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第79回 長期投資のリターン

2008年6月6日

インカムゲインとキャピタルゲイン

「さわかみファンド」では保有企業から前3月期決算までの1年間で、37億29百万円の配当金収入を得る。(未収配当金を含む。)

これは、2008年3月末時点のファンド保有銘柄の取得コスト総額2,420億円と単純比較すると、1.5%の配当利回り(インカムゲイン)ということになる。

インカムゲインは投資において、ほぼ唯一といってよい現金回収の手段である。とはいえ、それが1.5%ぐらいではちょっとつまらない。なんとかして、トータルの投資収益を高めたいものだ。

そこで、キャピタルゲイン(売買益)というものの重要性が浮かび上がってくる。投資のキャピタルゲインといっても、お店の商売と同じで「安く買っておいて、高くなるのを待って売る」だけのことである。その作業を繰り返すことで、キャピタルゲインは積み上がっていく。

たとえば、「さわかみファンド」はこの1年間でも、昨年7月末までの高値追い相場では保有株の噴き値をていねいに売り上がっていった。投下資金の回収と同時に、利益を確定したわけだ。

そして、8月のサブプライム問題発生で世界の株式市場が大きく売り込まれたのを機に、運用の方向を断固買い増しに切り換えた。7月までの高値を売って現金化しておいたから、「待ってました」の買いができたわけだ。この10カ月間ずっと売り圧力が強かった相場環境下、蓄えておいた現金とファンド仲間からの入金を投入して、総額で907億円も買い増ししている。

投資運用は「安く買って高く売る」をリズム良く繰り返すのが命である。リズムの起点ともなる株価全般が大きく売られたところは、「安く買っておく」タイミングであり、行動はちゅうちょしない。将来のキャピタルゲインの種を蒔きにいくわけだ。

長期投資の時間軸

一般的に投資運用というと、1年間とか3年間あるいは5年間の成績を云々する。それらの成績がどうだったとか、競争相手と比較して何%上まわった何%下まわったとかで、けっこう騒々しい。

われわれ長期投資家からすれば、3年も5年も通過点にすぎない。まして1年の間で成績がどうしたこうしたは、まったくといっていいほど意味をもたない。

では、どのくらいの期間を長期投資家は意識しているのか? 期間ではない。ずっと将来を見すえて、「世の中はこんな感じになっていくのだろう」と想定される流れを、ひたすら意識する。

その上で、いつも10年ぐらいの時間軸で経済社会の動向をあれこれと推測しては、「これは思い切ってリスクを取ってやろう」と判断した投資案件に、ためらうことなく資金を投下していく。

10年という時間軸は、けっこう使い勝手がいい。たとえば、暴落相場の渦中でも「この会社だったら潰れる心配はない。この安値を拾っておけば、10 年保有している間には株価が2倍になってもおかしくはない」と想定できる企業は、だれでも数社はすぐ思い浮かぶだろう。これが1年で2倍というと、投資環境がどうのとか経済情勢がこうのとかで、せっかくの安値をなかなか買えない。

ここで買えたかどうかが長期的に大きな違いとなってくる。「10年で2倍になればいいや」が現実になると、年率にして7.2%の運用成績をあげたわけで、十分に立派な財産づくりとなる。一方、せっかくの下げ相場を買えずにモタモタしていた人にとっては、投資収益もなにもない。

これは経験則でしかないが、「10年で2倍になればいいや」で買っておくと、意外と早く投資リターン機会がやってくる。結果として、3年とか5年で 2倍になってくれたというケースは、現実によくある話。それはそうだろう、ひどい暴落局面で思い切り安値を拾っておいたのだから。

これが長期投資の時間軸である。いつでもどんな時でも、どっしり長期で構えた買い仕込みの姿勢を絶対に崩さない。

バイ・アンド・ホールド投資に、思いを込める

長期の株式投資といえば即座に「ああ、バイ・アンド・ホールド投資ね」という反応が戻ってくる。投資運用の歴史が長い欧米各国でも、長期バイ・アンド・ホールド型の株式投資が効率的な財産づくりにつながるという経験則が定着している。

どうして、バイ・アンド・ホールド投資が賢いのか?どの企業も将来の成長に向けて経営努力を重ねるが、ビジネスが拡大し利益が積み上がってくるまでには、どうしてもある程度の時間がかかる。作物の育成でもそうだ。小さな種が大きく実ってくるまでに時間がかかる。実ってくる前にじたばたしても得るものはない。

作物が大きく育つのは、大自然のエネルギーをたっぷり受けてのこと。企業のビジネスが伸びるのも、その企業が生み出す製品やサービスを世の中が必要として受け容れてくれるからこそ。そこをしっかり押さえておけば、長期投資のリターンが時間の経過とともに積み上がってくるイメージがもてるはず。

とはいえ、投資家がこれといって格別な努力をする必要はない。企業の方が事業拡大のための経営努力を重ねてくれるから、長期スタンスの株主としてのんびり保有していればよい。

それでは申し訳ないから、われわれ長期投資家は企業を熱く応援しようとする。投資家が応援するのに一番カッコ良くて価値あるのは、猫もしゃくしも売り逃げに走る相場暴落時や不況時だろう。そういった局面で、ドーンと買いにいく。(昨年8月からの総額907億円の買いが、まさしく熱い応援である。)

状況が改善に向い、企業の業績も株価も大きく戻ってくるにつれ、多くの投資家が上昇トレンドに乗ろうと後から後からと買い群がってくる。いわゆる、にわか応援団の出現だ。

その段階になってきたら、われわれ長期投資家は企業の応援をガンガンの強気で買ってくるにわか応援団にまかせてしまう。つまり、すこしずつ利益確定の売りを出していくわけだ。

いずれどこかで経済環境が悪化したりしたら、にわか応援団が真っ青になって売り逃げに走る。そこで買い出動するのが、われら真打の応援団の役割だろうということで。

そう、われわれ長期投資家は長期バイ・アンド・ホールド投資を基本とするが、企業の熱き応援団という役割をも果す。それで、世の中をもっとおもしろくすることができるのだ。なにしろ、われわれの銘柄選択の根底には「こういった企業群にどんどん頑張ってもらって、一緒に良い世の中つくっていこう」という思いが、山のように込められているのだから。

子供や孫達にどんな世の中を残してやるか

これは約束でもなんでもないが、きちんと長期投資していくと投資リターンは後からついてくるものである。世の中がずっとずっと必要とするであろう企業群を、本物の応援団として安値を買っては高値を売るを繰り返していくのだから、それなりの投資収益は十分に期待できる。

そういったイメージをもてるようになってくると、おもしろいもので気持に余裕がでてくる。「どうせ、そこそこの投資リターンがついてくるのなら、目一杯カッコ良い投資をしてやろう」といった考えが強くなる。

一般的に投資というと、「いかに上手く儲けるか」「とにかく値上がりしそうな株を」といった意識が前面に出てくる。ところが、われわれ長期投資家は「カッコ良い投資」への関心がどんどん高まっていってしまう。

「そんなきれい事を並べて」とかいわれても、まったく気にならない。なにしろ、こちらは投資対象銘柄を長期的に世の中が必要とする企業群に厳選し、投資の基本である「安く買って高く売る」を地で行っている。理に適ったことをやっているんだから、怖いことはなにもない。

カッコ良い投資を心懸ければ、自然と「良い世の中づくりに、すこしでもお手伝いしたい」という気持が高まってくる。「子供や孫達にこんな社会を残してやりたい」といった思いが、日々の投資に託されていくってワクワクするほど楽しいこと。これも長期投資のリターンである。

本資料は情報の提供を目的としており、投資その他の行動を勧誘する目的で、作成したものではありません。銘柄の選択、売買価格等の投資の最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようにお願いいたします。本資料の情報は、弊社が信頼できると判断した情報源から入手したものですが、その情報源の確実性を保証したものではありません。本資料の記載内容に関するご質問・ご照会等には一切お答え致しかねますので予めご了承お願い致します。また、本資料の記載内容は、予告なしに変更することがあります。


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