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第62回 長期チャートはドル安を示唆

2008年12月29日

チャートから見る限り、現在のところドル/円相場の長期トレンドは円高である。147円→135円→124円と上値を切り下げながら、2008年には強力なサポートラインである101円を割り込んで三角もちあいを下抜けており、今後も大局はドルの戻り売りとなろう。

ドル/円相場は現在、長期円高循環のなかにある。したがって2005年からの長期循環でみると今後2~3年は円高傾向になる確率が高い。このような長期の予測は予測精度がかなり低いので、中期・短期の相場循環を観察しながら常に修正をおこなっていく必要があるが、長期ドル弱気サイクルのなかでのドルの高値は限定的で、今後2年間のドル上昇局面は修正高(自律反発)に過ぎない可能性が大きい。

ドル/円(月足)と長期相場循環
上値を切り下げながら長期三角もちあいを円高方向にブレイクした


(出所:石原順、ブルームバーグ)

相場の値幅と時間(タイミング)正しく予測することは不可能である。長期の相場予測というのは所詮、漠然としたイメージであり、あまり先入観に囚われるとろくなことがない。相場で一番大切なのは、予測が外れたときの迅速な対処と資産管理である。相場は3勝7敗で十分である。スウィングトレードでは年に2~3回ある大きなトレンドをとらえることができれば、あとの期間は損切りの連続でもかまわない。

株式市場は昨年の大クラッシュで相場が壊れてしまったので、その修復にはかなりの時間を要するだろう。これまでのレポートでも述べてきたように、バブル崩壊後の相場は大きなレンジでのL(エル)字型相場になるのは歴史が教えるところである。

NYダウ(月足) 1920年~1950年 1929年の世界恐慌後の相場推移


(出所:石原順、ブルームバーグ)

ナスダック(月足) 1986年~2008年 2000年ITバブル崩壊後の相場推移


(出所:石原順、ブルームバーグ)

日経平均株価(月足) 1975年~2008年 1990年バブル崩壊後の相場推移


(出所:石原順、ブルームバーグ)

金融危機後の2009年の外為・株式相場は、以上の相場のパターン分析を頭に入れて柔軟に対処していきたい。マスコミの報道を見ていると、株式市場に対する悲観的な見方が多い。確かに今回の金融収縮が実体経済に与える影響は計り知れないものがある。実体経済は今後ますます悪化していくだろう。しかし、グローバル規模の金融緩和と財政出動(世界のGDPの4%強[米国92兆円・欧州24兆円・中国57兆円・日本44兆円・インド37000億円等])の効果で、株式市場の相応のリバウンドはかならず起こると思われる。現在、質への逃避(代替の投資対象がみあたらないこと)によって米国の短期金利(T-ビル利回り)がマイナス圏に突入しているが、現金のバブルにも限界がある。デフレを織り込みすぎた反動で、株式市場に資金が流入する局面があるはずだ。現在、世界はカネ余りなのである。カネは余っていても信用不安でカネがまわらず、マネーの回転率が落ちているというのが実体であろう。

12月後半の株式市場はファンダメンタルズの悪化と政策期待の板挟みになり、動きが止まってしまった。クリスマスシーズンの薄商いという季節要因もあって、現在の相場に方向性をもっていない。

日経平均株価(日足) 上段:26日変動率(青線)と14日ADX方向性指数(赤線)


(出所:石原順、ブルームバーグ)

NYダウ(日足) 上段:26日変動率(青線)と14日ADX方向性指数(赤線)


(出所:石原順、ブルームバーグ)

26日変動率(標準偏差ボラティリティ)と14日のADXの両方が上昇しているときが、相場に方向性がありトレンドに乗っていく局面である。日経平均株価もNYダウも相場は相場が煮詰まりつつあるが、いまだレンジ推移で現在は方向性がない。したがって、株価連動通貨で日本の投資家に人気の高いドル/円や豪ドル/円も同じく方向性を失っている。

ドル/円(日足) 上段:26日変動率(青線)と14日ADX方向性指数(赤線)


(出所:石原順、ブルームバーグ)

豪ドル/円(日足) 上段:26日変動率(青線)と14日ADX方向性指数(赤線)


(出所:石原順、ブルームバーグ)

一方、ドル・インデックスは12月に入って急落しており、8月以降のリパトリ(資金の母国回帰)のドル高トレンドが大きな転換点を迎えた可能性が大きくなっている。ユーロ/ドルやドル/スイスの推移をみるとこの傾向はより顕著であるが、現在は変動率(ボラティリティ)のレベルが高すぎるため、筆者は26日変動率(標準偏差ボラティリティ)の低下を待って、ユーロ/ドルの押し目買いを狙いたい(急落を待っているのだが・・)と考えている。米国の金利がゼロとなった現在、今後ドルキャリー取引が拡大する可能性は大きく、筆者はクロス円取引からユーロ/ドルやドル/スイスなどの対ドルストレートに売買の軸足を移しつつある。

ドル・インデックス(日足) 上段:26日変動率(青線)と14日ADX方向性指数(赤線)


(出所:石原順、ブルームバーグ)

ユーロ/ドル(日足) 上段:26日変動率(青線)と14日ADX方向性指数(赤線)


(出所:石原順、ブルームバーグ)

ユーロ/ドル(日足) フィボナッチ級数によるサポート&レジスタンス


(出所:石原順、ブルームバーグ)

ユーロ/円(日足) 上段:26日変動率(青線)と14日ADX方向性指数(赤線)


(出所:石原順、ブルームバーグ)

現在の世界経済が百年に一度の危機か否かはともかく、昨今の相場変動率は間違いなく百年に一度の異常なレベルにある。このような変動率の高い相場においてはよほど慎重に資産管理を行わないと、最大損の状態で市場から放り出されてしまいかねない。レバレッジの調整と資産管理に重点をおいて、損切りは躊躇なく行いたい。

はやいもので、今年も一年があっという間に過ぎてしまった。グローバル規模で金融システムのメルトダウンが起きた大変な年であった。来たるべき2009年が読者の皆様にとって、よき一年でありますように。

円相場の相場変動幅(ATR)の動向(データは2008年12月26日まで)

ドル/円およびクロス円市場は“円の上昇時に変動幅が拡大し、円の下落時に変動幅が縮小する”という市場の構造を持っている。(特に変動幅縮小の過程では円安になりやすいというのが円相場の特徴である)ドル/円やクロス円通貨は、ATR(アベレージトゥルーレンジ)が下がる過程で円安、上がる過程で円高となるパターンが多い。黄色の期間では円の売り放置やキャリートレードはリスクが高くなる。ATRは過去に見ないような高い変動幅を記録しており、現在は平時よりも(円高)リスクの高い局面であることに注意していただきたい。変動幅が低下しても変動幅の絶対水準が高すぎるので相場の振れが大きくなる。

ユーロ/円(日足)とATR 緑のATR低下期間が円売りの有効時間帯


(出所:石原順、ブルームバーグ)

豪ドル/円(日足)とATR 緑のATR低下期間が円売りの有効時間帯


(出所:石原順、ブルームバーグ)

ランド/円(日足)とATR 緑のATR低下期間が円売りの有効時間帯


(出所:石原順、ブルームバーグ)

ドル/円(日足)とATR 緑のATR低下期間が円売りの有効時間帯


(出所:石原順、ブルームバーグ)

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