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第81回 新メガトレンドを先取りしよう

2008年8月6日

サブプライム関連損失?景気後退?外国人売り?

投資は「将来の納得に対し、いまの不納得で行動する」ものといえよう。将来の納得とは、時間の経過とともに投資価値が高まっていってくれること。後になって、「あの安い時に買っておいて良かった」と、満足感に浸れるイメージである。

いまの不納得とは、「こんな時に買うなんて、気がしれない。損するだけなのに」と、まわりから散々にケチをつけられる時。みなからケナされることはあっても、ほめ讃えられるなどまず考えられない状況下で、敢えて買い出動することをいう。

一般的に投資家は、この逆をやってしまいがち。つまり、「いま不安だから、まずは売っておこう」となる。とてもではないが、将来の投資価値の高まりなどイメージする余裕もない。

それでいて、「みなが売っているし、こんなところで買いに行ったら売り叩かれるだけだ」「先行きの見通しも立たないのに買うなんて、猪突猛進もいいところ」云々と、買わない理由は立派に並べ立てることができる。

残念ながら、これでは投資家として失格であろう。というか、将来を先取りした行動ができる投資家を前にして、いつもいつも良い思いをさせてくれる鳥合の衆になりかねない。なにしろ、後から慌ててドドッと買い群がってきてくれるのだから、実にありがたい存在である。

皮肉をいいたいのではない。世の人々の多くは、「いま現在をもって」すべてを判断しようとする。いま現在の判断では正しく思えても、将来へつながる時間軸でみると不合理なものが多々ある。その不合理を突いて、さっさと行動するのが長期投資である。

いま世情を騒がしているサブプライム関連問題や世界の景気後退懸念、あるいは外国人投資家による日本株売りなど、われわれ長期投資家からみれば一時の話題にすぎない。それよりも、株価だけは派手に下げているのだから、買い仕込みを急ぎたいところである。

金融万能の時代が終わろうとしている ― 過渡期の混乱

ちょうど1年前に発生したサブプライム問題が、いろいろ尾を引いている。米国の住宅不況や消費の落ち込み、金融機関の損失計上などが世界経済にもすくなからぬ影響を及ぼしている。たしかに、それが現状であろう。

人はどうしても「いま現在の大変な状態」に気をとられがちとなる。その直前までは、米国の住宅ブームがどれだけ長期間にわたって活況だったか、金融界では投資銀行や大手証券がどれほど荒稼ぎしてきたかを、すっかり忘れてしまっているのだ。

いつの世でも、ブームといった状態が長く続くと、必ずといっていいほど行き過ぎが発生する。ブームが去った後、行き過ぎた部分が反動となって、大きな混乱をもたらすことが多々ある。その混乱をもって、大変な状態が到来したとマスコミ中心に大騒ぎするわけだ。

しかし冷静に観察すると、大変なのはほんの一部にすぎない。すこし前までいい思いをしていた人達は引っくり返って大変。ほとんどの人は別にどうってことなく生活している。そこには昨日と変わらぬ経済活動が存在し、企業のビジネスも何事もなかったかのように繰り広げられている。

ただ、実際のダメージは部分的であっても、心理的な影響は人々の間で意外と広く伝播していくもの。心理面での弱気が集って、一時的にしろ個人消費の落ち込みといった現象が発生するわけだ。それをみて多くの投資家は売り逃げに走りたがる。

そんな中、世界のお金の流れが変わろうとしている点は要注目である。30年越の金融万能の時代が終わりつつあり、代って「実需への投資が、世界の資金を吸い上げようとしている」のだ。新しいメガトレンドといっていいだろう。

新しいメガトレンド

地球上人口67億人が、2050年にかけて91億人から100億人ぐらいにまで増加していくといわれている。そして、世界中の人々がより豊かな生活を求めて経済成長に爆進している。

人口が増えつつ、みながより豊かな生活を求めるとなると、エネルギーや食料・工業原材料・水といったもの、すべてにおいて需要は拡大し続けることになる。地球規模の需要の高まりに対する供給力拡大の投資も、やはり今後ずっと増加していくのは自然の流れ。

ここからが、「マネーの時代」とは違うところ。金融ビジネスであれば、信用創造やレバレッジをかけたりで、ひとつのお金を10倍にでも20倍にでも嵩上げできる。だから、実体経済をはるかに上まわる規模にまで金融経済は膨れ上がっていったのだ。

ところが、エネルギーや食料・工業原材料・水などは実物そのものである。金融のようにバーチャル(仮想)な世界と違って、ひとつのお金を何倍にも使いまわしできない。ひとつのお金の使い道はひとつである。

となると、実需への投資が拡大していくにつれて、世界のマネーは実体経済の中にどんどん吸収されていくことになる。90年代後半のITバブルや、その後の金融バブルを下支えした世界の過剰流動性は、今後すごい勢いで解消されていくことになろう。

それにつれて、ペーパーマネーをいじくっては付加価値を生み出す金融ビジネスは、かなりの水準まで縮小を余儀なくされよう。星の数ほど生まれたヘッジファンドも淘汰が進むだろう。

一方、資源開発投資からはじまって、代替エネルギーの研究開発や大量に生産する設備への投資など、想像をはるかに越えた投資ブームが到来しよう。お金はいくらあっても足らない。いずれは金利も上昇していくのだろう。これが新しいメガトレンドである。

われわれ本格派の長期投資家にとっては、「待ってました」の展開である。

機関投資家運用も鍛え直される

30年越のマネーの時代を背後から支えたものに、年金を中心とした機関投資家化現象の進展がある。80年代90年代と世界の株式市場ではすばらしい右肩上がり上昇相場が続いたが、機関化現象の進展による株式大量買いが株価全般を強力に押し上げた面が強い。

たとえば、米国株式市場をみると80年代90年代の20年間で、ダウ工業30種やS&P500種やウィルシャー5,000などの平均株価は、年率にして12%から16%ぐらいの上昇を記録している。これだけ見事に上昇トレンドが続けば、運用担当者は楽である。適当にポートフォリオを作成しておけば、誰でもソコソコの成績数字を自慢することができた。

ところが、2000年に入って株価上昇のピッチが鈍ってくるや、運用者たちはなかなか成績を出せなくなった。そこで、年金などの機関投資家運用はヘッジファンドに投資したり、オルタナティブ投資にのめり込んでいった。これが証券化商品などの大流行に拍車をかけたわけだ。

投資銀行などが高度に金融技術を駆使して、非常に高い確率で毎年一定の利回りが得られるような投資商品を仕立ててくれる。それらをポートフォリオに組み込んでいくだけだから楽なもの。これはすばらしいと、世界中の年金はじめ金融機関が大歓迎したのも束の間、サブプライム問題発生で保有している証券化商品の多くが評価損を抱えることになってしまった。

そんなところへ、新しいメガトレンドの登場。お金の流れが実需の方へシフトしていくとなると、そこは長期の株式投資の独壇場。資源開発にしても、代替エネルギーの研究開発や設備投資にしても、5年10年の時間軸でお金を動かす世界。金融商品を右から左へパッパッと入れ替えるのとは違う。

さてさて、どれだけの運用者たちが本格的な長期投資に真っ正面から取り組めるだろうか。金融工学やコンピューター頼りに机上の運用に明け暮れてきた人達だ、実物投資は腹のすえ方ひとつとっても未体験の世界。

メガトレンドという以上、流れは20年30年と続くはず。世界の機関投資家運用者たちが5年10年単位の株式投資ポートフォリオを構築できるようになるまで、しばらく時間がかかるだろう。いまのうちに、われわれ長期投資家はしっかり買っておこう。

本資料は情報の提供を目的としており、投資その他の行動を勧誘する目的で、作成したものではありません。銘柄の選択、売買価格等の投資の最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようにお願いいたします。本資料の情報は、弊社が信頼できると判断した情報源から入手したものですが、その情報源の確実性を保証したものではありません。本資料の記載内容に関するご質問・ご照会等には一切お答え致しかねますので予めご了承お願い致します。また、本資料の記載内容は、予告なしに変更することがあります。


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