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ホーム > マーケット情報 > レポート&コメント > 石原順「外為市場アウトルック」 > 第75回 株高・ドル安・円安・資源通貨高

第76回 現金比率の高いファンド勢がリバウンド相場に参入

2009年4月3日

3月5日の英中銀による国債買い入れ以降、ファンドのリスク志向が明確になってきた。常識で考えると、この不景気の最中に株が上がるのはおかしいことであるが、相場の世界では「不景気の株高」という現象が過去何度も起きている。「不景気の株高」は各国の政策総動員によるマネーの供給の増大によって起こるが、現金比率の高かったファンド筋は、現在のリスク許容度回復相場に待機していた資金を投入しはじめている。

前回のレポートで述べたように、基本的にクロス園相場は米国の株価連動である。ファンドの多くは米国株のリバウンド相場の上値のメドとして、S&P500株価指数で960ポイント(4~6月の期間)をターゲットとしている。

S&P500株価指数(日足)
上値抵抗ポイントと移動平均リボン(市場参加者の1~3カ月の平均コスト)


(出所:石原順、ブルームバーグ)

3月18日のFRBによる国債の買い入れと3月23日の不良債権買い取り計画は「株高の決定的要因」であったが、4月2日には米財務会計基準審議会(FASB)が時価会計ルールの緩和を決定した。

米財務会計基準審議会FASBが慌ててQ1決算発表に間に合うように以下の発表を行ったことから考えて、これでストレステスト(米大手銀行19行に対する健全性審査・4月末が期限)の数値はかなり「下駄を履いた」ものとなるだろう。
時価会計ルールの緩和とは、テクニカル的には「金融機関が流動性の無い資産について、自社のモデルを用いたMTMの評価を行う」ことである。簡単にいうと、「米大手金融機関の1-3月利益が最大2割ほど改善」する可能性があるということだ。

日本株はPERが高すぎて買える水準にないが、日銀による株式買い入れの再開や、ETF転換債(TOPIX転換政府保証債)も検討対象となるなど下値に対する保険が用意されている。もともと米国市場連動の主体性のない日本市場の分析をしてもあまり意味はない。米国の株高は日本市場にも連鎖するはずだ。

GMの救済問題は「外為ライブリポート」で述べたとおり3月末に相場に波乱をもたらしたが、本日の報道では「米政権の作業部会、GMに破産申請検討するよう促す=ワシントン・ポスト」「米GM、財務省提出書面で破産申請の用意があると表明=ニューヨーク・タイムズ」と報道されており、「米オバマ政権の自動車作業部会は会社を2分割する内容の破産申請を検討するよう促している=ワシントン・ポスト」ようである。GM債券の保有者やその派生商品の保有者にとっては大変な問題だが、このきりがない問題が決着すればマーケットはアク抜けするだろう。注目のG20は「2010年の世界経済の成長率を2%に回復させるため、参加国が来年までに5兆ドルの財政出動に踏み切る」ことを採択した。

このように、「不景気の株高」がいましばらく持続する材料がつぎつぎと出てきている。株安・円高の長期トレンドのなかで、現在はマネーサプライの増大によって修正高(カウンター・トレンド)が起こっているのである。大恐慌時のチャートをみると、1929年に株価が暴落したあと1930年の相場はいったん大きく戻している。2009年に同じような動きが起こってもなんらおかしくはないだろう。

NYダウ(月足) 1920年~1950年


(出所:石原順、ブルームバーグ)

順調な株高・円安相場が続いてきたが、ここにきてやや過熱感が出始めている。ATRを観察するとクロス円の変動幅が上昇しており、乱高下や突発的な円高に注意が必要な段階にあるといえよう。

シカゴのカレンシー・オプション・マーケットでは、豪ドルとカナダドルの「ブル・スプレッド」を作っているCTAやファンドが多く、豪ドルやカナダドルの下値には押し目待ちの注文も多いようである。豪ドルは直近のバルチック指数の下落の割に上がり過ぎているので波乱があるかもしれないが、押し目買い方針を継続したい。

*ブル・スプレッド
(ブル・スプレッドとは、同じ限月のコール・オプションのうち、権利行使価格の高いコール・オプションを売り、低いコール・オプションを同一数量買う戦略のことです。この戦略は、相場見通しがやや強気の場合にとられるもので、原資産の価格が予想に反して下落しても、損失が限定される代わりに、原資産の価格が予想通り上昇しても、利益は限定されます)

豪ドル/円(日足)


(出所:石原順、ブルームバーグ)

BHPビリトン(日足) 世界最大の鉱業会社


(出所:石原順、ブルームバーグ)

バルチック海運指数(日足)


(出所:石原順、ブルームバーグ)

円相場の相場変動幅(ATR)の動向(データは2009年4月2日まで)

ドル/円およびクロス円市場は「円の上昇時に変動幅が拡大し、円の下落時に変動幅が縮小する」という市場の構造を持っている。(特に変動幅縮小の過程では円安になりやすいというのが円相場の特徴である)ドル/円やクロス円通貨は、ATR(アベレージトゥルーレンジ)が下がる過程で円安、上がる過程で円高となるパターンが多い。黄色の期間は円の売り放置やキャリー取引はリスクが高くなる。

(また、ATRやボリンジャーバンドの売買手法については、過去のレポートをご覧ください)

豪ドル/円(日足)とATR 緑のATR低下期間が円売りの有効時間帯


(出所:石原順、ブルームバーグ)

ユーロ/円(日足)とATR 緑のATR低下期間が円売りの有効時間帯


(出所:石原順、ブルームバーグ)

ポンド/円(日足)とATR 緑のATR低下期間が円売りの有効時間帯


(出所:石原順、ブルームバーグ)

ドル/円(日足)とATR 緑のATR低下期間が円売りの有効時間帯


(出所:石原順、ブルームバーグ)

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