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特別編集 マーケットスピードを使ったFXトレードテクニック

2010年1月20日

相場の取引手法には「順張り」と「逆張り」があるが、筆者はこれまでの「外為市場アウトルック」の連載のなかで、「逆張り」手法についてはほとんど言及してこなかった。その理由は、「逆張り」は相場の流れに逆らって行う高度な取引手法であることと、壊滅的な損を被る可能性がある取引手法(ストップロスは絶対条件)だからだ。

しかし、一方ではドル/円の“日足ベースでの取引”において、昨年の12月初旬から「押し目買い」(逆張り)という相場観を披露していることもあり、「押し目買い」の手法を公開してほしいという声が、連載を読んでいる読者の方々から出てきた。そこで、役に立つかどうかはわからないが、今回のレポートでは、筆者がどのような「意志決定のプロセス」を経て「押し目買い」を行っているかを、具体的に書いておく。このレポートが少しでも楽天FXのお客様のトレードの参考になれば幸いである。

以下は、昨日1月19日(火)のドル/円相場に用いた筆者の実践トレードテクニック(相場の見当のつけ方)の紹介である。当然であるが、このような手法がいつもうまくいくとは限らない。相場は1にストップ、2にストップ、3、4がなくて5にストップである。たとえ、連戦連敗の状況が続いても、決して相場で我慢すべきではない。相場は投資家の都合で動いてくれないからである。このことは自戒を込めて、ことさらに書いておく。

筆者は1月19日現在、ドル/円の日足ベースではドル/円の「押し目買い」という相場観を持っている。では、「“押し目”とはどこなのか?」ということになるが、この押し目の“見当”に使っている指標は、【フィボナッチリトレースメント】である。【楽天証券マーケットスピード】でフィボナッチの支持線を引くと、昨年11月27日のドル安値84円76銭から今年の1月8日のドル高値93円77銭までの<上げ幅>の38.2%押しは90円33銭、50%押しは89円27銭、61.8%押しは88円21銭となっている。

ドル/円(日足)とフィボナッチリトレースメント(押し目の目安)


(出所:楽天証券マーケットスピード)

19日の相場で筆者は、38.2%押しの90円33銭近辺や50%押しの89円27銭近辺で、ドル/円の打診買い(とりあえず買ってみる)を入れた。19日のドル/円相場は90円31銭まで下落したので、このドル/円の打診買いは約定した。賢明な読者はここで疑問を持つだろう。「円高予想が多いし、もっと円高になったらどうするのか?」という疑問である。それに対する筆者の答えは、「ストップロス注文を置いておく」ということしかない。相場の基本は、資産管理というディフェンスである。

では、どこでストップを入れるか(数学的に計算された最適な損切り幅)という新たな問題が浮上する。これに対する数学的な回答はいろいろあるものの、答えは単純である。ストップ幅は、投資家が「これ以上損したら嫌な金額」か、あるいは「相場を続けるために必要な証拠金の維持」が基準となる。これを筆者は《あらかじめ計算された損》と呼んでいる。

38.2%押しの90円33銭近辺や50%押しの89円27銭近辺でドルの押し目をとりあえず買う(打診買い)という判断には、実は「明確な根拠」がある。それは日足ベースの現在のドル/円の下げ相場にはトレンド(方向性)がないからだ。なぜ、方向性がないと判断するのか?それは【14日のADX(方向性指数)】が低下しているからである。

ドル/円(日足)13-21日移動平均バンド[日足の支持・抵抗帯]と14日ADX


(出所:楽天証券マーケットスピード)

もちろん3日のADXや5日のADXは上昇していて、ドル売り相場は方向性を持っているかもしれない。しかし、そのような複数時間枠のADXを筆者は全くみていない。きりがないからである。仮に、1日から100日のADXの動きをすべて調べたところで、売り買いの判断があいまいになるどころか、意志決定が出来なくなってしまう。逆に言うと、筆者は14日のADXだけを“定点観測”しているのでトレンドがないと判断できるのである。最もこの判定は、筆者の主観的な独断に過ぎない。大切なことは、相場の気配や動きを察するには、いつも同じ指標(何でも良い)をみている必要があるということだ。

1月19日に90円41銭と90円35銭で実際に約定したドル/円の買いポジションを、筆者はなんとか利食いに持って行きたいと思っていたが、夕方の時点では、さらに円高が進みそうな気配が漂いだした。こうなると、「弱き者、汝の名はディーラー」との格言通り、「木曜日には中国のGDPの発表もある。13日と21日の移動平均線はデッドクロス寸前だ。もう一段の円高もしょうがないか……」などと、心理的にはドル弱気に傾いてきた。

ドル/円(30分足)1月19日の動き


(出所:楽天証券マーケットスピード)

このまま自信を失って思考停止になってはまずいので、気を取り直して利食い目標の指し値を入れた。利食いの判断はいつも難しいが、「利食い注文をどこに置くか?」という問題に関しても、筆者は【フィボナッチ】を使って見当をつけている。直近のドルの<下げ幅>(1月8日93円77銭~1月19日90円31銭)の38.2%戻しは91円63銭である。とりあえず、日足ベースでは、この91円63銭と21日移動平均線の91円77銭がドル/円(日足)の上値抵抗である。

しかし、1月21日(木曜日)には世界経済のエンジンである中国のGDPの発表(重要な指標の前にはポジションを大きく傾けたくない)があるため、本日(19日)作ったポジションは早期に手仕舞いたい。ましてや、この日の筆者のポジションは相場の流れに逆らった「逆張り」のポジションである。38.2%戻しの91円63銭や21日移動平均線の91円77銭は、短期売買としては値段が遠い。では、どうするか?

ドル/円(日足)とフィボナッチリトレースメント(戻りの目安)


(出所:楽天証券マーケットスピード)

そこで登場するのが【20日ATR】である。【楽天証券マーケットスピード】で【20日ATR】をみると、1月19日現在、ドル/円の1日の変動幅の20日平均は0.9071(約90銭)となっている。短期売買やデイトレードで利食いするのに、欲を出してはいけない。デイトレードの利食い幅は【20日ATR】の1/2(半分)から1/4で十分だ。それがナノテク売買時代の「ニューノーマル」手法であろう。

【20日ATR】=90銭の1/2は45銭である。この45銭を筆者のドル平均買値である90円38 銭〔(90.41+90.35)/2〕に加えると、90円83銭になる。これが19日のドル/円相場の筆者の利食い目標値(指し値)である。(ストップは1/2ATR下の89円93銭にセットしてある)

幸いにして、その後のドル/円相場は91円台に上昇し、1月19日の日足ベースの逆張りトレードは終了した。

ドル/円(日足)と20日ATR(1日の変動幅の20日平均)


(出所:楽天証券マーケットスピード)

以上が、1月19日の“日足ベース”のドル/円の「逆張り」手法である。この日のトレードの何が一番良かったかというと、欲張らなかったことである。相場は明日もあるのだから、決して無理をしてはいけない。

相場はどのタイムフレーム=時間枠(10分足・30分足・1時間足・日足・週足など…)をみるかによって、相場観が全然違ってくる。1月19日の“日足ベース”の逆張り取引手法は、1時間足ベースでみると“順張り手法”と言えなくもない。

ドル/円(日足)の平均足=ドル売り


(出所:楽天証券マーケットスピード)

ドル/円(1時間足)の平均足=ドル買い


(出所:楽天証券マーケットスピード)

「相場」と「時間枠」の関係というのは奥が深い。トレンドフォロー(順張り取引)派の理想の相場展開は、30分足も1時間足も日足も週足も月足も、すべてが買い(あるいは売り)になっていることであるが、「取引時間枠の選択」「パラメーターの最適化」等の問題は、世界中の運用者の頭を悩ませている。

しかし、ファンダメンタルズ分析と同様に、あまり深刻に考えても不安が増すだけだ。筆者は好みの「固定の取引時間枠」に従って、相場は相場に聞くようにしている。

友人に3次元(3D)チャートで先物取引を行っているトレーダーがいるが、筆者はそれをみてもめまいがしてくるだけである。複雑な取引システムは意志決定が遅れるので、現在は全く使っていない。筆者がいつも探しているのは、シンプルな取引手法である。

サブプライム問題やリーマン危機の原因となった「証券化」とは、単純なものを複雑にして、リスクを隠すことをいう。20年超相場をやってきてようやくわかったのは、単純な取引手法や金融商品こそ、実はシステマティックで信頼性が高く、オリジナリティー(独自性)を持っているということだ。独自性のある取引手法とは、いかに真似をしやすい取引手法かということである。

(相場に絶対の法則はありません。相場は確率との勝負です。当レポートは、特定の通貨の売買を推奨するものではなく、また、収益を保証するものではありません。投資に際しましては、ご自身の責任で投資判断を下されますよう、お願い申し上げます)

本資料は情報の提供を目的としており、投資その他の行動を勧誘する目的で、作成したものではありません。銘柄の選択、売買価格等の投資の最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようにお願いいたします。本資料の情報は、弊社が信頼できると判断した情報源から入手したものですが、その情報源の確実性を保証したものではありません。本資料の記載内容に関するご質問・ご照会等には一切お答え致しかねますので予めご了承お願い致します。また、本資料の記載内容は、予告なしに変更することがあります。


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