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第192回 ドルの方向を決める米金利の動向

2011年6月3日

相場の動きは複雑だが、お金は「単純なロジック」でしか動かない。はっきりしているのは、「量的緩和が行われている期間の米株は上がりやすい」ということである。

世界が最も注目する景気先行指標であるNYダウは、

QE1=買い
QE1終了=売り
QE2=買い

という流れで動いてきた。バーナンキFRB議長の願いは、「量的緩和で時間かせぎをしているうちに米国の景気が回復してくれること」である。

QE2は6月末で終了するが、FRBは追加緩和こそしないものの、事実上現在の緩和の規模を温存する。したがって、市場関係者の多くはQE2.5のマーケット環境は「横這い(レンジ相場)」になるとみているようだ。VIX恐怖指数がずっと低位安定を続けているのは、皆が横這い相場を想定していることの証左である。勿論、この先、温存されているQE3があれば「買い(リスクオン)相場」となる。

米国の量的緩和政策とNYダウの推移 量的緩和期間の米株は高い


(出所:石原順)

VIX恐怖指数(日足)20以下の不気味な安定推移が続いている


(出所:石原順)

「最近の経済統計には、世界経済の沈みゆく光景が映し出されており、米国も、この世界的な景気後退らしきものを免れることはできない」とWSJが報道しているように、ここにきて世界中一斉に景気指標が悪化している。いまや世界の関心は「インフレ」から「成長力不足」に移っているようだ。

昨日の米国で発表されたISM製造業景気指数は6.9ポイントマイナスの53.5と、前月の60.4から急低下しており、27年ぶりの大幅な落ち込みを示している。

5月の米ISM製造業景況感指数(赤)

4月に比べ6.9ポイントマイナスの53.5となり、27年ぶりの大幅な落ち込み


(出所:石原順)

また、米国人にとっては最も重要な資産(投資対象)である「住宅」も、S&Pケース・シラー住宅価格指数がリーマン危機後の最安値になっている。

S&Pケース・シラー住宅価格指数 リーマン危機後の最安値に…


(出所:S&P)

世界一斉の景気指標の悪化は、世界の成長エンジンである中国の引き締め(利上げ)による景気鈍化と、日本の大震災によるサプライチェーンの寸断が影響したと言われている。これが一時的な現象なのか否か、今後数カ月の景気指標を注意深くみていきたい。

中国1年物貸出金利(左)・原油価格(右上)・中国CPI(右下)


(出所:石原順)

株式市場の楽観に比べて、米債市場では「米国経済はこれから2番底を取りに行くのではないか」という懸念で、先週から「QE3(量的緩和第3弾)」観測が急浮上し、米10年国債金利は2.97%と3%を割り込み今年の最低水準を更新している。しかし、現在の米金利の低下はQE3観測と言うよりは、商品市況の低迷と「金融抑制(ファイナンシャル・リプレッション)」と呼ばれる当局の指導によって米国機関投資家の買いが続いている結果であり、QE3観測は「先取り」のしすぎであると筆者には思われる。

  • 金融抑制とは?
    「インフレなどで債務負担を実質的に減らす一方、金利の上昇を直接・間接な方法で抑え込む。そのために国内に国債の引き受け手をつくる」という米当局による方針。銀行や年金も自己資本規制や安定運用の名の下で、国債の引き受け手として組み込まれ、それ以外の収益機会を削られる。

原油先物(日足)商品市場への証拠金規制以降、買い上がれない相場に?


(出所:石原順)

米10年国債金利(日足) 3%を割り込んでしまった…


(出所:石原順)

米10年国債金利とドル/円相場の推移

米金利の低下は、米金利と連動性の高いドル/円相場の上値を重くしている


(出所:石原順)

悪化が予想されている本日の米雇用統計は、昨日のADP雇用統計の大幅悪化から下方修正が相次いでおり(ゴールドマンサックス15万人増→10万人増、クレディスイス18.5万人増→12.0万人増、シティグループ17.0万人増→10.0万人増)、ちょっと波乱含みとなってきた。

非農業部門雇用者数とADP雇用統計


(出所:石原順)

6月は米金利の反転しやすい月だが、果たして今年はどうなるのであろうか。運用の1丁目1番地は「米国の金利」である。QE2終了の6月~7月の米金利の動向によって、世界のマネーの行き場が見えてくるだろう。

米10年国債金利(月足)恒例? となっている年央の金利反転は今年もあるのか?


(出所:石原順)

最近の対ドル相場はユーロ相場の迷走(ストレステストの結果発表は7月に延期)をはじめ、まちまちの動きとなっている。主要通貨でトレンドが発生しているのはドル/スイス相場だけである。6月相場は円安となる確率の高い月(ちなみに8月相場は圧倒的に円高)であり、クロス/円相場のほうは引き続きNYダウの動向を観ながら、スイス/円の順張りと豪ドル/円・カナダ/円の押し目買いを考えたい。

ドル/円・豪ドル/円の10年間の星取表 確率論からは6月は円安・8月は円高

ドル/円 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
○円安 6 5 4 5 4 7 8 2 6 6 4 5
●円高 4 5 6 5 6 3 2 8 4 4 6 5
豪ドル/円 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
○円安 7 6 3 6 6 8 5 2 6 7 7 8
●円高 3 4 7 4 4 2 5 8 4 3 3 2

ドル/スイス(日足)トレンド相場

上段:14 日ADX(赤)・26 日標準偏差ボラティリティ(青)
下段:21 日ボリンジャーバンド1σ(緑)


(出所:石原順)

スイス/円 トレンド相場

上段:14 日ADX(赤)・26 日標準偏差ボラティリティ(青)
下段:21 日ボリンジャーバンド1σ(緑)


(出所:石原順)

豪ドル/ドル 調整相場

上段:14 日ADX(赤)・26 日標準偏差ボラティリティ(青)
下段:21 日ボリンジャーバンド1σ(緑)


(出所:石原順)

豪ドル/円(左) 調整相場

上段:14 日ADX(赤)・26 日標準偏差ボラティリティ(青)
下段:21 日ボリンジャーバンド1σ(緑)


(出所:石原順)

カナダ/円(日足) 調整相場

上段:14 日ADX(赤)・26 日標準偏差ボラティリティ(青)
下段:21 日ボリンジャーバンド1σ(緑)


(出所:石原順)

ゴールド先物(日足) 最強通貨?

上段:14 日ADX(赤)・26 日標準偏差ボラティリティ(青)
下段:21 日ボリンジャーバンド0.6σ(緑)


(出所:石原順)

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