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第189回 調整局面を迎えた新興国市場

2009年11月2日

今日のまとめ

  1. やっと押し目が来たBRICs株式市場

  2. 株価水準は適正

  3. インフレは未だ大丈夫

  4. 成長見通しは明るい

  5. 先進国から新興国へのマネーの流れは今後も続く

やっと来た調整局面

新興国市場が調整局面を迎えています。

  今年の高値 10月末 調整幅%
ブラジル・ボべスパ指数 67500 61519.31 -8.86
ロシアRTS指数 1480.92 1348.54 -8.94
インド・センセックス指数 17457.26 15896.28 -8.94
中国上海総合指数 3123.46 2995.84 -4.09

BRICs各市場はこれまでに最近の高値から4~9%近く調整しています。既にインドのセンセックス指数はテクニカル指標のひとつ、RSI(レラティブ・ストレンクス)で「売られ過ぎ圏」である30まで到達しています。その一方で他の3つの市場はRSIが50近辺であり、この尺度から判断する限り調整は十分ではありません。しかし、この押し目は強気で臨みたいと私は考えています。今日はその理由を整理してみます。

株価評価

先ず各国の向こう12カ月の収益予想に基づいた株価収益率(PER)を示すと下のグラフのようになります。青で示したのが過去10年間の平均株価収益率であり、赤が現在の数字です。なるほどブラジルを除いては各国とも過去10年の平均値より割高になっているのですが、その度合いはひどくありません。

主要新興国の株価収益率

株価のバリュエーションを考える場合、そのときの金利水準を考慮する必要があります。なぜならば投資理論の世界では株式は債券などの確定利付き証券の金利と競争関係にあり、債券の利回りが高ければわざわざリスクを冒して株式に投資する投資家の数は減ると考えられているからです。言葉を換えて言えば、インフレは株式価値をぶち壊す、投資家の敵なのです。その点、現在の新興国のインフレは下のブラジルとインドのインフレ率のグラフに見られるように安定した水準にあり、2008年の上半期のように各国が慌てて利上げを繰り返した状況とは程遠いです。

ブラジルのIPCAインフレ率

インドの卸売物価指数

成長見通し

次にBRICs各国の今後の成長見通しを考えた場合、その見通しには極めて明るいものがあります。先日、中国の第3四半期のGDP成長率が前年同期比8.9%だったことが発表されました。インドの場合、来年3月に〆る会計年度のGDP成長率は6~6.5%と予想されています。しかしマンモハン・シン首相は向こう2年くらいの展望を考えた場合、年率で9~10%程度のGDP成長率も夢ではないと考えているそうです。ブラジルの今年上半期のGDP成長率は若干のマイナス成長でした。しかし来年には鋭角的に戻し、年率で5~5.5%程度で成長できると大方のエコノミストが考えています。このように原油価格に左右される度合いが高く、経済指標的にも他のBRICs諸国に比べて少し見劣りするロシアを除けば成長見通しは概ね良好なのです。

不確実要素について

さて、好材料の揃っているBRICs諸国ですが不安材料がないわけではありません。その最大のものが新興国通貨が強すぎるという問題です。急速な通貨の上昇は輸出部門の競争力を低下させます。これは去年上半期に見られた状況と似ているのです。春の総選挙で与党連合が大勝し、欧米企業の直接投資意欲が高まっているインドやリオデジャネイロ五輪の招致成功でポートフォリオ資金が大量に流入したブラジルなどは黙っていてもどんどんホットマネーが飛び込んできます。各国の中央銀行はそういう状況に神経を尖らせているのです。ブラジルが投資目的でブラジル・レアルに換金しようとする外人マネーに対して2%の課税を発表したのは懸命な「冷やしオペレーション」なのです。

先進国の緩和的金融政策との関係

しかし新興国がどれだけ市場をけん制しても、「先進国から新興国へ」というお金の流れは中長期的には変わらないと思われます。その理由はアメリカをはじめとする先進国はまだ「病み上がり」の身であり、せっかく持ち直しかけた景気の失速を防ぐために当分の間、緩和的な政策を続ける必要があります。また財政収支の内容は悪く、通貨は健全ではありません。その一方で新興国は相対的に健全財政であるばかりでなく、利回り水準的にも魅力があります。このように基本的に先進国の経済の基礎要件が新興国のそれに比べて大幅に見劣りする以上、ある時点で新興国市場が再びアウトパフォームしはじめると考えるのが自然ではないでしょうか?


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