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第241回 円売り介入と5月後半の円相場反転という市場の興味

2012年5月10日

過去3年、5月から7月の相場は円高基調が続いてきたが、「今年は日銀の政策次第」という環境にあった。しかし、日銀総裁が「金融政策でデフレは解消できない」と運命論者のようなアピールを続けたため海外投資家は疑心暗鬼となり、白川日銀総裁がワシントン講演(4月21日)で「膨大な通貨供給の帰結は、歴史の教えにしたがえば制御不能なインフレです」と述べたことから海外投資家は失望し、円売りポジションの処分を急いだ。またしても日銀が市場との対話に失敗したことから、「円安→株高→設備投資増」という経済の好循環は断ち切られた格好となっている。

こうしたなか、日本のゴールデンウイークが明けて円高が進行している。「米雇用統計の悪化」および「フランスとギリシャの選挙結果」を受けたリスク回避相場の中で、日・米・独で国債だけが買われる(=金利低下)という国債バブルが進行中だ。リスク回避相場の中で日本の株価の下げがきついのは、日銀の姿勢が大きく影響している。現在、世界経済は金融政策だけでまわっているのである。中央銀行の政策が株式市場を動かしているということが、下のチャートをみるとよく分かる。

独DAX(左)・米NYダウ(中央)・日経平均(右)の日足

2012年1月~5月


(出所:石原順)

ドル/円相場は4月月足終値で20カ月移動平均線を割り込んだ。月足ベースでの円安の流れも壊れてしまったため、海外投資家の円売り意欲は低下している。そのなかで進行しているのが、日銀に追加の政策を催促する催促売り(日本株売り+ドル/円売り)相場である。5月22日・23日に日銀決定会合があるが、ここまでは追加緩和の催促相場となる可能性がある。

ドル/円(月足)20カ月移動平均線(赤) 5月終値で再び上抜くことができるか?


(出所:石原順)

催促されても「デフレと円高を容認している」と報道されている日銀が機動的に動くかどうかはわからないが、海外投資家が次に「押し目買いポイント」として考えているのがドル/円の78円レベルである。

円相場の次の焦点は「円売り介入」に変化している。日銀は輸出企業の想定レート78円20銭としている。今後、仮にドル/円相場が78円レベルまで下がってきたら、「とりあえずストップ注文を置いてドル/円を買ってみようか…」という運用者は多い。

ドル/円(日足) 輸出企業の想定レート(78円20銭)・フィボナッチの支持線・13日移動平均線3%乖離(青)


(出所:石原順)

円相場のもう一つの焦点はファンドの5月決算対策完了後の相場の反転である。5月の円相場には変なクセがあり、5月中旬から後半にかけて相場が反転する事が多い。これはファンドが決算がらみで、5月後半の売買を手控えるという事情に起因している。それまで勢いよく走っていた相場のトレンドが消滅しやすいので、5月後半は一旦、円高が止まる可能性はあるだろう。

ドル/円(日足) 2009年~2012年 5月相場(黄色のゾーン)と相場の反転(赤の点線)


(出所:石原順)

豪ドル/円(日足) 売られすぎ水準に到達したが、5月後半の反転はあるか?

上段:26日標準偏差ボラティリティ(青)
中段:13日移動平均線3%乖離(青)・21日ボリンジャーバンド2σ(黒)
下段:9日RSI(鈍感バージョン)


(出所:石原順)

ユーロ圏はまたしてもギリシャの問題が浮上している。貧者の脅しでこれまで乗り切ってきたが、今回はユーロ離脱の話まで飛び出している。通貨ファンドFXコンセプツの創業者ジョン・テーラー氏は「ギリシャはユーロ離脱の公算、来月にも」というブルームバーグのインタビュー記事の中で、「ギリシャのユーロ離脱についてこの夏の公算が極めて大きいと思う。欧州はギリシャに資金を出さない。国際通貨基金(IMF)は融資を認めない。6月に資金が尽きるだろう」「ギリシャのユーロ離脱の影響はそんなにひどくはないと人々が感じ始めていると思う。ギリシャの脱退後、欧州は団結し、どうやってポルトガルとスペインを救おうかと考えるだろう」と述べている。

ギリシャASE株価指数 最安値を更新

上段:26日標準偏差ボラティリティ(青)
下段:21日ボリンジャーバンド1σ(緑)


(出所:石原順)

現在、「ギリシャは再選挙が濃厚となっている」と報道されているが、日程は6月10日か17日になるという。米国では6月20日にはFOMCがある。「米パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)で世界最大の債券ファンドを運用するビル・グロース氏は8日にツイッターで、量的緩和第3弾(QE3)を通じた追加の債券購入の決定が近づきつつあるとの見解を明らかにした」「ゴールドマンのチーフエコノミスト、ハッチウス氏は同日のリポートで、FRBが6月の連邦公開市場委員会(FOMC)開催時に追加金融緩和を発表すると予測した」(5月9日ブルームバーグ)とQE3観測が高まっている。「不胎化を伴うMBSの購入」が噂されているが、いずれにせよ、為替の動きは米国の政策で決まる。
6月が相場の天王山となりそうだ。

ドル/円(日足) 6月が相場の分岐点となるか?


(出所:石原順)

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