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第328回 2014年の為替相場予測

2014年1月6日

サンタクロースラリーはまずまずの結果に

「年末5営業日・年始2営業日の7日間の相場は上昇確率が高い」というサンタクロースラリーのアノマリーを昨年12月12日のレポートで取り上げたが、サンタクロースラリー期間のNYダウは12月31日に16,588ドルの高値を付け、ドル/円も1月2日に105円44銭まで上昇するなど概ね堅調な動きとなった。

NYダウ(左)とドル/円(右)の年末・年始相場の推移

サンタクロースラリーの期間(黄色のゾーン)


(出所:石原順)

また、円相場の「10月末買い・4月末売り」という循環売買は、昨年12月末時点でほとんどの通貨がプラスのパフォーマンスとなっている。12月5日に「豪ドル/円は上がらないのか?豪ドル/円の月別変動と上昇確率」というレポートを書いたこともあり、豪ドル/円の冴えない動きだけが唯一気になっていたが、12月31日に94円06銭まで上昇し、終値ベースでも12月相場は「陽線」で終わっている。豪ドルは「8月安」が大きな特徴だが、「4月と12月は高い」という上昇確率が維持されてほっとしているところだ。

ドル/円は60カ月移動平均線+30%かい離が上値の限界か…

今回のレポートは2014年の円相場の予測である。12カ月も先まで予測するので、予測精度が落ちることを前提に読んでいただきたい。相場には「落とし穴」や「まさかの坂」がつきものだ。相場で一番重要なのは資産管理であることを最初に断わっておく。

昨年来、円安・株高相場が進展しているが、われわれが今見ている円安は「良い円安」相場である。本来、通貨安というのは所謂「日本売り」などの「悪い通貨安」で大きなトレンドが発生するのが普通である。言い換えれば、「良い円安」というのはなかなか進まないし、おのずと限界があるということだ。

下のチャートはドル/円(月足)と60カ月移動平均線かい離(エンベロープ)である。チャートを見れば一目瞭然だが、1995年の79円という超円高相場も、1998年の147円という兆円安相場も、概ね60カ月移動平均線±30%かい離水準が円高・円安の限界となっている。

ドル/円(月足)と60カ月移動平均線かい離(エンベロープ) 円安の限界値は60カ月移動平均線+30%かい離付近か…?

10%かい離(緑)・20%かい離(青)・30%かい離(紫)


(出所:石原順)

したがって、2014年の「良い円安」相場は60カ月移動平均線+30%かい離水準が上値の目処となるだろう。60カ月移動平均線+30%かい離のラインは1月3日現在、114円28銭付近に位置している。「悪い円安=日本売り」が起こらない限り(2015年以降は起こるかもしれない)、2014年のドル/円の上値の限界は概ね115円程度とみておくのが基本である。

アベノミクス相場のサポートは200日移動平均線

アベノミクス相場のドル/円のサポートは200日移動平均線である。200日移動平均線を維持している限り円安基調は変わらない。ドル/円のノーマル相場は概ね200日移動平均線±10%の内部での運動となっている。

相場が200日移動平均線を明確に割り込むと、円キャリートレードの巻き戻し(ポジションの崩落)から200日移動平均線-10%かい離水準である90円近辺まで円高が走る可能性もあるが、米国および中国経済に大きな波乱がない限り、60カ月移動平均線+20%かい離水準(1月3日現在96円70銭)がサポートされるとみている。

ドル/円(月足) 200日移動平均線(赤)

移動平均線による周期分析では、ドル/円は昨年10月にボトムを付け上昇中


(出所:石原順)

ドル/円(日足) 200日移動平均線±10%かい離(紫) 相場の過熱は200日移動平均線+10%かい離水準が目処


(出所:石原順)

2014年相場の注目ポイント

2014年相場の注目ポイントは、

  • 1.イエレンFRB議長と米国の金融政策
  • 2.4月の消費税引き上げ
  • 3.日銀の追加緩和の有無とその内容
  • 4.米中間選挙年の相場サイクル

の4点に絞られよう

米国の金融政策については不透明要因が多い。イエレンFRB議長は3月のFOMCでデビューとなるが、FOMCの投票権をもつメンバーにタカ派が増えることが懸念される。現在、FRB副議長候補にスタンレー・フィッシャー(前イスラエル中銀総裁)の名前が挙がっているが、この人事が波紋を呼んでいる。

金融危機対応の豊富な経験を持つ大物であるフィッシャーがFRB副議長になれば、FOMCは事実上の「ツートップ体制」になる可能性がある。フィッシャーはイエレンのフォワードガイダンスについて懐疑的な見解を表明しており、両者が意見対立した場合はテーパリングが失敗するリスクが生じる。フィッシャーはイエレンほどハト派ではないと市場は見ており、出口政策が早まる可能性がある点に注意が必要だ。

NYダウ(週足)と米国の金融政策 イエレンVSフィッシャーで、テーパリングに失敗の恐れはないか?


(出所:石原順)

4月の消費増税は増税前の駆け込み需要が既に出ているが、駆け込み需要が高まる1月~3月期まで日本の景気は堅調に推移するだろう。需要の先食いの反動を埋めるために5.5兆円の経済対策が用意されているが、この経済対策では消費増税ショックをカバーしきれないと筆者はみている。

1990年以降の日経平均(月足)と年間高値の月 日本株は年前半勝負か?

年間高値が年後半(7月~12月)となった年(緑色)は24年のうち7年しかない。


(出所:石原順)

相場的に消費税増税の対策となりうるのは、公共事業よりも日銀の追加緩和であろう。ただし、追加緩和の内容が問題である。これ以上国債を買っても、これまで通り緩和資金は銀行の日銀口座に「ブタ積み」になるだけであろう。

したがって、日銀の追加緩和は気分の改善に過ぎない可能性がある。額は小さくても、実効性のあるETFなどのリスク資産買いが出てくるかが焦点だ。市場は4月~6月期の追加緩和を期待しているようだが、現在の株価と為替の水準で日銀が追加緩和に踏み切る理由はない。黒田バズーカの発動は株安・円高がトリガーとなるはずだ。

リスク商品の買い循環は「10月末買い・4月末売り」の半年サイクルが基本となるが、今年はこれに米国中間選挙年のサイクルが加味される。歴史的にみると、米国の中間選挙年の株価はさえない年が多い。一方、中間選挙年の翌年の相場は1946年以降すべて上昇している。このジンクスを重視するなら、今年は来年の上昇に備えてリスク商品の押し目を拾う年であると言えるだろう。

米国中間選挙年の相場推移をみると、NYダウの買い時期は1月~3月と10月~12月、ドルインデックス(米ドルの総合的な価値を示す指標)とドル/円は1月~3月と11月~12月期がドル高傾向となっている。

4月以降は要注意か?

歴史的な月間騰落率に米国中間選挙年の月間騰落率を加味すると、2014年の株式相場は「3月末に売って10月末に買う」のが基本戦略となる。

3月のFOMCまではフォワードガイダンスは大きく変わらないだろう。イエレンが雇用重視で失業率を下げるために超低金利政策を長期化したいと思っているのは間違いないが、「FOMCという組織をイエレンが掌握できるかどうか?」が問題となる。また、4月1日には日本の消費税増税が控えている。

いくつかのファンドにヒアリングを入れたところ、グローバルマクロファンドなどの投機筋は4月までにいったん利食いに動く意向だという。昨年の大幅上昇相場の反動も予測されることから、投機筋は4月~9月の期間にリスク商品の調整が入ってもおかしくないと考えているようだ。過去の経験則からは、投機筋がリスク商品買いに本格的に動くのは11月4日の中間選挙後になる可能性もある。以上の話をイメージ化すると、以下のようなチャートになる。

2014年のNYダウ相場の変動イメージ


(出所:石原順)

2014年のドルインデックス相場の変動イメージ


(出所:石原順)

2014年の円相場の予測

以下は今年の円相場の予想レンジで、筆者の現時点でのおおまかな「見当」である。2014年はバブルが暴走する可能性がある一方で、その反動としての相場急落の可能性もある年だ。

注意すべきは、「相場観」や「思惑」だけで相場をやると、大きな損をする危険性が高くなることである。相場観、あるいはファンダメンタルズ分析だけを根拠にポジションを持つと、相場観が変わるまでずるずると損を放置してしまうことが多い。メンタルに根拠を置く損切りほど怖いものはない。ストップロス注文は事前に設定しておきたい。

ドル/円 3カ月の予想レンジ:107円~102円 年間の予想レンジ:115円~95円


(出所:石原順)

ユーロ/円 3カ月の予想レンジ:147円~138円 年間の予想レンジ:152円~128円


(出所:石原順)

ポンド/円 3カ月の予想レンジ:179円~166円 年間の予想レンジ:185円~155円


(出所:石原順)

豪ドル/円 3カ月の予想レンジ:97円~90円 年間の予想レンジ:105円~85円


(出所:石原順)

ニュージーランドドル/円 3カ月の予想レンジ:88円~82円 年間の予想レンジ:95円~70円


(出所:石原順)

南アランド/円 3カ月の予想レンジ:11円~9円50銭 年間の予想レンジ:11円50銭~8円50銭


(出所:石原順)

本資料は情報の提供を目的としており、投資その他の行動を勧誘する目的で、作成したものではありません。銘柄の選択、売買価格等の投資の最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようにお願いいたします。本資料の情報は、弊社が信頼できると判断した情報源から入手したものですが、その情報源の確実性を保証したものではありません。本資料の記載内容に関するご質問・ご照会等には一切お答え致しかねますので予めご了承お願い致します。また、本資料の記載内容は、予告なしに変更することがあります。


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