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第180回 ありえないがあったらどうするか?

2011年3月23日

ドル/円相場は3月11日に発生した東北関東大震災の直後ではなく、3月17日に大変動を起こした。相場というのは皆が構えている時には比較的変動が少ないものだ。「大丈夫だろう」とふと気を抜いたときに、悲劇は襲ってくる。

17日のドル/円相場は昨年11月の安値や1995年4月のドル円相場史上最安値79円75銭をブレイクしたことで、一気に76円25銭まで急落した。NY市場が引けた後の薄商いの中で急落しわずか26分間で4.5%高の円高が起こったのである。

ドル/円(1時間足)3月15日~3月21日 赤枠=3月17日早朝の動き


(出所:楽天証券マーケットスピード)

この急激な円高のトリガーを引いたのは円キャリートレードを行っていた海外ファンド勢で、「円を借りて株を買い進んできたファンド勢が、震災による日本株の暴落で追証が発生し、追証と円の返済を迫られた」ことが原因と報道されている。円のオーバーナイト金利が急騰したことから考えると、ファンド勢が円資金を持っていなかったために、円の調達(円買い)に走ったことは間違いないだろう。

ドル/円相場が80円を割り込んだ時の危険性については、これまでレポートやセミナーで何回か述べてきたが、80円を割り込んだドル/円は80円~72円にある仕組債がらみのデジタルオプションのトリガーやオプションバリアーを断続的にヒットし、日本の個人投資家による損切り注文を巻き込んで大変動となった。(このような円の調達難は、日銀による円売り介入や10兆円を超える資金供給により現在は終息している)

日経平均株価(日足) 東北関東大震災をうけての日本株急落で、海外ファンド勢に追い証が発生


(出所:楽天証券マーケットスピード)

円の調達ができず、オーバーナイト(トムネ)のスワップ金利が急騰


(出所:ブルームバーグ)

ナシーム・タレブは著書『ブラックスワン』で、相場の不確実性とリスクの本質について述べているが、3月17日のドル/円相場はタレブが言うところの「果ての国」の相場であった。相場には常識や平均を超える動きが度々出現する。特に近年は確率的には考えにくい「ありえないなんてありえない」という「果ての国」の相場が勢いを増している。

われわれ相場参加者にとって、「ありえない」があったらどうするか?という問題の答えは一つしかない。それは、あらかじめ計算された損失であるストップ・ロス(損切り)注文を必ず置いておくことだ。G・ソロスであれポール・チューダーであれ、相場の世界で長く生きのびている人は、臆病な人達なのである。相場も自然も人為の及ぶところではない。

ドル/円相場は、18日にG7の協調介入が行われ、81円台へと押し上げられた。10年ぶりの協調介入でありこの介入のインパクトは小さくない。長い下ヒゲが日足・週足のローソク足で出現しており、ドル/円は目先の底を付けた可能性もあるが、日銀当座預金増減と金融調節から推計した18日の日銀の円売り介入規模は5300億円と少なく、月曜日も火曜日も介入がなかったことから、投機筋の間では「押し上げ介入ではない」との見方が出ている。

そうなると、投機筋はこの先介入レベルを試しにいくだろう。介入後のドル/円の下値は80円レベルが意識されているが、円高リスクにも依然警戒が必要だ。一方、上値のほうは83円台がかなり重く、84円台半ばを超えないうちは、円安トレンドは発生せずにレンジ相場となりそうだ。また、福島原発の事故処理はまだ完全解決とまではいかないので、事故対応の状況によっては今後も相場が乱高下する可能性がある。思わぬ相場変動が起こりうるので注意したい。

ドル/円(日足)


(出所:石原順)

ドル/円(週足)長い下ヒゲが日足もRSIは中立


(出所:石原順)

売買がうまくいかなくてもいい。損は日常茶飯事だ。しかし、損を放置したり思考停止になってはいけない。相場は1にストップ・ロス、2にストップ・ロスだ。資産管理だけは断乎続けなければならない。相場であれ災害であれ、どんな苦境に陥っても希望を捨ててはいけないし、あきらめてはいけない。その気持ちを失わなければ、被災地も各種の経済的困難もいずれ復興するだろう。それが時というものの機能だ。

本資料は情報の提供を目的としており、投資その他の行動を勧誘する目的で、作成したものではありません。銘柄の選択、売買価格等の投資の最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようにお願いいたします。本資料の情報は、弊社が信頼できると判断した情報源から入手したものですが、その情報源の確実性を保証したものではありません。本資料の記載内容に関するご質問・ご照会等には一切お答え致しかねますので予めご了承お願い致します。また、本資料の記載内容は、予告なしに変更することがあります。


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