは、機関投資家自身の拠って立つべきところを失うことにもなりかねない。

まあ、そんなことはあり得ない。人間の生活があって、経済も企業活動もある。そこには、将来へ向けての投資活動は絶対不可欠である。つまり、先読み行動の重要性は永遠に失われない。

まあ、世界の機関投資家が「サブプライム問題で、株を売りがちで買えない現状」は横へ置いて、われわれ長期投資家は大きなうねりを先取りしていこう。いずれ状況が好転してきたら、彼らの巨大資金が押し上げてくれる。

本資料は情報の提供を目的としており、投資その他の行動を勧誘する目的で、作成したものではありません。銘柄の選択、売買価格等の投資の最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようにお願いいたします。本資料の情報は、弊社が信頼できると判断した情報源から入手したものですが、その情報源の確実性を保証したものではありません。本資料の記載内容に関するご質問・ご照会等には一切お答え致しかねますので予めご了承お願い致します。また、本資料の記載内容は、予告なしに変更することがあります。


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