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第316回 ミャンマー経済について

2012年10月3日

今日のまとめ

  1. ミャンマーは最後の未開地である
  2. 同国に資源があることは、昔から知られていた
  3. 為替制度は現在整備中
  4. 中央銀行の政策枠組みは、今、策定中
  5. 国家財政政策は今後の議会での議論によって方向性が明らかになる
  6. 今は直接ミャンマーに投資するのではなく、関連企業に投資するのが賢明

最後の未開地

ミャンマーは2011年に新政府による民主化政策が打ち出されるまでは米国をはじめとする経済制裁の対象となっており、世界の貿易に組み込まれていませんでした。

しかし今般の政治改革でミャンマーの国際社会への復帰が決まり、同国の持つ潜在性に世界の投資家の注目が集まっています。

ビルマ(ミャンマーの旧称)の石油は昔から有名だった

1880年代に設立された英国最古の国際石油会社、バーマー(=ビルマ)・オイルの昔から、ミャンマーに石油や天然ガスが出ることは西側諸国によく知られていました。

現在でも天然ガスは同国の重要な輸出品目です。

加えて同国は若い労働力を有しており、地理的にもインド、中国、タイなどに近い、有利な場所に位置しています。

改革は始まったばかり

ミャンマーはこれまでの二重為替制度(公式レートと市中レート)を改め、為替管理フロート制度を導入しょうとしているところです。ゆくゆくは、クローリング・ペグ(段階的な為替水準の調整)が使用されると見られています。いまのところ外為業務は未だごく一部しか開放されていません。

為替改革は金融システムの近代化と併せて行われる予定であり、未だ課題は多いです。

ミャンマー中銀は、そもそも金融政策の枠組み自体を持っていません。また現時点での金融セクターは未発達で、制約が多いです。先ず金融関連法を整備して、さらに監督機関を充実されるところから始めないといけないのです。当然、インターバンク市場は未発達です。

財政政策

ミャンマーは歴史的に債務のマネタイゼーションを行ってきました。債務のマネタイゼーションとは、国が借金を返しやすいようにインフレを誘発する諸政策を実施する事を指します。国際通貨基金(IMF)はこれを終わらせるように指導中です。

議会で同国の長期での国家政策が議論されれば、それに応じて支出の優先順位の見直しも起こると予想されます。

開発投資の原資となる国庫収入源として天然資源以外の収入源を確保することが課題となるでしょう。また農業の生産性の向上や民間企業の育成に適した法体系の整備なども必要となると思われます。

経済成長

ミャンマーのGDPは下のグラフのように成長してきました。なお、同国の経済統計は極めて未整備であり、ここではIMFスタッフの算出したGDP(赤)を参考にしたいと思います。

ミャンマーのGDP成長率(%、2011年以降は予想、IMF)

下のグラフは同国の鉱工業生産の成長率を示したものです。

ミャンマーの鉱工業生産(%、前年比成長率、製造業、発電、エネルギー、建設、鉱業を含む、2011年以降は予想、IMF)

次はサービス業ならびに貿易セクターの成長率のグラフです。

ミャンマーのサービスならびに貿易セクターの成長率(%、2011年以降は予想、IMF)

ミャンマーは、所謂、債務のマネタイゼーションによりハイパー・インフレを経験してきました。しかし、近年、この政策が改められたことから消費者物価指数は安定化しています。

ミャンマーの消費者物価指数(%、年間平均、2011年以降は予想、IMF)

次は同国の政府の歳入と歳出のグラフです。

ミャンマーのGDPに占める公的部門の歳入と支出(GDPの%、海外からの無償援助を含む、2011年以降は予想、IMF)

ミャンマーは財政赤字ですが、これは今後、政府がどのような政策を打ち出すかにより大きく変わる可能性があります。その場合、良い方向に変わる可能性もあるし、悪い方向に変わる可能性も大きいです。なお、政府の予算策定能力は極めて低いです。

ミャンマーの財政収支(GDPの%、2011年以降は予想、IMF)

言い換えればミャンマー社会が何を国造りの優先課題とするかによって政府の財政収支の予想も大きく変わって来るということです。その意味でも議会での今後の討議に注目したいと思います。

ミャンマーの国内信用成長は外国からの資本のアクセスなどが実現したことを受けて爆発的に成長しています。

ミャンマーの国内信用成長(%、2011年以降は予想、IMF)

これは良い事なのですが、国内信用の急成長は後で「二日酔い」を併発する恐れもあるので注意が必要です。

次にミャンマーの貿易ですが、経済制裁の歴史もあり、先進国や中国などの経済の減速は、あまりミャンマー経済には影響を及ぼさないと思われます。

ミャンマーの輸出と輸入(百万米ドル、2011年以降は予想、IMF)

今後為替レートがどうなるか(これは大いに未知数)によって輸出競争力や貿易収支は大きく変わる可能性があります。

経常収支は大きく赤字に傾くと予想されています。

ミャンマーの経常収支(百万米ドル、海外援助を除く、2011年以降は予想、IMF)

これは経済の発展段階から考えると自然な事です。

ミャンマーの外貨準備高は近年積み上がっています。

ミャンマーの外貨準備高(百万米ドル、2011年以降は予想、IMF)

外貨準備高が輸入の何カ月分に相当するかという尺度でも、問題はありません。

ミャンマーの外貨準備高が輸入の何カ月分に相当するか(月、2011年以降は予想、IMF)

ミャンマーの対外債務は比較的低い水準です。

ミャンマーの対外債務(GDPの%、2011年以降は予想、IMF)

投資機会

現在のところミャンマーに直接投資することは出来ません。また法制度やインフラストラクチャが未整備なので、直接投資しないほうが賢明でしょう。

むしろミャンマーの経済成長に上手く乗っかることが出来る、周辺国のミャンマー関連銘柄に投資することでミャンマーの成長ストーリーに参加したいと思います。


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