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第119回 通貨ファンドが注目するユーロ/ドルの20カ月移動平均線

2010年1月29日

1月27日のFOMC声明は、予想通り政策金利を0.00%~0.25%に据え置くことを決定した。文言の変更はなかったが、「経済活動は引き続き強まっている」と景気判断を上方修正した。FOMCの新メンバーであるホーニグ・カンザスシティー地区連銀総裁はタカ派の評判通り「長期間の文言は不要」との反対票を投じた。

相場で重要なのは、FOMC声明の学者的な解釈ではない。米国の金利がこれにどう反応したかである。FOMCの結果に反応して、「金融緩和策解除への思惑」から、この日は米10年国債金利が急上昇した。米国の長期金利と連動性が高いドル/円も90円06銭まで上昇(1月27日のドル安値は89円13銭)している。

米10年国債金利のドル/円の推移(日足)

(終値ベースのチャートなので日中の動きは反映されていない)


(出所:石原順)

2010年1月21日のセミナー「2010年の為替相場展望と投資戦略」で述べたように、最近の外為相場では、金利の動向が最も大きな相場変動要因である。この連載の第1回「すべての金融商品は債券に置き換えられる」で書いた「ドル/円レートは米国の国債と日本の国債の交換、株式は償還期限のない債券である。不動産価格も収益還元法という利回りで決まる。要するにこの世のすべての金融商品は<金利>というファクターでみるとすべて同等に扱えるのである。このメカニズムが理解できないと、現在はドルを買うタイミングなのか、株を買うタイミングなのか、コモディティを買うタイミングなのか、あるいはその商品が割高なのか割安なのかが見えてこない」という相場感は、相場の基本であり、金融のイロハである。

株も通貨も不動産も投資信託も、すべての金融商品は債券であり、それが買われるか売られるかは、金利との相対的な比較感が決めている。

米国10年国債と日本10年国債の金利差とドル/円相場

ドル/円相場は長期金利差で決まる


(出所:石原順)

欧州10年国債と日本10年国債の金利差とユーロ/円相場

クロス円相場も長期金利差で決まる


(出所:石原順)

今週の月曜日には、例外的に第118回「オバマショックの影響は?」を書いたが、そこで今週の予想レンジのチャートを掲載しておいた。これは筆者の順張りゾーン・逆張りゾーンの目安となっているチャートである。そのレンジの計測法は筆者の考案ではないので非公開だが、標準偏差ボラティリティのオプションモデルを基本に・ATR・ギャンの平行線などが計測に利用されている。

円高・円安という相場の方向性予測はまだしも、相場のレンジ予測というのは外れる確率が高く、その計測には極めて高度な技術を要する。だから、このようなレンジ予測を安易に信用してはいけない。筆者もこのレンジ予測を大まかな目安として使っているに過ぎない。

ドル/円 1月25日(月)時点の週間予想レンジ


(出所:石原順)

ドル/円 1月29日(金)AM3:00現在の相場


(出所:石原順)

今週の予測レンジモデルは、相場の逆張りの下限をほぼ正確にとらえているが、レンジ予想の逆張りの上限である90円70銭までは届かなかった。現実のトレードで、筆者が89円台前半の逆張りのドル買いポジションを手仕舞ったのは、13日移動平均線の手前である90円31銭である。現在、オバマショックで、ファンド勢はしこり玉(評価損)をかかえており、相場の上値は重い。このような環境では、「日足の抵抗帯は一度目のトライでは抜けない」との判断からの早めの利食いだ。ここで利用したのは13-21日移動平均バンド(ドル/円相場の日足ベース支持・抵抗帯)である。

ドル/円(日足)13-21日移動平均バンド[日足の支持・抵抗帯]


(出所:石原順、楽天証券マーケットスピード)

逆張りはその手法が数値化しにくく、やや難易度が高いテクニックを要するので、筆者はFXのビギナーには逆張りを奨めない。

月曜日のレポートでは、「1時間足」ベースのドル/円・豪ドル/円の取引は「1月25日13時現在、次のトレンド待ち」となっていたが、その後、木曜日までに3回の収益機会(1回はトレンドが発生しなかった)があった。この取引手法が一番気楽で、手堅い順張り手法だと筆者は思っている。

ドル/円・豪ドル/円(1時間足)21時間ボリンジャーバンド1σの飛び出し局面

下段:ドル/円:14時間ADX 豪ドル/円:9時間ADX(豪ドル/円は最近9時間を使っている)


(出所:石原順、楽天証券WEBログイン)

最近の外為市場でのファンド勢の動きを紹介しておこう。通貨(カレンシー)ファンドの注目通貨ペアは、ユーロ/ドルである。

1月21日のセミナーでも取り上げたが、ユーロ/ドルは現在、ドル/円やドル/スイスに比べかなり売られすぎの状況にあり、最弱通貨となっている。ファンド勢がユーロ/ドルに注目しているのは、相場の分岐点である「20カ月移動平均線」を月足ザラ場で割り込んできたからだ。このまま月足終値で20カ月移動平均線を割り込むと、ユーロ/ドルの中期トレンドは売りに転換し、4年サイクルのボトムを付けに行く可能性が大きくなる。

ユーロ/ドル(月足) 20カ月移動平均線


(出所:石原順、楽天証券マーケットスピード)

ユーロ/ドル(月足) 4年サイクルの周期底と20カ月移動平均線


(出所:石原順)

ドル/円(月足) 20カ月移動平均線


(出所:石原順)

第7回「究極のトレンドフォロー」で書いたように、20カ月移動平均線は(ポンドを除く)ドルストレートの通貨ペアの売買で最も信頼性の高い順張り指標であり、ファンド勢の注目度も高い。ユーロ/ドルの20カ月移動平均割れという現象は、ファンドにとっては儲かろうが損しようが、とりあえず「仕掛けのポイント」なのである。

さて、この「外為市場アウトルック」は、基本的に週1回のペースで書いているが、情報の速報性という意味では、「ツイッター」や「ブログ」に遅れをとっている。筆者はこのところオプション・ファンドやブラジル、シンガポールのファンドの仕事等で多忙を極めており、果たしてツイッターでつぶやく時間があるのかどうかわからないが、今後はそれらのツールも活用していきたいと考えている。

「情報はひとりではいられない」という言葉があるが、筆者のレポート発行も陰に日向に多くの人のお世話になっている。筆者は最近、若いトレーダーやストラテジスト達と話をするのが楽しい。たいした話はしていないのだが、相場の極限の世界から解放される楽しい時間である。なんでもそうだが、どうせやるなら楽しんでやりたいものだ。

本資料は情報の提供を目的としており、投資その他の行動を勧誘する目的で、作成したものではありません。銘柄の選択、売買価格等の投資の最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようにお願いいたします。本資料の情報は、弊社が信頼できると判断した情報源から入手したものですが、その情報源の確実性を保証したものではありません。本資料の記載内容に関するご質問・ご照会等には一切お答え致しかねますので予めご了承お願い致します。また、本資料の記載内容は、予告なしに変更することがあります。


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