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第240回 利上げ圧力が高まる新興国

2011年2月7日

今日のまとめ

  1. 北アフリカや中東での反政府デモの一因は食品インフレにある
  2. 米国の低金利政策はインフレの原因に違いないが新興国にも非がある
  3. 利上げは後になるほど株式市場崩落のリスクが増大する

北アフリカ・中東での相次ぐ反政府デモの陰にインフレあり

今年に入ってからチュニジア、エジプト、イエメン、ヨルダン、スーダンなどの各国で大規模なデモ行進がおこり世界の注目を浴びています。

反政府デモの直接のきっかけは国民の声を政治にもっと反映して欲しいという要求にあると思いますが、それと同時にこれらの国での出来事の背景には食品インフレが共通して起こっていると言う指摘がなされています。つまりインフレからくる生活苦が国民の不満を増幅しているわけです。

バーナンキ議長は米国の金利政策がその原因であることを否定

さて、この件に関して最近、ベン・バーナンキFRB議長は「FRBが緩和的な金融政策をとっていることで新興国にインフレ圧力のシワ寄せが行っているという考え方は正しくない。なぜならば新興国は金利を上げるなりして独自にインフレ退治する手立てはいくらでもあるからだ」という趣旨のコメントをし、FRBに責任があることを言下に否定しています。

FRBが実質マイナス金利を維持し、景気テコ入れに躍起になっていることは世界の投資家に良く知られていますが、それでは今インフレに苦しんでいる新興国の政策金利は適正な水準なのでしょうか?

一部の国を除けば世界の金利は低すぎる

そこで現在の政策金利からインフレ率を引いた実質金利がどうなっているかを見てみましょう。

実質金利(%、政策金利-今年の予想インフレ率、コンテクスチュアル・インベストメンツ)

上のグラフを見るとブラジル、オーストラリア、南ア、日本の各国は政策金利の方がインフレ率より高く、これはノーマル(平常)な状態だと言えます。

一方、実質マイナス金利になっている各国は物価の安定より経済のテコ入れを優先した金利政策になっていると言って良いでしょう。

米国は確かに実質マイナス金利になっていますが、その他にも欧州中央銀行やイングランド銀行も実質マイナス金利の状態を放置していることがわかります。その意味でアメリカだけを責めるのは公平ではないことがわかります。

また最近、反政府デモが荒れ狂っているエジプトも実質マイナス金利になっており、インフレに対してガードが甘かったことは明白です。

ノンコアの重要さ

さて、各国の消費者物価指数は国によってその構成要素の比重が異なり、横並びに比較出来ません。国によってはガソリン代や食品などの比率が高いところも多いです。これらの項目はアメリカをはじめとした先進国では「ノンコア(=中心ではない)」項目と言って、雑音扱いされる場合が多いです。なぜならそれらの項目は価格変動しやすいからです。

しかし発展途上国の人々にとってはノンコア・インフレこそが生活に直接響く重要な項目ですから、むしろこれを基準に政策金利の水準の適正さを吟味した方が意味があると思います。そこで食品やガソリン価格が重要な国の、ノンコア実質金利をグラフにすると次のようになります。

ノンコア実質金利(%、政策金利-現在のノンコア・インフレ率、コンテクスチュアル・インベストメンツ)

シンガポールが極端にマイナスになっているのは同国が小さな島国であるという特殊事情によります。なぜならシンガポールはエネルギーや食品のかなりの部分を輸入に頼っているからです。

上のグラフを見ると確かにバーナンキFRB議長が言うように「新興国の側でもインフレ退治の努力が足らない」という指摘は痛いところを突いているのがわかります。

投資家として気をつけなければいけないこと

利上げは最初の1回や2回は株式市場に悪影響を与えません。なぜなら金融緩和から金融引き締めに転換する瞬間というのは悪かった景気がようやく持ち直したことをシグナルするので、経済成長という面ではむしろ歓迎すべき事だからです。

しかし経済成長が高すぎると今度はインフレの方が心配になります。どこかでブレーキをかけなければいけなくなる…。

株式市場にとってリスクがあるのはまさにこういう時なのです。

現在の新興国の景気はリーマン・ショック後の緊急事態の状態をとっくに脱却して、再び過熱が懸念される段階に来ています。だから今後の利上げは株にとって悪い利上げにならざるを得ないのです。

  • 実質金利の定義は本来であれば短期の預金金利から消費者物価指数を引いた数字になりますが、アフリカや中東の国々は銀行預金金利のデータが取りにくいところもありますので、ここでは単純に政策金利で代用してあります。

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