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第53回 パニック相場からもちあい乱高下相場へ移行か?

2008年11月7日

異常な変動率を記録した“百年に一度の大変動相場”がいったん終了し、株式および外為市場はしばらく《横這いレンジ内での乱高下相場》に移行する可能性が出てきた。経済のファンダメンタルズや今後の実体経済の悪化を考えると、長期タームの大底をつけるのはまだまだ先であろう。しかし、日経平均株価の 6994円、豪ドル/円の55円、ユーロ/円の113円といった安値は、当面の安値をつけたという感が強い。

筆者が定点観測をしている26日標準偏差ボラティリティ(変動率)をみると、相場の下げのエネルギーはいったん出尽くしたのではないかと思われる。簡単に言うと、直近の下げトレンドは終了し、現在は次の相場の方向性をテストする期間に移行している可能性があるということである。

これについて、読者のみなさんにとって最もわかりやすい日経平均株価でみてみよう。

日経平均株価(日足)と26日標準偏差ボラティリティ(変動率)
方向性のある期間(ピンク色)もちあい乱高下期間(水色)


(出所:石原順、ブルームバーグ)

上のチャートは日経平均株価の日足と変動率(上段)である。ピンク色の部分が変動率上昇期間で相場は方向性(トレンド)を持っている。水色の部分は変動率低下期間で相場は方向性を持っていないと筆者は認識している。このチャートが教えてくれることは、現在の相場は方向性を持っていないということだ。第15回「標準偏差ボラティリティでみるトレンドの判定」で述べたように、「標準偏差ボラティリティが低い位置から上昇する場合は、相場がもちあいを離れ強い方向性をもつシグナルとなる。一方、標準偏差ボラティリティがピークアウト(天井をつけ下落)すると、“トレンド期とはやや逆方向にバイアスがかかった”横這いレンジ内での乱高下相場となる」というのが筆者の独断と偏見の相場観である。

仮に上記の見方が正しければ、現在の相場はしばらくレンジ内で横這いの乱高下相場となり、先の安値は下回らないことになる。したがって、筆者はこの変動率低下期間(水色の部分)では【逆張り】を行うことになる。【逆張り】相場の予測イメージとしては下のチャートの黄色の部分での乱高下とみており、短期的には押し目買いが基本となる。ただし、現在は百年に一度といわれる異常な変動率の下げの初期段階にあり、“横這いレンジ幅”は“通常の相場より大きなレンジ”をみておく必要があろう。

日経平均株価(日足)と26日標準偏差ボラティリティ(変動率)
直近の動き(2008年8月~11月)


(出所:石原順、ブルームバーグ)

相場は確率に賭ける勝負である。したがって現在は【逆張り】のチャンスと機会を窺っているが、これは筆者の取引手法の1つに過ぎない。相場変動率の相対的なレベルがまだ相当に高いので、外為ライブリポートでも相場観を排して相場についていくという1時間チャートでの短期売買をメインに紹介している。現在は百年に一度の大変動相場であるため、何がおこるかわからない。このような過去のパターン分析的な売買手法を過信することなく、ストップ・ロス注文を必ず入れておくことが重要であろう。

外為市場も日経平均株価同様に変動率の低下期間に入った。前回のレポートで述べた移動平均リボン(市場参加者のコスト)の下限付近が重く、短期的に買われすぎた反動もあって、昨日から株式相場や対円相場はリバウンドの後の2番底を探る動きとなっている。ここから大きく押した場面は【逆張り】の機会となるのではないだろうか?

ドル/円(日足) 26日標準偏差変動率と移動平均リボン(市場参加者のコスト)
方向性のある期間(ピンク色)もちあい乱高下期間(水色)


(出所:石原順、ブルームバーグ)

ユーロ/ドル(日足) 26日標準偏差変動率と移動平均リボン(市場参加者のコスト)
方向性のある期間(ピンク色)もちあい乱高下期間(水色)


(出所:石原順、ブルームバーグ)

豪ドル/円(日足) 26日標準偏差変動率と移動平均リボン(市場参加者のコスト)
方向性のある期間(ピンク色)もちあい乱高下期間(水色)


(出所:石原順、ブルームバーグ)

どこの国も経済のファンダメンタルズは悪化している。一部の新興国を除くと世界一斉に金利低下トレンドに入っており、昨日はBOE(英中銀)が1.5%、 EU(欧州中央銀行)が0.5%、SNB(スイス中銀)が0.5%の利下げを行った。利下げと通貨切り下げ競争のようになってきているが、相場は悪さ比べになるということだ。悪さくらべの相場となると、結局各国のファンダメンタルズに焦点が絞られてくる。その意味で本日の米国の雇用統計は注目される。“最近の相場は織り込むということがない”ので、悪い数字が出れば売られるのであろう。米国失業率のチャートをみれば、当面の雇用統計が悪化することは避けられないと思われる。11月6日にはIMF(国際通貨基金)が世界の経済見通しを下方修正したが、世界景気の感応度を示すといわれるバルチック海運指数をみても景気の落ち込みはひどい。

米国失業率 季調値(1960年-2008年9月)
失業率の上昇=雇用の悪化期間は2~3年半続く(黄色の部分)


(出所:石原順、ブルームバーグ)

世界景気の感応度を示すバルチック海運指数(日足)


(出所:ブルームバーグ、石原順)

バルチック海運指数(Baltic Dry Index) ロンドンのバルチック海運取引所(The Baltic Exchange)が海運会社やブローカーなどから市況を聞き取った結果を取りまとめ、発表する鉄鉱石や穀物など乾貨物(ドライカーゴ)の外航不定期船の運賃指数

このようなファンダメンタルズの悪化に株式市場が連動して、昨今のように月に1割以上も下落していけば、1年もたたないうちに株価はゼロになってしまう。だが、そんなことは起こらないだろう。ものには限度がある。そして相場は循環だ。大局下げ相場のなかにも大きな自立反発はある。当面、ファンダメンタルズがついてこないので、相場の上値は限定されよう。現在の相場はあくまで売られすぎの反動を狙う局面に過ぎない。しかし、経済閣僚人事も含めたオバマノミクス=「Change」の中味や、米議会での追加景気対策(=21世紀のニューディール政策)がまもなく明らかになってくる。ブレトンウッズ2といわれる 11月15日のG20会議は市場の最大注目材料だ。この不確実性の時代、悪材料を探せばきりがないが、一部のヘッジファンドは高くなりすぎた現金比率を下げて株式市場に参入しはじめている。クリスマス休暇までに今後もう一段のリバウンドがあってもおかしくはないだろう。

円相場の相場変動幅(ATR)の動向(データは2008年11月6日まで)

ドル/円およびクロス円市場は“円の上昇時に変動幅が拡大し、円の下落時に変動幅が縮小する”という市場の構造を持っている。(特に変動幅縮小の過程では円安になりやすいというのが円相場の特徴である)ドル/円やクロス円通貨は、ATR(アベレージトゥルーレンジ)が下がる過程で円安、上がる過程で円高となるパターンが多い。黄色の期間では円の売り放置やキャリートレードはリスクが高くなる。

ドル/円(日足)とATR 緑のATR低下期間が円売りの有効時間帯


(出所:ブルームバーグ、石原順)

豪ドル/円(日足)とATR 緑のATR低下期間が円売りの有効時間帯


(出所:ブルームバーグ、石原順)

ユーロ/円(日足)とATR 緑のATR低下期間が円売りの有効時間帯


(出所:ブルームバーグ、石原順)

ランド/円(日足)とATR 緑のATR低下期間が円売りの有効時間帯


(出所:ブルームバーグ、石原順)

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