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第291回 G20後に円安再開か? 波乱含みの為替市場

2013年4月18日

為替報告書とG20をどう見るか?

先週のドル/円相場は100円を何度かトライしたものの99円94銭で上値を抑えられ、週末には「100円は近くて遠い」という雰囲気となっていた。そうしたなか、不意打ち気味に米財務省から「為替政策報告書」が出てきた。

「我々は日本に対しG7・G20の一員としてコミットメントを順守し、競争的な通貨引き下げ、競争上の目的に基づく為替相場の目標設定を控えるよう促す」という米国サイドからの円安牽制が出てきたことで、本日からのG20(20カ国財務相・中央銀行総裁会議)が「円安相場」の分岐点と言われている。

ドル/円レートにはその時々の米国の容認レベルが存在すると言われるが、今回は米国も日本に対して円安牽制をしにくい立場にある。黒田日銀がバーナンキFRBの真似をしているからだ。昨年からの円安相場で日本は「円売り介入」をしているわけではない。

「人民元が依然、著しく過小評価されていることを示す確証がある。今年1~3月に1,100億ドルのドル買いが出ており、中国が為替市場への介入を再開した兆候が見られる」「韓国はウォン高阻止の介入をしている」など、マニピュレーション(価格操作)だとして非難されているのは中国や韓国である。

4月10日のFOMC議事録を見ると、「数人のメンバーは年末までにQEの停止を想定 」「複数のメンバーは年央頃にQEの縮小を想定 」「数人のメンバーは資産買い入れの利益を確信せず 」と、「出口」を意識した内容となっている。

黒田日銀の「異次元緩和」を一番喜んでいるのは、バーナンキFRB議長である。米国の出口戦略は容易ではないが、日本がこれからバブルを起こしてくれるので、米国としてはその間に出口に向おうということだろう。日本発の過剰流動性資金が米国債や米国株を支えていく構造である。声に出してはいわないが、米・欧の金融当局は日銀の異次元緩和が「出口に向う絶好のチャンス」と思っている。

本日報道されているG20声明草案は「市場が決定する為替相場システムと柔軟な為替レートへと一層迅速に移行」というものである。油断は禁物だが、「2月のモスクワG20の声明を踏襲する」という見方が市場のコンセンサスである。

ゴールド市場の大暴落

4月10日にゴールドマン・サックスが2014年までのゴールド相場の見通しを発表した。
「米景気回復の勢いが増し、金相場サイクルの転換が加速している」として、ゴールド相場の3カ月見通しを1,615ドルから1,530ドルに、6カ月見通しを1,600ドルから1,490ドルに、1年見通しを1,550ドルから1,390ドルにそれぞれ引き下げた。

こうしたゴールドに対する弱気が拡がっていたなか、4月12日にバンカメメリルリンチがゴールド先物市場で60億ドルのゴールド売り注文を出した。これは顧客注文と言われているが、先物市場で売りが出たことから「仕掛け的な商い」だという指摘が多い。

これにびっくりしたのが、ヘッジファンドやCTA(商品投資顧問業者)である。その後は売りが売りを呼び、ゴールド先物相場は4月12日高値から4月16日までの3営業日で242ドル下げるという大暴落を演じた。ドル/円もゴールド暴落騒動に巻き込まれ、4月15日には95円79銭まで下落した。円売りポジションをもっていたCTAがゴールドの損を埋めるため、ドル/円やクロス円の手仕舞いに動いたからである。

この負の連鎖はいまのところ過剰流動性相場がくい止めているが、コモディティを組み入れているファンドは20%~50%程度の損失を負ったこころも多いと噂されている。教科書的には「レンジの倍返し」レベルである1,240ドルまでの下げも危惧されるが、4月16日安値1,322ドルは150日エンベロープ(移動平均乖離)-20%の水準であり、とりあえず反発レベルまで下がったと見てよいだろう。顧客の解約で売らなければならない事情のあるファンドもあり、ファンドの5月決算前の動きには今後も注意が必要である。

ゴールド先物(日足) ブラックスワン相場!

150日移動平均線(青)・150日エンベロープ20%(赤)


(出所:石原順)

近くて遠い100円、そして4月…

筆者は長期的なドル/円の円安予測をまったく変えていない。今が1月や2月なら押し目は全部「買い=円売り」だ。しかし、問題は4月相場であるということである。毎年、「セルインメイ」の5月から「ハロウィン」の10月末までの相場はトレンドが出にくい緩慢な時期である。

豪ドル/円(月足) 10月末買いの4月末売り 赤は失敗の年


(出所:石原順)

このような季節要因と100円という心理的抵抗が加わって、ドル/円相場は足踏み中である。しかし、円相場の日足は21日移動平均線の上にあり、円安基調は崩れていない。G20で日本への円安牽制が「たいしたことはない」内容であれば、もう一度仕切り直して100円をトライする可能性もある。

ドル/円の100円は「仕組み債」のオプション・トリガーが多数存在しており、一度100円を付ければ相場は101円50銭レベルまでオーバーシュトする可能性がある。下のドル/円月足チャートを見ると、100円から101円50銭のゾーンは「価格の真空地帯」となっている。G20で「何もなし」となれば、投機筋や仕組み債の販売業者がこのトリガーを付けに来る可能性は低くない。

ドル/円(月足) 100円から101円50銭のゾーンは真空地帯


(出所:石原順)

G20明けから円安再開か?

ブローカーの話では、現在、投機筋は「21日移動平均線をストップ・ポイントに13日移動平均線レベルでの押し目買い」(豪ドル/円を除く)を続けているらしい。G20後の円安再開を睨んだポジションである。これが功を奏するかどうかはわからない。基本はG20の結果をみてから動くのがセオリーであろう。

豪ドル円(左上)・ポンド/円(左)・ユーロ/円(右上)・ドル/円(右下)の日足と13日移動平均線(赤)


(出所:石原順)

ドル/円(日足) 相場の転換点シグナルと支持・抵抗線


(出所:石原順)

先週後半から金融市場のボラティリティが上昇し、乱高下相場が続いている。ゴールド相場暴落の教訓は、「ありえないことがおこる」ということだ。これに対処するには、ポジションを持つと同時に「あらかじめ計算された損切り注文」を入れておくしかない。資産管理を徹底したい。

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