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第209回 豪ドル/円取引で大きな損失を避けるには?

2011年9月29日

ドル/円やクロス円相場には、変動率(ボラティリティ)が上昇すると円高、変動率が下落すると円安になりやすいという相場の構造がある。過去の大幅な円高局面では、ボラティリティが急騰するというボラティリティ・パニックが起こっている。

筆者の独断で言えば、豪ドル/円やクロス円取引で円を売るのに最も適した期間は、「相場の変動率(変動幅)が下落傾向にある期間」であると思われる。したがって、「円を売る(円安に賭ける)」という投資を行う上で注意しなければならないのは、「相場の変動率」や「相場の変動幅」ということになる。

筆者が相場の変動を認識するために使っている指標(計算式)は「ATR(アベレージトゥルーレンジ)」である。現在の相場が円売り取引を行うのにふさわしい環境かどうかの判断は、ATRの上昇・下落の方向性をみて決めている。

ATR(アベレージトゥルーレンジ)は、

  1. 当日高値と当日安値の差
  2. 当日高値と前日終値の差
  3. 当日安値と前日終値の差

の3つのうち最大の値幅(マド明けを含む最大値幅の計測)を当日の「真の値幅(トゥルーレンジ)」と呼び、真の値幅のX日平均をX日ATRとして計算する。

筆者は「真の値幅」の20日平均である20日ATRをトレードに使っている(通常、アベレージトゥルーレンジの標準の値は(14)に設定されている。余談だが、ストップロス注文のポイントとしてよく使われるのはATR(14)×2のポイントである)。

以下のチャートは2007年から2011年の豪ドル/円(日足)と20日ATRの推移である。豪ドル/円などのクロス円の相場は、「ATRが上昇する過程で円高・下落する過程で円安」となるパターンが数多く出現する。このチャートをみると、20日ATRが下落傾向(緑色の部分)となっている期間の方が圧倒的に多い。これが豪ドル/円取引の甘い蜜であると同時に、大きな損失を被る罠となっている。

豪ドル/円(日足)2007年~2011年と20日ATRの推移

緑色のATR下落期間が円売りの有効時間帯
黄色のATR上昇期間は円高警戒時間帯

(注:上記の説明はあくまで「傾向」である。ATR上昇期間でも円安トレンドが発生することはある。)


(出所:石原順)

豪ドル/円の相場の方向性はNYダウの動きと非常に似ている。株式相場の動きは、「上がる時はジリジリと上昇し、下がるときは短期間で急落する」というパターンが多い。豪ドル/円などクロス円取引も20日ATRが上昇傾向にある期間(黄色の部分)は短いが、その短い期間に急落することがほとんどである。具体的には、20日ATRが3日連続上昇したら、相場が円高に振れる確率が大きくなる。豪ドル/円やクロス円の取引で大きな損失を避けるには、黄色の部分ではポジションを減らすか、ポジションを持たないことがポイントとなるだろう。

豪ドル/円の動きを左右するNYダウ(日足)

現在レンジ相場となっているが、ボックス下離れの動きには注意したい
上段:14日ADX(赤)・26日標準偏差ボラティリティ(青)
下段:21日ボリンジャーバンド0.6σ(緑)


(出所:石原順)

話を整理すると、豪ドル/円取引で大きな損失を避けるための注意点は、「円高トレンドは20日ATRの上昇期に発生するケースが非常に多いので、円売り取引は20日ATRが上昇しているときには行わないかポジションを縮小する」ということになる。

もちろん、相場に絶対の法則などあり得ないし、ATRを使っての売買手法は将来の収益を保証するものではない。投資家を守ってくれるのは、いつの時代もストップロス注文(あらかじめ計算された損切り注文)だけである。ファンダメンタルズ分析もテクニカル分析もトレードで勝つ確率をあげる手段にすぎない。結局、相場というのは「確率」に賭けるゲームである。相場のクセを知っていれば、投資家は勝つ確率の大きな局面でポジションをとることが可能となるだろう。

楽天証券の取引ツールである「マーケットスピード」にはATRが搭載されている。右クリックしてテクニカルチャートからATRを選択すればよい。

ATRの表示方法


(出所:楽天証券マーケットスピード)

豪ドル/円(日足) 20日ATRは天井をつけるか?

上段:21日ボリンジャーバンド
下段:20日ATR


(出所:楽天証券マーケットスピード)

今週、筆者のところには豪ドル/円やゴールドに関する相場照会が殺到している。「どこまで下がりますか」「どこまで戻りますか」という問いがほとんどだが、筆者は「わかりません」と答えている。しかし、20日ATRが下落傾向(3日連続して下落)になれば現在の豪ドル/円相場は一旦下げ止まったと考えてよいだろう。

現在、ドル/円相場は横ばいでトレンドのない状態である。したがって、豪ドル/円の下げは、豪ドル/ドルの下げが牽引している。豪ドル/円の相場が底打ちするには、豪ドル売りトレンドが出ている豪ドルインデックスや、ドル買いトレンドの出ているドルインデックスのトレンド指標(ADXや標準偏差ボラティリティ)が天井をつけた形状になることが必要となろう。

豪ドルインデックス(日足) 相場はまだ1σの外

上段:14日ADX
中段:26日標準偏差ボラティリティ
下段:21日ボリンジャーバンド1σ・2σ・3σ


(出所:ストックチャーツ)

円インデックス(日足) まったく方向感がない

上段:14日ADX
中段:26日標準偏差ボラティリティ
下段:21日ボリンジャーバンド1σ・2σ・3σ


(出所:ストックチャーツ)

ドルインデックス(日足) 不景気のドル高で急騰

上段:14日ADX
中段:26日標準偏差ボラティリティ
下段:21日ボリンジャーバンド1σ・2σ・3σ


(出所:ストックチャーツ)

本資料は情報の提供を目的としており、投資その他の行動を勧誘する目的で、作成したものではありません。銘柄の選択、売買価格等の投資の最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようにお願いいたします。本資料の情報は、弊社が信頼できると判断した情報源から入手したものですが、その情報源の確実性を保証したものではありません。本資料の記載内容に関するご質問・ご照会等には一切お答え致しかねますので予めご了承お願い致します。また、本資料の記載内容は、予告なしに変更することがあります。


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