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第268回 クロス円取引者はユーロの動きに要注意!

2012年11月8日

米大統領選挙は予想通りオバマの勝利となったにもかかわらず、昨日のNYダウは300ドル超の下げとなった。議会選挙でのねじれ継続で財政の崖問題が材料となったと言われているが、これは予想されていた結果であり、財政の崖問題は相場の解説に使われているだけだろう。

財政の崖問題は現在のレームダック議会では結論が出せずに、来年1 月から発足する「新議会」へ先送りされる公算が高いとされる。ただし、この「崖ネタ」は半年前から騒がれており、財政管理法による「最悪の結果」(何もしなければ来年から5,000億ドル以上の緊縮措置が始まる)も決まっている。

これは米国の経済問題というよりは政治問題であり、「政争の落としどころをどうするか」というくだらない手続きである。今後、この問題が大きくなるのは「米国債の格下げ観測報道」が出てきた時であろう。

昨日の米国株の下げは「ファンドの決算対策手仕舞い」であろう。筆者は「一斉にファンドの利食いが出た」と聞いている。あとはアルゴリズムが相場を加速させたようだ。ここ数日、13-21日移動平均バンドを背にNYダウ先物を売っているファンドが多かったが、上値が重いなか、NYダウの「13000割れ」と「200日移動平均線割れ」で下げ相場が加速したようだ。

NYダウ(日足) 13000割れで下げ加速

13日移動平均線(赤)・21日移動平均線(青)・200日移動平均線(茶)


(出所:石原順)

米大統領選挙中はオバマの懇願によって「危機を先送りしていた」といわれる欧州首脳も、米大統領選挙が終わった途端に発言のトーンが変わってきた。悪材料は出てくるし、ドラギECB総裁の発言も「ユーロ安誘導か?」と言われるほど弱々しい。ギリシャは緊縮策を可決し次期支援315億ユーロ確保したが、「米大統領選挙が終わったので欧州情勢に再び焦点が当たる」と考えるファンドからは、「ユーロの売り仕掛け」が出ているようだ。

ユーロ/ドルは現在、売りトレンド相場の初期段階にある。まだ強烈な売りシグナルは発生していないものの、相場が1.2600を割り込むと「市場の雰囲気が変わる」と言われているので注意したい。ユーロ/ドルよりファンドが熱心なのは「ユーロ売り・豪ドル買い」、即ち、ユーロ/豪ドルの売りである。ユーロ/豪ドルという合成通貨は昨年末から5回目のトレンド相場を展開しており、投機筋には「困ったときのユーロ/豪ドル」と呼ばれている。

ユーロ/ドル(日足)

上段:14日ADX(赤)・26日標準偏差ボラティリティ(青)
下段:21日ボリンジャーバンド1シグマ(緑)


(出所:石原順)

ユーロ/豪ドル(日足)

上段:14日ADX(赤)・26日標準偏差ボラティリティ(青)
下段:21日ボリンジャーバンド1シグマ(緑)


(出所:石原順)

ユーロ/円は11月に入ってからADXおよび標準偏差ボラティリティの下落で調整(レンジ)相場となっているが、ユーロ/ドル相場が大きな売りトレンド相場に発展すれば他のクロス円の通貨ペアより下落リスクが高まることは頭に入れておきたい。

ユーロ/円(日足)

上段:14日ADX(赤)・26日標準偏差ボラティリティ(青)
下段:21日ボリンジャーバンド1シグマ(緑)


(出所:石原順)

ドル/円相場は先週からADXや標準偏差ボラティリティがへたっており、ADX上昇のみのトレンド相場となっていたが、やはり一旦レンジでの値固めが必要なようだ。

ドル/円(日足)

上段:14日ADX(赤)・26日標準偏差ボラティリティ(青)
下段:21日ボリンジャーバンド1シグマ(緑)


(出所:石原順)

21日ボリンジャーバンド+1シグマのラインを下限に、堅調な買いトレンド相場が続いていたのは豪ドル/円とニュージーランド/円である。しかし、昨日のNYダウの下落に引っ張られる形で相場が21日ボリンジャーバンド+1シグマの内側に入ってきた。強いトレンド相場は一旦終了のようだ。

ここからADXや標準偏差ボラティリティが下落してくると、値固めの調整(レンジ)相場に移行していくだろう。ここからの調整幅はNYダウとユーロ/ドルの展開次第だが、ユーロ/円が大きく崩れると、豪ドル/円やニュージーランド/円も「円高方向に引っ張られる」可能性があるので要注意である。

豪ドル/円(日足)

上段:14日ADX(赤)・26日標準偏差ボラティリティ(青)
下段:21日ボリンジャーバンド1シグマ(緑)


(出所:石原順)

ニュージーランド/円(日足)

上段:14日ADX(赤)・26日標準偏差ボラティリティ(青)
下段:21日ボリンジャーバンド1シグマ(緑)


(出所:石原順)

最後に珍しい通貨を紹介しておこう。ランド/円である。南アフリカランドという通貨には悪材料がたくさんある。鉱山ストライキの深刻化などを材料に、ランド/円は10月9日に8.78円まで下落した。南アフリカ準備銀行(SARB)は2012年・2013年の成長率見通しを下方修正しており、景気は良くない。今後も鉱山ストライキ、格下げ、利下げなどのリスクが控えている。

しかし、長期のチャートを見るとこの通貨は既にそういったリスクをある程度折り込んで急落していることがわかる。また、南アフリカの政策金利は下がったとはいえ、まだ5%もある。

14日ADXや26日標準偏差ボラティリティがピークアウトして、「次のトレンド」が発生するまではレンジ相場となりやすい。筆者は下のチャートの黄色のゾーンで最近ドタバタと逆張りをしているが、金利がつくのでなかなかに「おいしい通貨」であることを実感した。

南アフリカはカントリーリスクが高く、ランド/円相場の上値が重い展開に変わりがないだろう。相場の動く範囲としては8.5円~11円のリスクをもっている。日中の動きもジェットコースターに乗っているようだが、相場がレンジ相場となっているときには物色対象となる通貨である。

ストップ・ロスを忘れずに!

ランド/円(日足) レンジ相場でドタバタ逆張り

上段:14日ADX(赤)・26日標準偏差ボラティリティ(青)
下段:21日ボリンジャーバンド1シグマ(緑)


(出所:石原順)

ランド/円(日足) 2000年~2012年

フィボナッチのリトレースメントとギャンアングル(赤)


(出所:石原順)

本資料は情報の提供を目的としており、投資その他の行動を勧誘する目的で、作成したものではありません。銘柄の選択、売買価格等の投資の最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようにお願いいたします。本資料の情報は、弊社が信頼できると判断した情報源から入手したものですが、その情報源の確実性を保証したものではありません。本資料の記載内容に関するご質問・ご照会等には一切お答え致しかねますので予めご了承お願い致します。また、本資料の記載内容は、予告なしに変更することがあります。


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