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第326回 餅代稼ぎのシーズンがやってきた

2013年12月19日

テーパリング予測はブラードに軍配

注目の12月FOMCは2014年1月から債券購入を月750億ドルに縮小(国債とモーゲージ債を50億ドルずつ減額)することを決定した。運用者の50%、エコノミストの70%が「12月は見送り」という予想のなかでのQE縮小決定だった。筆者も「12月はQE縮小示唆だけで終わるのではないか?」と思っていただけに、やや意外感があった。

また、市場予測の多くは、

  • 「QE縮小見送り→株高・ドル安」
  • 「QE縮小示唆→株安懸念」
  • 「QE縮小決定→株安・ドル高・円高」

というシナリオだったが、QE縮小決定を受けて相場は「株高・ドル高・円安」という反応となった。

こうした反応になったのは、QE縮小の有無をめぐるモヤモヤが晴れて相場があく抜けしたこともあるが、「低金利長期化が約束されているのでバブルは続く」とみる投機筋が多いことを示唆している。

「株高・円安」ということで筆者にとっても有難い反応だが、市場が100%織り込んでいた9月QE縮小を見送り、見方が分かれていた12月FOMCでQE縮小を決定したことは、一部のエコノミストにとって「2回連続の手のひら返し」と映っているらしい。そのため、今後のFOMCと市場のコミュニケーションを危惧する声も出ている。

9月から12月までのQE縮小の有無を正しく予測したのは、先週のレポートでとりあげたブラード(セントルイス連銀総裁)である。ブラードは日和見主義というか、権力者の顔色を見ながら風見鳥のように意見を変えるのが特徴とされる。

ブラードは多くのFOMCのメンバーが9月QE縮小に前向きだった時は、「インフレ率が低すぎる」という理由から9月QE縮小に反対だった。しかし、その後いきなり「10月にQE縮小が開始される可能性はある」と発言し、今回の12月FOMC前の講演では「12月の小規模なQE縮小」を支持している。どういう事情があったのかはわからないが、10月FOMC(ブラードの転向)以降の米経済指標は(内容はともかく)良すぎる数字が続いている。

市場の期待をコントロールできるのか?バブル相場の注意点

今回のFOMC声明では、「失業率が6.5%を下回ってからもかなりの間、特にインフレ見通しが目標水準の2.0%を下回る状況が続く場合、FF金利の誘導目標を0~0.25%に維持することが適切になる公算が大きい」と資産バブルの維持を匂わせている。利上げ開始は2015年から2016年という見通しとなっている。

失業率が6.5%に達してもすぐには利上げをしないことを強調しているが、「このフォワードガイダンスだけで市場の期待をコントロールできるのか?」という不安は残るだろう。フォワードガイダンスが「QEの代替」となるには、イエレンの主張している「利上げ開始の条件となる失業率基準(現行6.5%)の引き下げ」が必要ではないかと思われる。

2014年はFOMCのメンバーが大きく変わり、FRB理事3人の空席期間が生じかねない。また、ハト派のバーナンキ・ローゼングレン・エバンス・ブラードがいなくなる。イエレンが思ったような政策をとれないリスクもあり、イエレンのFRB議長デビューとなる3月以降の相場には気をつけたい。

2014年 FOMC全8回の日程

  • 1月28-29日
  • 3月18-19日 FRB議長が記者会見(イエレンのFRB議長デビュー)
  • 4月29-30日
  • 6月17-18日 FRB議長が記者会見
  • 7月29-30日
  • 9月16-17日 FRB議長が記者会見
  • 10月28-29日
  • 12月16-17日 FRB議長が記者会見

FOMC投票メンバーの構成


(出所:石原順)

今後の縮小規模は「株」と「金利」を観ながらの対応か?

いずれにせよ、QEの縮小自体は既定路線だった。5 年間も非伝統的な金融緩和政策がダラダラ続いており、後ズレするほど出口戦略は難しくなっている。そういった意味では、12月FOMCで少額の縮小に踏み切ったことは良かったのかもしれない。

景気次第でQE縮小を停止、あるいは増額する(現実には難しいが…)オプションも持っており、政策の自由度は確保している。イエレンFRBは「物価」と「雇用」の安定を目指しながらも、実際の運営は「株」と「金利」を見ながらの対応になると思われる。金利が大幅に上昇するか株が大きく下げれば、QE縮小を停止することも考えられるだろう。

NYダウ(月足) しばらくバブル相場が続く?


(出所:石原順)

米10年国債金利(月足) 金利がさほど上がらなかったのでFRBも安堵…


(出所:石原順)

日経平均は96年からの長期抵抗線を上抜く

とりあえず、QE縮小のスタートはうまくいった。市場の反応は「円安・株高」という「いいとこ取り相場」となっている。そして、ついに日経平均が1996年からの長期抵抗線を上抜いてきた。まだ150円弱上抜いたに過ぎないが、12月の月足で明確に上抜けてくれば2014年の相場で2007年高値18300円を奪回する動きが期待できよう。

証券優遇税制の終了絡み(税金対策)の売りは12月25日で終了する。また12月26日からはNISAの買いも期待できる。1949年以降の日経平均をみても、12月26日から1月4日までの期間は上昇率の高い日が集中している。先週のレポートでとりあげた「年末・年始効果」に期待したい。

日経平均(日足)と長期上値抵抗線 1996年からの長期抵抗線を上抜く!


(出所:石原順)

ジャパントレードに期待

グローバルマクロファンドは日本株買いに円売りを組み合わせており、日本株が上がるなら円安も期待できよう。ドル/円(日足)は標準偏差が調整相場を示唆しているが、相場は21日移動平均線を維持する格好で「日柄調整」となっている。これからクリスマスまでは休暇を取る海外投資家が多いので、休暇前や週末のポジション調整には注意が必要だ。

一方でドル/円の中・長期のトレンドは円安継続を示唆しており、特にドル/円の週足は(21週ボリンジャーバンド+2シグマに沿いながら上がっていく)力強い「バンドウォーク」相場が継続している。2007年高値から2011年安値までの下げ幅の61.8%戻しである105円59銭も視野に入ってきている。年度替わり効果を期待して、引き続き12月25日までのドルの押し目買いを継続したいと考えている。

ドル/円(日足) 13~21日移動平均バンドがサポート 

上段:14日ADX(赤)・26日標準偏差ボラティリティ(青)
下段:21日ボリンジャーバンド1シグマ(緑)・13日移動平均線(紫)


(出所:石原順)

ドル/円(週足) バンドウォーク相場

上段:14週ADX(赤)・26週標準偏差ボラティリティ(青)
下段:21週ボリンジャーバンド1シグマ(緑)


(出所:石原順)

ドル/円(月足)とフィボナッチのリトレースメント 61.8%戻しが視野に…


(出所:石原順)

本資料は情報の提供を目的としており、投資その他の行動を勧誘する目的で、作成したものではありません。銘柄の選択、売買価格等の投資の最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようにお願いいたします。本資料の情報は、弊社が信頼できると判断した情報源から入手したものですが、その情報源の確実性を保証したものではありません。本資料の記載内容に関するご質問・ご照会等には一切お答え致しかねますので予めご了承お願い致します。また、本資料の記載内容は、予告なしに変更することがあります。


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