現在地
ホーム > マーケット情報 > レポート&コメント > 広瀬隆雄「新興国投資情報レポート」 > 第186回 リオデジャネイロ五輪のブラジル株式市場に与える影響について

第186回 リオデジャネイロ五輪のブラジル株式市場に与える影響について

2009年10月5日

今日のまとめ

  1. オリンピックの経済効果は余り大きくない

  2. もともと良好なブラジル経済のファンダメンタルズが注目されるきっかけにはなる

  3. 来年の選挙とIPOによる需給関係の崩れに注意すること

株式市場はリオデジャネイロ五輪を織り込んでいなかった

2016年のオリンピックの開催地がブラジルのリオデジャネイロに決定しました。地元ブラジルではオリンピック招致に対し高い関心があったのは確かですが、どの都市が開催地に選ばれるかの予想は難しく、当然、株式市場もリオデジャネイロ市の勝利を織り込んでいませんでした。

経済効果はいかほど

オリンピックの招致がどのくらいその国の経済に恩恵をもたらすのかに関してはいろいろな議論がありますが、直接的な経済効果は一般に考えられているほどは大きくありません。

先ずオリンピックの開催準備に必要となる費用と、オリンピックにまつわる収入を比較すると殆どの場合が赤字であると言われています。

一方、経済効果としては、北京オリンピックの場合、GDPの押し上げ効果は0.3から0.5%程度だったと言われています。これは意外に小さい数字であると言わざるを得ません。

またリオデジャネイロの場合、すでに2014年のワールドカップ向けのインフラストラクチャ工事が進んでいる関係もあり、新規に必要となる工事は限られています。

するとリオデジャネイロ・オリンピックの効果はむしろブラジルが世界経済を担う有力な国のひとつの仲間入りをするという象徴的な意味の方が大きいと思います。

オリンピックは消費者のセンチメントを刺激し、成長への期待を補強します。またオリンピック開催は観光地としてのリオデジャネイロを改めて世界に紹介する機会となり、もともと魅力に溢れたこの都市に対する世界の人々のアウエアネス(認知度)を一段と向上するきっかけになると思われます。

ブラジル経済のファンダメンタルズは良い

ブラジルの経済は1990年代後半にレアル・プランが導入されて以来、インフレ沈静化の方向にむかっています。

ブラジルのIPCAインフレ率(%、IBGE、ブラデスコ)

インフレの鎮静化は金利の低下を招き、それは住宅ローンやクレジット・カードなど各種の消費者サービスをブラジルの人々が利用することが可能になったことを意味します。下のグラフに見られるようにブラジルの銀行サービスの浸透度は世界的に見てもまだまだ低いです。

銀行融資対GDP比率(%、ベイセン、エコウィン)

住宅ローンやクレジット・カードのサービスが今後普及するということは本格的な消費ブームが起こると考えて良いでしょう。

ブラジルの賃金も近年の好調な経済を反映して着実に増えています。

ブラジルの実質成長率(%、IBGE)

ブラジルは相変わらず世界で最も貧富の差が激しい格差社会ですが、貧困比率が低下してきているのは希望を持たせます。

ブラジルの貧困比率(%、ひと月あたり150レアル以下の所得しかない人口が総人口に占める割合、CPS/FGV)

ブラジルのGDP成長率は今年こそ世界不況のあおりでマイナスを記録すると予想されていますが、来年は再び4.5~5%程度の成長率に戻るだろうと予想するエコノミストが多いです。

ブラジルのGDP成長率(%、IBGE、ブラデスコ)

オリンピックは今までブラジルに欠けていた「投資テーマ」を付与する

ブラジルの株式市場は欧州や米国のエマージング市場専門の機関投資家の間では「定番商品」として確固たる地位を保っています。しかし世界の一般の投資家にとってはまだまだ縁遠い存在であり、お世辞にも親近感が湧く市場とは言えません。別の言い方をすれば中国、インド、ロシアのようにわかりやすいストーリーに欠けていたのです。

リオデジャネイロ・オリンピックはこれまでのブラジル株に欠けていた、投資テーマを提供するという意味で極めて重要な進展だと思います。

もともとブラジル企業のコーポレート・ガバナンスはBRICsの中では最も良い部類に入り、とりわけADRをアメリカの証券市場に上場している有名企業の企業統治や情報開示はアメリカの企業をも凌ぐものがあります。

今後注意すべき点

このようにブラジルのストーリーは強気材料がそろっています。しかし不安材料が無いわけではありません。

先ず政治面ではブラジルは2010年に大統領選挙を迎えます。国民、投資家両方から人気の高いルラ大統領はブラジルの法律で2期までしか務められないので、来年はいずれにせよ新しい大統領となります。歴史的にブラジルは大統領選挙の年は相場が荒れる傾向がありましたので、それは頭に入れておく必要があります。

次に株式市場の需給関係ですが、今週はブラジル第4位の銀行が70億ドルもの超大型IPOでデビューする予定です。これは需給関係の悪化要因になります。その後もいくつかの大型案件が動いていると言われていますので、いずれマーケットがそうした新株の供給に耐えられなくなる局面が来ると考えておいた方が良さそうです。


楽らくサポート

個人確定拠出年金iDeCo

口座をお持ちでない方へ

まずは無料でかんたん

口座開設

口座開設中のお客様

クイック口座開設手続き中のお客様

楽天証券へ資料請求して、今すぐご利用いただけます。

楽天証券資料請求はこちら

今すぐご利用いただけます。

ポートフォリオ一覧を表示

楽天証券にログインしてご利用ください。

楽天証券へログイン

上記より楽天会員にログインしてください。

ポートフォリオ機能とは?

よくあるご質問

お問い合わせランキング

マーケットスピード IIダウンロード

Marketspeedダウンロード

Marketspeed for Macダウンロード

MarketspeedFXダウンロード

投資情報メールサービス「マーケットアロー」

 お友達紹介プログラム

お客様の声をカタチに