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第273回 円高の限界と注目銘柄の動向

2012年12月12日

今年の年初1月19日のレポートで、「過去の円高期間は最長で5年である」と書いた。2007年半ばから始まった今回の円高は、やはり5年の時を経て一旦終了したようだ。

変動相場制移行後のドル/円相場(月足)

円高期間(黄色のゾーン)・円安期間(緑色のゾーン)


(出所:石原順)

「ドル/円の長期円高期間が一旦終了したと仮定して、いったいドル/円はどこまで戻るのか?」という照会が増えている。その問いに対して筆者は「わかりません」と答えているが、大まかなイメージは持っている。

安倍内閣が発足し、「日銀人事」が発表されるまで大きな円安の流れは変わらないと思われる。山口・西村副総裁(2013年3月19日)と白川日銀総裁(2013年4月8日)の退任時期までは、日本に対する海外勢の政策転換期待相場は続くだろう。

下のチャートは2012年のドル/円週足である。これを見るとかなり円安が進んでいるように見える。

ドル/円(週足) 2012年1月~2012年12月

上段:14週ADX(赤)・26週標準偏差ボラティリティ(青)
下段:21週ボリンジャーバンド1シグマ(緑)


(出所:石原順)

しかし、2007年からの長期の週足チャートを見れば、標準偏差ボラティリティはまだ底這いから上がり始めたばかりで、ここから3~4カ月の円高修正(円安)が続いてもなんら不思議ではない。

ドル/円(週足) 2007年~2012年

上段:26週標準偏差ボラティリティ(青)
下段:21週ボリンジャーバンド1シグマ(緑)


(出所:石原順)

クロス円相場の見通しはドル/円相場より明確である。クロス円相場は「株の180日ルール」である「10月末買いの4月末売り」が最も確率が良いからだ。筆者は「気が早い」と揶揄されながらも、今年7月から数回「10月末買いの4月末売り」の確率をレポートで取り上げてきた。筆者の周辺の人達はこれを「投資(10-4)ルール」と呼んでクロス円投資の基本戦略としている。

「10月末買い」のポジションは今年も今のところうまくワークしている。先に挙げた日銀人事と「10月末買いの4月末売り」の確率を考えると、3~4月とまでは円安基調が続くのではないかとみている。余談だが、自民党は7月までに「日銀法改正」の法案を出すと噂されている。

豪ドル/円(月足) 10月末買い4月末売り 赤は失敗の年

(豪ドル/円は10月末買い4月末売りがワークしやすい通貨ペアで、これは「クロス円=株と連動」という株の循環を利用した売買手法である。株とのβ値が低いドル/円の売買には有効ではない)


(出所:石原順)

ユーロ/円(月足) 10月末買い4月末売り 赤は失敗の年

(ユーロ/円は10月末買い4月末売りがワークしやすい通貨ペアで、これは「クロス円=株と連動」という株の循環を利用した売買手法である。株とのβ値が低いドル/円の売買には有効ではない)


(出所:石原順)

11月29日のレポートで取り上げた注目銘柄の動向を確認しておこう。豪ドルとカナダは対ドル相場で買いトレンドの初期段階にある。この状態でドル/円相場が近くて遠い82円83銭を明確に上抜けてくれば、豪ドル/円やカナダ/円はもう一段高が期待できるだろう。

豪ドル/ドル(日足)

上段:14日ADX(赤)・26日標準偏差ボラティリティ(青)
下段:21日ボリンジャーバンド1シグマ(緑)


(出所:石原順)

豪ドル/円(日足)

上段:14日ADX(赤)・26日標準偏差ボラティリティ(青)
下段:21日ボリンジャーバンド1シグマ(緑)


(出所:石原順)

ドル/カナダ(日足)

上段:14日ADX(赤)・26日標準偏差ボラティリティ(青)
下段:21日ボリンジャーバンド1シグマ(緑)


(出所:石原順)

カナダ/円(日足)

上段:14日ADX(赤)・26日標準偏差ボラティリティ(青)
下段:21日ボリンジャーバンド1シグマ(緑)


(出所:石原順)

ドル/円(日足) 近くて遠い82円83銭を明確に上抜くことができるか?

上段:14日ADX(赤)・26日標準偏差ボラティリティ(青)
下段:21日ボリンジャーバンド1シグマ(緑)


(出所:石原順)

興味深い動きとなっているのがニュージーランドだ。対ドル相場で久々のトレンドが発生し、対円相場でも堅調な円安相場が続いているが、ニュージーランド/円の70円は2009年からのレンジの上限であり、ここを明確に上抜けると今後レンジが一段上に上がってくるだろう。

ニュージーランド/ドル(日足)

上段:14日ADX(赤)・26日標準偏差ボラティリティ(青)
下段:21日ボリンジャーバンド1シグマ(緑)


(出所:石原順)

ニュージーランド/円(日足)

上段:14日ADX(赤)・26日標準偏差ボラティリティ(青)
下段:21日ボリンジャーバンド1シグマ(緑)


(出所:石原順)

ニュージーランド/円(日足) 2006年~2012年


(出所:石原順)

さて、本日はFOMCであるが、「月間の米国債買い入れを450億ドル追加するというコンセンサス」になっている。これはQE3.5とかQE4と呼ばれているが、半ば折り込み済みである。これはドル安要因といわれているが、米景気回復期待でドル安圧力は弱まっている。FOMCが動けば、日銀も動くだろう。

本日の日経新聞に「円安転換、もう1つの理由」「ドルにエネルギー革命」という記事が載っていた。「国際エネルギー機関(IEA)は11月12日、米国の石油生産が今後10年間にサウジアラビアを超えるとの見通しを示した。世界最大のエネルギー消費国である米国がほぼ自給自足を実現することになるという」(11月12日ブルームバーグ)と報道されているように、ドルは今や資源通貨なのである。そろそろ認識を改めるべきかも知れない。

現在の円安・日本株高は完全に海外勢主導だ。日本国債が相変わらず買われているように、日本勢は円安・日本株高に懐疑的である。「アベノミクスで日本国債が売られたら、日本経済はヤバイでしょう?」との問い合わせも多い。

その答えとして、ポール・クルーグマンの意見を最後に紹介しておこう。

「日本国債への信頼性が低下することは実際に日本経済にとって益になる。僕が過去に書いたように、現在、デフレがゼロ下限と衝突することによって、日本の実質金利は他の先進国より高くなっている。その結果が、日本の製造業を苦しめている円高だ。日本国債への信頼性がいくらかでも低下することは、それがデフォルトの危険性のためであれインフレが高騰する恐れのためであれ、喜ぶべきことである」(ポール・クルーグマン NYタイムズのコラム)

さあ、選挙だ。選挙結果と財務大臣人事に海外勢は注目している。ドル/円が82円90銭を上抜くか、81円60銭を下回った場合に、相場は大きく動く可能性がある。

本資料は情報の提供を目的としており、投資その他の行動を勧誘する目的で、作成したものではありません。銘柄の選択、売買価格等の投資の最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようにお願いいたします。本資料の情報は、弊社が信頼できると判断した情報源から入手したものですが、その情報源の確実性を保証したものではありません。本資料の記載内容に関するご質問・ご照会等には一切お答え致しかねますので予めご了承お願い致します。また、本資料の記載内容は、予告なしに変更することがあります。


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