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第40回 投機筋の売りVS当局の対策:米政府系住宅金融機関の救済

2008年9月8日

9月5日金曜日のNY市場は大荒れであった。米雇用統計は失業率が6.1%と2003年9月以来の高水準に上昇したことでドル/円は105円55銭まで下落した。しかし、その後は日銀のレートチェックの噂やFRB緊急会合の噂で買い戻され、米WSJ紙の「ファニーメイとフレディマックに対する支援策が週末にも発表される可能性がある」との報道で107円73銭まで上昇した。今朝の市場ではマドを空けて上昇し、一時109円04銭をつけている。

GSE2社(ファニーメイ・フレディマック)のXデーは9月2週と噂されていたが、米国株の下落や金融機関の破綻の噂から尻に火がついて1週間前倒しになったようだ。3月以降の市場は「投機筋の売りVS当局の対策(政治)」の構図で動いており、最大の懸念材料であった米政府系住宅金融機関(GSE)2社に公的資金が投入されることになった。これで短期的には市場は落ち着きを取り戻し、一旦リバウンド相場に移行するだろう。

今後数日中に米政府系住宅金融機関(GSE)救済策についての公聴会が開催される。GSE2社は評価替えで損失が膨らむことは確実で、モルガンスタンレーが指摘した経理操作の問題も浮上しよう。今後、どれだけ資金が投入されるのか予想がつかず、救済に関してのネガティブな報道も増えるだろう。しかし、米国および世界の景気が米国の住宅市場の回復にかかっている以上、いくら資金が必要になろうと、公的資金はなしくずし的に投入されることになる。日本の金融機関への公的資金投入と同じスキームで、住宅市場が回復すればあとで資金を回収するだけだ。結局は、「世界景気や株式市場の崩落を止めるにはやむを得ない」というのがコンセンサスとなっていく。

問題はGSE救済で米国の住宅市況や景気が回復するか否かである。景気指標のほとんどは対前年比の数字で発表されるため、景気指標に明るさが戻るには2009年を待たねばなるまい。

GSE救済を契機にショートカバーが中心の市場展開となっている。目先の市場の焦点は「売られすぎの反動」になろう。「クロス円の売られすぎ」・「ユーロ/ドルの売られすぎ」・「金融株の売られすぎ」と、先週まで通常の相場パターンから大幅に乖離した相場展開が続いた。これらの「売られすぎ現象」は相場の長期トレンドの転換の予兆であり、大きなトレンドとしてのクロス円・ユーロ/ドル・金融株の下げ基調に変化はないと思われるが、相場の循環的なアヤ戻しとしての反発が今週はみられるだろう。

ドル/円(日足)


(出所:石原順、ブルームバーグ)

米政府系住宅金融機関(GSE)救済でドル/円は売り込みにくくなったが、ドル安・円安の巻き戻しはまだ終わっていないと思われる。目先は押し目買いに分があるが、チャートの形状はあまりよい形ではなく、8月からの下落トレンドを否定するには111円を上抜く必要があるだろう。慎重な投資家は、週前半に大幅上昇するようなら一旦利食いを入れるべきであろう。

ユーロ/ドル(日足)


(出所:石原順、ブルームバーグ)

2000年来の上昇パターンが完全に崩れてしまった。中・長期の売りスタンスを維持したい。9月中旬まで売り周期となる可能性もあるが、目先はやや売られすぎに思える。一気に1.3000をとりにいくような相場にはならないのではないだろうか?すこしリバウンドがあってもおかしくない相場水準と時間帯である。突っ込み売りは危険である。それにしても、ECBのタカ派スタンスが今後欧州景気に陰を落としていくことになるだろう。低賃金労働者の流入などの「拡大ユーロの恩恵」もなくなった現在、ユーロ圏の景気は確実に後退に向かっている。世界中どこも利下げと減税に向かっているなかで、どこまでヤセ我慢が通用するか疑問だが、ECBのタカ派スタンスは「将来、株式市場暴落のトリガーとなるのではないか」と米国からも心配する声が出ている。この急落過程では CTAやヘッジファンドだけではなく、年金・生損保などの「長期投資家」もユーロの持ち高縮小に動いたと言われている。CTA筋によると、1.5000超の戻り売り圧力は相当なものらしい。したがってリバウンドがあっても1.5000の手前までだろう。

クロス/円 売られすぎの反動としてのリバウンド相場:戻りのメドは下げ幅の38.2%戻しまでか?

ユーロ/円(日足)と抵抗線


(出所:石原順、ブルームバーグ)

ポンド/円(日足)と抵抗線


(出所:石原順、ブルームバーグ)

豪ドル/円(日足)と抵抗線


(出所:石原順、ブルームバーグ)

円相場とATRの推移(データは8月5日まで) 円は目先売られる公算が大きいが、現在非常にボラティリティ・レベルが高いので、大波乱相場を回避したい慎重な投資家はATRの低下を待つのがよいだろう。

ドル/円およびクロス円市場は「円の上昇時に変動幅が拡大し、円の下落時に変動幅が縮小する」という市場の構造を持っている。(特に変動幅縮小の過程では円安になりやすいというのが円相場の特徴である)ドル/円やクロス円通貨は、ATR(アベレージトゥルーレンジ)が下がる過程で円安、上がる過程で円高となるパターンが多い。この手法は将来の収益を保証するものではなく、ATR上昇で円安、ATR下落で円高となることも多々あるので注意されたい。

豪ドル/円(日足)とATR 緑のATR低下期間が円売りの有効時間帯


(出所:石原順、ブルームバーグ)

ユーロ/円(日足)とATR 緑のATR低下期間が円売りの有効時間帯


(出所:石原順、ブルームバーグ)

ランド/円(日足)とATR 緑のATR低下期間が円売りの有効時間帯


(出所:石原順、ブルームバーグ)

ドル/円(日足)とATR 緑のATR低下期間が円売りの有効時間帯


(出所:石原順、ブルームバーグ)

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