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第172回 世界のマネーはどこに行く?(2)

2011年2月4日

米国債の大口の買い手である中国を抜いて、米国債の保有総額の1位が米連銀となったことが話題になっている。量的緩和第2弾(QE2)の国債買い入れはまだ道半ばなので、6月までに連銀の米国債保有総額は1兆6,000億ドルまで増える見通しである。

米国の財政不安や格下げリスクを気にする中国や新興国は最近米国債を買いたがらないので、その分は米国当局が米債を買わねばなるまい。結局、QE2は株が下がるとQE3に引き継がれ、へたをするとQE4もあるのではないだろうか? これだけドルを印刷していれば、ドルの上値は当面限定的なものとなろう。

米10年国債金利(日足)


(出所:石原順)

危機の度に「バーナンキ・プット」によってジャブジャブの資金供給がおこなわれ、バブルの損失飛ばしが続けられていく。住宅バブルのあとは新興国バブル、そして今はコモディティ市場がバブルマネーの行き先となっている(現在、一番ホットな市場は、コモディティのマーケットです参照)。

このような対処療法の果てには制御不能なブラックスワン相場が待っているのかもしれないが、「バブル崩壊」を修復するには<時間>しかない。その「時間かせぎ」の手段が<量的緩和政策>である。

10年前の2001年3月に日銀の量的緩和が始まったとき、2カ月間は株が急騰したものの、その後2005年まで日本の株価は低迷し、量的緩和が解除されたのは2006年3月である。バーナンキFRB議長が昨日の講演で「失業率が正常な水準に戻るには数年かかるだろう。米経済は強くなってきたが、雇用を顕著に改善させるには不十分」と従来の慎重な見方を繰り返してように、バブル崩壊の修復には時間がかかる。バーナンキFRB議長は、QE2で安心するのはまだ早いと考えているのだろう。QE2効果で株も企業業績も回復している米国経済だが、つまるところ国策バブルでばらまいたカネの分だけ、株や経済がよくなっているだけだ。

日本銀行の量的緩和策(2001年3月19日~2006年3月9日)と日経平均株価

上昇は2カ月で終わり(緑の部分)


(出所:石原順)

2001年の日銀の量的緩和策のパターンをみれば、株が上がる確率の高い期間は<2カ月>である。今回の日米の量的緩和政策発動日から数えて、<2カ月>を過ぎても株が上昇しているのは、FRB議長が"ヘリコプター・ベン"だからである。日本の「失われた10年」の二の舞は避けたいというバーナンキ議長の強い意思は変わっていない。先週のレポート『世界のマネーはどこにいく』で書いたように、投機筋は低金利+量的緩和政策をとっている先進国の株にご執心だが、とりあえずQE2は6月で終わる予定なので、株の保有者は年前半に一旦利食いをしておくのがよいだろう。

米国の量的緩和第2弾とNYダウ(日足)


(出所:石原順)

日銀の量的緩和と日経平均株価(日足) 日本株は基本的に米株連動相場


(出所:石原順)

一方、新興国(成長国)のほうは、インフレによる利上げサイクルに入っていることが嫌気され、株価の調整局面が続いている(投機マネーは先進国(アングロサクソンの国)株へ参照)。

新興国の株は筆者が思ったよりも長い調整が続いている。利上げしても経済成長率が落ちないことがわかった時、また買われる場面はくるだろう。しかし、「GSグループは新興市場株の選好を弱めつつある。もはや米国S&P500種株価指数を上回るパフォーマンスが見込めないというのがその理由だ。JPモルガンのアナリストらも、先進国の株式と比較して新興市場株をオーバーウエイトとすることを戦術として反転させた。新興国のインフレ加速が利上げにつながる可能性があることがその一因だという」(1月22日ブルームバーグニュース)といった報道にあるように、今年に限って言えば、投機筋は新興国の相場はもはや大きなバリューは見出せないと思っているようだ。

昨日2月3日のマーケットでは、ECBのトリシェ総裁の発言を受けて、ユーロ/ドルが急落した。「ユーロ圏のインフレは抑制されている」と発言したことで、年内利上げ説が後退したからだ。金利先高感で買われてきたユーロ高このトリシェ発言によって一旦終了する可能性があるので注意したい。

ユーロ/ドル(日足)

上段:14日ADX(赤)・26日標準偏差ボラティリティ(青)
下段:21日ボリンジャーバンド1σ(紫)


(出所:石原順のトレードツールVer.2.0)

主要通貨の日足ベース取引で唯一トレンドの発生していたユーロ/ドルのトレンドが消滅すると筆者は非常に困るが、次のトレンド発生候補はもう見つけてある。それは、豪ドル/ドルだ。現在、ボラティリティの調整が終わり、トレンドが発生しそうになっている。現在、レンジの上限なので買うのはやや危険な位置だが、今後26日標準偏差ボラティリティと14日ADXが上がってきて、レンジブレイクが起こるようであれば、面白い相場になる可能性はある。

豪ドル/ドル(日足)

上段:14日ADX(赤)・26日標準偏差ボラティリティ(青)
下段:21日ボリンジャーバンド1σ(緑)


(出所:石原順)

今年の相場で筆者が一番気に入っている通貨ペアは、ユーロ/豪ドルの1時間足だ。この通貨ペアは昨年末から、30分・1時間といった短い周期の相場で頻繁にトレンドが発生している(ユーロ/豪ドルの美しきトレンドを参照されたい)。

ユーロ/豪ドル(1時間足)2月3日の動き

上段:14時間ADX(赤)・26時間標準偏差ボラティリティ(青)
下段:21時間ボリンジャーバンド1σ(紫)


(出所:石原順のトレードツールVer.2.0)

本資料は情報の提供を目的としており、投資その他の行動を勧誘する目的で、作成したものではありません。銘柄の選択、売買価格等の投資の最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようにお願いいたします。本資料の情報は、弊社が信頼できると判断した情報源から入手したものですが、その情報源の確実性を保証したものではありません。本資料の記載内容に関するご質問・ご照会等には一切お答え致しかねますので予めご了承お願い致します。また、本資料の記載内容は、予告なしに変更することがあります。


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