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第200回 新興国株式市場はなぜ調整しているのか?

2010年2月8日

今日のまとめ

  1. リスク・トレードの不人気、輸出競争力の減退、インフレ懸念が原因

  2. ブラジルは選挙の年なので要注意

  3. ロシアが堅調だったのは緩和的金融政策のため

  4. インドは引締めに入っているがIT産業には回復の兆候が見られる

  5. 中国は金融引締め、需給悪、企業経営指標の劣化が見られる

冴えない新興国株式市場

BRICsに元気がありません。年初からのパフォーマンスは先週金曜日まででブラジルが-8.49%、ロシアが+1.27%、インドが-9.58%、中国が-10.1%となっています。

BRICsの年初来パフォーマンス(2月5日まで、現地通貨ベース、コンテクスチュアル・インベストメンツ)

不調の原因

BIRCs不調の背景には新興国全体に共通する問題と個々の国の抱える問題が存在すると思います。私の考えでは今の段階では新興国全体に共通する問題がこれらの国々の株価に大きな影を落としていると感じています。

新興国全体に共通する問題

先ず世界の機関投資家が所謂、リスク・トレードから身を引いているという点が大きいです。リスク・トレードというのはドル・ベースの投資家(=つまりアメリカ国内の機関投資家のこと)がドルの先安を見越して、それから恩恵を蒙る投資対象に賭けるような戦略を指します。

具体的にはドル安の場合、国外にお金を持って行った方が得ですから(アメリカ人の目から見た)外国株が良いことになります。またドル建てで値段が表示される原油やゴールドなどの商品の場合、ドル安になるとそれだけ「割安」に見え、その分、余計に商品を手当てすることが出来ます。その意味で原油やゴールドはドル安局面では上がりやすいのです。

リスク・トレードの対象
ブラジル株、ロシア株、インド株、中国株、原油、ゴールドなど

次に去年以来の投資資金の流入で新興国通貨は堅調であり、それがこれらの国々の輸出競争力を減退させたという点が指摘できます。

また国内景気の回復と緩和的な金融政策が組み合わさることによって再びインフレ懸念が台頭しています。とりわけ食品に対する価格プレッシャーには各国中央銀行は神経を尖らせています。既に中国やインドは金融を引き締め始めており、株式市場にとっては逆風になっていると言えるでしょう。

ブラジル

ブラジル・レアルは去年の秋、リオデジャネイロ・オリンピック招致が決まってから投機資金が流入したので割高になっていました。このため輸出業者の台所事情は苦しくなっていると言えます。ブラジル政府は海外から投資目的でブラジルにお金を持ち込もうとする投資家に対して取引税を課すという方法でホットマネーを撃退しました。

今年、ブラジルは大統領選挙の年です。通常、大統領選挙がある年は春頃に相場が崩れ始め、投票が終わる頃(年末)までぐずぐずした展開になります。今回がそのパターンを踏襲するかどうかはわかりませんが、経験則的には不利な投資環境だと言えます。

ブラジル・ボベスパ指数(ヤフー・ファイナンス)

ロシア

ロシア株式市場は世界の株式市場の中でも最も年初来パフォーマンスが良い市場のひとつとなっています。

ロシアRTS指数(ヤフー・ファイナンス)

ロシア市場は毎年、正月に10日間前後の長期休暇がありますのでチャートの期間が短くなっていると同時に年初の最初の立会日は世界市場の動きに一気に追いつくために大きく変動します。今年は1月11日がその日に相当しました。

ロシア市場のパフォーマンスが意外に良かった最大の理由はロシアの場合、引き続き国内景気は悪く、緩和的金融政策が維持されているということが大きいです。

また、下がっているとはいえ比較的原油価格の値崩れが小さかった点もロシアにとってはラッキーだったと思います。

その原油価格ですが先週末は原油取引で有名な某ヘッジファンドが大きなポジションを処分しているのではないか? という観測が出て、最近では珍しく荒っぽい展開になりました。今後の原油価格の動向はロシア市場に影響を与えると思います。

インド

インド市場は中国市場と並んで下げがきついです。去年の降雨が不十分で作柄が悪く、食品インフレの懸念があるため、インド準備銀行は引締めに入っています

インド・センセックス指数(ヤフー・ファイナンス)

企業の業績的にはITアウトソーシングを中心としてかなりムードは明るくなっています。このところルピーは安くなっていますが、これはインドの輸出企業にとって歓迎すべき傾向です。

中国

中国株式市場はBRICsの中で最もパフォーマンスが冴えません。

香港ハンセン指数(ヤフー・ファイナンス)

これは中国政府が食品インフレに神経を尖らせていること、また過度の不動産投機を抑制しようと試みていること、工業部門での過剰設備の問題が取り返しがつかなくなる前に調整したいと考えていることなどを総合すると極めて当然だと思います。

中国は新規の株式の売り出しも多く、しかもその案件の大半は魅力に欠けます。このため現在の中国市場は世界の株式市場の中で最も需給関係の悪い市場になっていると論ずることも出来るでしょう。

中国企業の業績を概観すると、近年、ボトムライン(純利益)よりトップライン(売上高)を重視する傾向が強まっているように思います。これは雇用創出を優先する中国政府の意向とも一致したトレンドです。その結果、経営の効率という面では後退している企業が散見され、キャッシュフローなどの本当の経営の健全性を示す指標は悪くなっているところが多いです。


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