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第316回 「10月末買い・4月末売り」の損益と売買テクニック

2013年10月9日

「10月末買い・4月末売り」の有効性

2012年の7月26日に『過去62年間の投資の王道』というレポートを書いて以来、何度も株やクロス円の「10月末買い・4月末売り」という「半年投資」戦略を取上げてきた。10月末という株やクロス円を保有する最高の時期が今年も到来している。

基本的に10月から12月の押し目を拾って来年の4月までに手仕舞えば、運用リスクを減らすことができるという実感が筆者にはある。巷には多くの「パターン分析」、「サイクル論」、「アノマリー」などがあるが、「10月末買い・4月末売り」ほど、長期にわたり有効性を発揮している戦略を筆者は他に知らない。

昨年の10月末に大量に買って今年の4月末に売った投資家は、いわゆるアベノミクス相場が11月からスタートしたこともあって、非常に高いパフォーマンスを上げたようだ。セミナーなどにいくと「10月末買いもよかったが、4月末に売って助かった」と多くの人が喜んで下さった。「QE縮小」というバーナンキ・ショックで、5月に日本株やクロス円が急落したからである。

2012年10月末から2013年4月末の半年投資は「最高の半年投資」となったが、9月辺りから何処へいっても「今年もうまくいきますかね?」と聞かれる。このセリフを筆者は毎年のように聞いているが、今年も成功するかどうかは筆者もわからない。誰も将来を正確に予測することは出来ないからである。

しかし、極端な言い方をすれば、「今年の10月末買い・来年の4月末売り」が成功するか失敗するかに関して、筆者はあまり気にしていない。この手法が失敗する事も当然計算に入っているからだ。失敗への対処法として、大きな損失が発生しないようにストップロス注文を置いている。備えあれば憂いなしだ。

「10月末買い・4月末売り」という半年投資が相場に有効かどうかは様々な見方があるが、50年以上の母集団に対して「10月末から4月末までの半年間のパフォーマンス」が「4月末から10月末までの半年間のパフォーマンス」を上回っていれば有効である。過去のデータを見る限り、「10月末買い・4月末売り」というパターンの優位性は現在も継続している。

予測というのは数学ではなくアート(芸術)である。ずいぶん昔に『ラリー・ウィリアムズの相場で儲ける法』(日本経済新聞出版社)という本を読んで驚いたことがあったが、相場には実に多くのアノマリーやバイアスが存在する。ある時期は神がかり的に当たるが、外れ出すとしばらく止らなくなるのがアノマリーやバイアスである。有名なアノマリーとして「1月効果」や「月末効果」などがあるが、近年はその有効性も低下している。しかし、「10月末買い・4月末売り」という半年投資だけは、近年も有効に機能し続けている。

重要なのは間違った時の対処とポジション調整

「相場を当て続ける」ということが不可能な事である以上、相場は確率に賭けるゲームである。「10月末買い・4月末売り」が失敗する年もある。重要なのは間違った時の対処である。まずは、間違いを認めなければならない。間違いを認めるということを現実的に言えば、ポジションを持つと同時にストップロス注文を置くことである。

例えば、10月末に豪ドル/円を買って、11月に買値から大きく下げたとしよう。相場が大幅に下がれば、筆者のストップロス注文がヒットする可能性が高い。仮にストップが付いて豪ドル買いポジションがなくなった場合でも、「この相場は4月までに上昇して利食いができそうだ」と思えば、筆者は11月にまた豪ドル買いポジションをとるのである。相場観が変わらない限り、12月も同じ事を繰り返すだろう。「株が大きく上がる時期は1月~4月」なので、12月までの押し目買いは理にかなっている。

筆者は4Q(第4四半期)の安値を買い、翌年1Q(第1四半期)の高値で売ることを「逆張り投資」の王道と考えている。したがって、筆者の買いポイントは10月末を基本としながらも、12月まではストップロス注文や玉(ポジション)の入れ替えによって「ポジション調整」を頻繁に行うのが毎年の恒例行事となっている。パターンや傾向というのは往々にして「ズレる」ものなので、このような「チューニング」が必要なのである。勿論、それでもうまくいかない年もある。

「10月末買い・4月売り」という半年投資で最も重要なのは、「時間的・心理的(金銭的)な余裕の確保」である。大きなレバレッジを掛けて無理をしてはいけない。筆者も「10月末買い・4月末売り」の優位性に拘りすぎて、建玉管理(ポジションの持ちすぎ)で失敗したことが何回かある。「買い下がれる余裕」をもってスタートしなければ、結果として10月末より4月末の値段が高くなっても、その途中の相場急落によりマージンコールとなり、市場から退場させられることになりかねない。

杓子定規に10月末に買って4月末ぎりぎりまでポジションを持つ必要もないだろう。この手法で筆者が強調したいのは、10月末から4月末までの相場は、「買い循環パターンから押し目買いがワークしやすい」ということである。株やクロス円を保有するのには「最高の半年間」といえるだろう。ラリー・ウィリアムズは「学び、考え、備え、そして行動せよ」と言ったが、「10月末買い・4月末売り」の半年間売買で一番重要なのは「資産管理」であり、「間違った時の備え」である。

「10月末買い・4月売り」の損益検証

下の表は、2000年から2012年までの13年間の10月末終値と4月末終値の高低差の平均と星取り表である。これまでの結果では、「10月末買い・4月末売り」の戦略はオセアニア通貨と親和性が大きかった。

高低差は、「10月末買い・4月末売り」の戦略で強制利食い(4月末を待たず途中で利食いしてしまう)をする場合の「抜け幅の参考」となる数値だが、2012年10月末買い2013年4月末売りで値幅が大きく出たため、やや過大評価された数字であることを断っておきたい。

「10月末買い・4月末売り」

2000年から2012年までの「高低差の平均」と「星取り表」


(出所:石原順)

筆者が為替相場に参戦した1990年から2013年までの24年間で、豪ドル/円の「10月末買い・4月末売り」が成功しなかった年は1992年、1995年、2000年、2006年、2008年の5回である。NYダウや日経平均よりも成功確率は落ちるが、豪ドル/円の「10月末買い・4月末売り」は有効な戦略であるに違いない。しかし、クロス円の「10月末買い・4月末売り」は、多通貨に分散投資した方が運用成績は安定すると思われる。

次は実際に「10月末買い・4月末売り」の損益パフォーマンスをみてみよう。高速アルゴリズム取引が全盛と言われるここ近年の相場でも、「10月末買い・4月末売り」は有効にワークしていることが証明されている。むしろ、苦戦が伝えられているのは、高速アルゴリズム取引の方である。個人投資家が高速取引やアルゴリズム取引で勝つのは難しい。むしろ、「10月末買い・4月末売り」のようなアナログ的な手法の方が利益を上げやすいだろう。

10月末買い・4月末売りの損益をみて、「これは儲かる」と思うか、「あまりたいしたことはない」と思うかは投資家の主観の問題だが、「10月末買い・4月末売り」の半年投資のパフォーマンスに疑問を持つ方は、「4月末買い・10月末売り」のパフォーマンスを調べてみると面白い。唖然とするはずだ。主観の問題は置いておくとして、「10月末買い・4月末売り」の半年運用は、「バイ・アンド・ホールド」手法よりも投資効率の良い手法だと思っている。

日経平均(月足) 2007年~2013年

「10月末買い・4月末売り」の年度別パフォーマンス(赤は損失の年)


(出所:石原順)

日経平均(月足) 2000年~2006年

「10月末買い・4月末売り」の年度別パフォーマンス(赤は損失の年)


(出所:石原順)

NYダウ(月足) 2007年~2013年

「10月末買い・4月末売り」の年度別パフォーマンス(赤は損失の年)


(出所:石原順)

NYダウ(月足) 2000年~2006年

「10月末買い・4月末売り」の年度別パフォーマンス(赤は損失の年)


(出所:石原順)

豪ドル/円(月足) 2007年~2013年

「10月末買い・4月末売り」の年度別パフォーマンス(赤は損失の年)


(出所:石原順)

豪ドル/円(月足) 2000年~2006年

「10月末買い・4月末売り」の年度別パフォーマンス(赤は損失の年)


(出所:石原順)

ニュージーランド/円(月足) 2007年~2013年

「10月末買い・4月末売り」の年度別パフォーマンス(赤は損失の年)


(出所:石原順)

ニュージーランド/円(月足) 2000年~2006年

「10月末買い・4月末売り」の年度別パフォーマンス(赤は損失の年)


(出所:石原順)

ユーロ/円(月足) 2007年~2013年

「10月末買い・4月末売り」の年度別パフォーマンス(赤は損失の年)


(出所:石原順)

ユーロ/円(月足) 2000年~2006年

「10月末買い・4月末売り」の年度別パフォーマンス(赤は損失の年)


(出所:石原順)

ドル/円(月足) 2007年~2013年

「10月末買い・4月末売り」の年度別パフォーマンス(赤は損失の年)


(出所:石原順)

ドル/円(月足) 2000年~2006年

「10月末買い・4月末売り」の年度別パフォーマンス(赤は損失の年)


(出所:石原順)

「歴史は繰り返すが、全く同じようには繰り返さない」と言われる。相場は科学ではないので、データだけを過信してはいけない。上のチャートを見ればわかるように、「10月末買い・4月末売り」の成功確率は高いが、大きな損が出ている年もある。

株は4年~7年に1回は急落や暴落が起きる可能性がある商品であり、クロス円もそれに巻き込まれる格好で急落している。急落から身を守るには、くどいようだがストップロス注文をあらかじめ置いておくしかない。相場は攻めだけでは勝てない。守りもまた必要なのである。殊更に、そう書いておく。

本資料は情報の提供を目的としており、投資その他の行動を勧誘する目的で、作成したものではありません。銘柄の選択、売買価格等の投資の最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようにお願いいたします。本資料の情報は、弊社が信頼できると判断した情報源から入手したものですが、その情報源の確実性を保証したものではありません。本資料の記載内容に関するご質問・ご照会等には一切お答え致しかねますので予めご了承お願い致します。また、本資料の記載内容は、予告なしに変更することがあります。


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