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第74回 自助の精神で日本経済を立て直そう

2008年1月15日

内向き指向とか総悲観で、なにが得られるのか?

日本衰退論なる表現をあちこちで見かける。人口減少、高齢化、通貨安、先進国最悪の財政赤字などを並べ立てては、日本の国力低下は否めないと主張する。

あまりに弱々しすぎる。そんな言葉の遊びをしているヒマがあるのなら、事態の打開をひとつでもふたつでも考えるべきだろう。貧しくなって嬉しい人なんて、どこにもいないのだから。

どうする?人口減少や高齢化が進むからといって、経済力も落ち込むと決め込むのは短絡的すぎる。たしかに若年労働人口は減っていくかもしれないが、それ以上のスピードで研究開発や技術革新など知的労働の比重を増やしてやればいい。頭脳や感性ベースの付加価値を高めていくことで、日本経済は新しい成長路線に入っていける。

そのためには独創性を高める教育が求められるが、うまい具合に企業活動の現場では独自性や創造力なしにグローバル経済で生きていけなくなってきている。教育の現場も否応なしの改革が迫られる。対応できなければ、企業も教育機関も捨てられるだけだ。

通貨安?巨額の為替介入資金を投入して自ら種を蒔いたはず。輸出企業のためには円安政策誘導を、不良債権処理のためにはゼロ金利政策を、といった産業優先の経済政策にこだわった結果である。真に国富の増強や国民の生活安定を考えるなら、わざわざ自国通貨を安くして国力を削ぐ必要もなければ、ゼロ金利で家計の利子所得を奪うのも不合理である。

ちなみに、日本の金利水準を正常化へ向けて引き上げれば、円安どころか円高傾向が強まろう。もちろん、円キャリートレードで日本の富が海外流出するのも歯止めをかけられる。

もうそろそろ産業界など一部の利益擁護政策を卒業して、日本全体の将来を見据えた国家戦略を設定し、それに沿った経済政策を打ち出すべきである。

そんなことしたら、企業倒産や失業が大量に発生し経済の現場は大混乱に陥る?そういっては野放図に予算をバラ蒔いてきたから、財政赤字がかくも巨大化し国債の発行残高も膨れ上がったではないか。だからといって、日本経済がデフレを脱却したわけでもないし、地方経済が活性化したわけでもない。一気にウミを出し切るのを怖れて、問題の先送りはもう止めにしたいものだ。

英国病は見事に克服された

70年代までの英国はもっとひどかった。79年に登場したサッチャー首相は断固たる意思と覚悟で、徹底的な規制緩和と民営化による経済改革を推し進めた。

当初は炭鉱労働者の大規模ストライキなど、国内各地で大反対の嵐が吹き荒れた。それでも、サッチャー首相はひるむことなく英経済の大手術を次から次へと断行していった。まさに、鉄の女といわれるに相応しい政治家の本領発揮だった。

18世紀後半の産業革命以来ずっと世界に君臨した輝ける英国経済は、第一次そして第二次大戦を経て急速に凋落していった。その過程でイギリス人が喪失した自信は、バブル崩壊後の日本の比ではない。経済規模は米国に抜かれ、西ドイツや日本の後塵を拝するまでになり、フランス・イタリアと順位を競う有り様だった。

それでも世界経済の成長へ投資できた資産家は別として、一般労働者中心にイギリス人の多くはずいぶん長いこと将来への見通しも暗いジリ貧生活を強いられた。国内経済は活力を失い対外競争力の低下に苦しんだし、教育も退廃をいわれたものだ。

そんなイギリス人がサッチャー改革から数年もしないうちに、一人そして一人と立ち直っていった。自信もみるみる戻っていった。いまや、英国は15年を越す好景気を謳歌している。

米国経済が示唆する教訓

米国経済も90年代に入って劇的な復権を遂げた。80年代前半までは、財政と貿易の双子の巨額赤字やら高インフレやら犯罪の増加やらで、米国民は見るも無惨に打ちひしがれていた。それが、レーガン政権による大々的な民営化と大幅減税が功を奏して、信じられないほどのスピードと迫力で米国経済は蘇った。

あれほどの財政赤字も驚くことに一掃されたのだ。民営化で、小さな政府を指向すれば財政負担は減る。一方、大幅減税で民間活力を高めてやれば、税収入は一時的に減ってもいずれ増えて戻ってくる。当初こそレーガン政権の素人経済政策とやゆされたものの、改革は成功した。

その後、湾岸戦争やアフガン侵攻そして現在もイラク問題を抱えて、米国の財政赤字は再び膨らんでしまった。また、エンロン事件や今回のサブプライム問題などの発生で、市場主義の行き過ぎとか限界といった指摘も増えている。

たしかに、格差拡大とか貧困問題とかは無視できないが、80年代前半までの米国経済の低迷とは比べものにならない。低成長と高失業率・高インフレが常態化していたし、日本の台頭などで米国民の自信喪失も甚しかった。

どうにもならない行き詰まりを打破したのが、経済成長である。政治がリードして民間活力を高め、それが米国民全体の所得を増加させた。最近でこそ、サブプライム問題を騒ぐが、どれだけ多くの米国民がマイホームを取得できるようになったことか。

ひるがえって日本は、国の指導層が高度成長期の経済運営しか知らず、やることなすことほとんどがピンボケ政策ばかり。巨額の財政赤字や国債発行残高を積み上げ、ゼロ金利政策で家計から300兆円を大きく上回る利子所得を奪ったものの、経済成長率はさっぱり高まらない。

国全体の所得が増えないから、個人消費や投資を通した富の再分配機能が働かない。だから、地方経済が疲弊したり格差拡大とかで、しわ寄せがどうしても弱いところへ集中してしまう。

本来ならば、サッチャー首相やレーガン大統領のような強い政治家が出てきて、日本経済の大改革を断行してもらいたいところ。現実は残念ながら、選挙地盤への予算ばら撒きなど利益誘導に躍起となっていて、国全体の富を増やすべく将来成長への布石を打つどころではない。

動けるところから見切り発車しよう

手はいくらでも打てる。とはいえ政治に期待していても、いつのことかどこまでやってくれるのか知れたものではない。国民ひとり一人が身近なところから、富の増強に動き出そう。

動き出してみれば、それもある程度の勢いがついてくれば、草の根的な経済活性化を実感できる。経済活動なんて、明るさが出てくるにしたがって勢いが勢いを生む好循環に入っていく。機関車と同じで動き出すまでが大変で、勢いがついてしまえば後は楽である。

みなで長期運用に踏み出すとおもしろい。これだけ広く国民に預貯金が大量に保有されている国はない。その預貯金の一部でも長期運用に向けてやれば、その資金が経済の現場をグルグルまわり、経済活動を高める効果を発揮してくれる。民間版の景気対策をみなでやっていくのだ。

これは消費しても同じこと。たとえば日本人全員が一人10万円ずつ預貯金から下してきてパッとつかってやれば、それだけで日本経済は瞬時に2.5%成長する。(127百万人×10万円÷500兆円=0.0254で2.54%)ただ、消費でつかってしまうといっても、これといって買うものもないし、将来の貯えを減らすのは辛い。だから長期運用にまわすのだ。

なにに投資する?世界経済の成長に乗っていける企業の株式をどんどん買っていこう。現在のような株安局面で買って長期保有していれば、そのうち投資先企業の利益成長とともに投信リターンの積み上がりも期待できる。

加えて、ひとり一人の株を買うという行動が経済の現場へ資金投入することになり、民間版の景気対策に貢献できるわけだ。日本経済に元気が出てきて嬉しいのは、あなた自身である。

このままゼロに近い金利の預貯金に寝かせて、日本経済衰退論とやらと運命を供にするのか?あるいは自助の精神で、世界の成長を取り込んだ財産づくりを進め、かつ日本経済活性化に尽力するのか?

個人金融資産が1,550兆円あるといっても、このまま無為に過すと30年もしないうちに食い潰してしまう。動くなら早い方が賢明と思うが。

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