現在地
ホーム > マーケット情報 > レポート&コメント > 広瀬隆雄「新興国投資情報レポート」 > 第235回 フィリピンの成長可能性について

第235回 フィリピンの成長可能性について

2010年12月6日

今日のまとめ

  1. 昔、フィリピンは東南アジアで最も豊かな国のひとつだった
  2. ビジネスのやりにくい国、投資のしにくい国という評判が定着してしまった
  3. 金融危機の影響は軽微だった
  4. 経済のファンダメンタルズはそれほど悪くなく、ホットマネーも介在していない

取り残された国

1960年代まではフィリピンは東南アジアで最も豊かな国のひとつでした。しかし1980年頃を境に一人当たりの所得は頭打ちとなり、それ以来、他のアジア各国の成長からひとりだけ取り残されています。

同国が他のアジア諸国から大きく立ち遅れた理由はいろいろありますがマルコス大統領の独裁や1983年におきたベニグノ・アキノ上院議員の暗殺事件などを経て次第に外国企業にとってビジネスのやりにくい国、投資のしにくい国になってしまったことが関係しています。

ホットマネーと無縁の国

このためタイ、中国、ベトナムなどの経済が次々にテイクオフする中でフィリピンは世界の投資家や企業から顧みられず、GDPに占める海外直接投資(FDI)は1.7%程度とアジア諸国の中でも最低の部類に入っています。

GDPに占めるインフラ投資額は僅か3%に過ぎず、アジア諸国の平均値の半分程度です。

フィリピンのインフラストラクチャは貧弱で、とりわけ道路、鉄道、エネルギーなどの社会資本の立ち遅れが目立ちます。GDP成長に占める資本の貢献度も極めて低いです。

金融危機後のフィリピン

しかしこのように出遅れていたフィリピンを見直す動きが最近出始めています。その第一番目の理由はリーマン・ショックから受けた影響が比較的軽微だったことによります。

フィリピンの輸出の中で最大の項目は電子部品であり、それらはリーマン・ショックの直後に瞬間的に落ち込みましたがその後立ち直っています。

フィリピンは銀行ローンの残高がGDPの35%に過ぎず、銀行サービスは余り一般庶民に浸透していません。

また銀行の資産のうち融資が占める割合は49%に過ぎません。

銀行の自己資本比率は比較的高く、不動産セクターへの貸付は保守的でした。またフィリピンはデリバティブなどのレバレッジ商品へのエクスポージャーも低かったです。

外銀のシェアは10%程度であり、彼らの経営悪化が国内の信用市場に与える影響は少なかったです。

これらの理由から金融危機はフィリピンを素通りしました。

フィリピンの潜在力

フィリピンは比較的「小さい政府」の国であり国家予算がGDPに占める割合はアジアで最低です。財政赤字はGDPの4.4%ですが政府予算の構造的な不健全性はそれほど目立ちません。

公的負債の金額は小さいですし、外貨準備も適正です。

経常収支は安定的に黒字を保っています。

フィリピンの政策金利はインフレ率に照らして高目に設定されており、保守的です。インフレは比較的安定しています。

GDP成長率はリーマン・ショック後に落ち込みましたが、鋭角的に戻してきています。

こうした経済のファンダメンタルズを反映してフィリピンの株式市場は右肩上がりのトレンドを堅持しています。いまのところ市場参加者は専ら地元の投資家に限られています。
最近の新興国はホットマネーの介入で活況を呈しているところが多いですが、その中にあって手垢のついていないフィリピンは貴重な存在と言えそうです。


楽らくサポート

個人確定拠出年金iDeCo

口座をお持ちでない方へ

まずは無料でかんたん

口座開設

口座開設中のお客様

クイック口座開設手続き中のお客様

楽天証券へ資料請求して、今すぐご利用いただけます。

楽天証券資料請求はこちら

今すぐご利用いただけます。

ポートフォリオ一覧を表示

楽天証券にログインしてご利用ください。

楽天証券へログイン

上記より楽天会員にログインしてください。

ポートフォリオ機能とは?

よくあるご質問

お問い合わせランキング

マーケットスピード IIダウンロード

Marketspeedダウンロード

Marketspeed for Macダウンロード

MarketspeedFXダウンロード

投資情報メールサービス「マーケットアロー」

 お友達紹介プログラム

お客様の声をカタチに