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第185回 ずいぶん成長した中国のオンライン・ゲーム市場

2009年9月24日

今日のまとめ

  1. IPOがきっかけとなりオンライン・ゲーム市場が注目される可能性がある

  2. オンライン・ゲーム市場は中国の代表的娯楽セクターとして定着した観がある

  3. アイテム課金への移行の完成は業界全体の見通しの安定に寄与した

IPOで再び注目される中国のオンライン・ゲーム市場

今週、中国最大級のオンライン・ゲーム会社、シャンダ・インタラクティブ(SNDA)の子会社、シャンダ・ゲームズ(GAME)がナスダック市場にIPOされます。ゴールドマン・サックスとJPモルガンという、選り抜きの引受幹事団のディールということもあり、市場の注目を集めています。

中国のオンライン・ゲーム市場のおさらい

さて、このディールの話をする前に先ず中国のオンライン・ゲーム市場の概観を述べます。中国のインターネット人口は2008年の時点で既に2.75億人に達しており、このうち約1割がオンライン・ゲームの愛好家です。

中国のインターネット人口とゲーマー人口(百万人、IDC予想)

オンライン・ゲームは中国の若者にとって最も身近で、長い時間を費やす娯楽のひとつです。平均的なゲーマーの月々の出費は450円程度ですから、これで毎晩遊べるのならリーズナブルなエンターテイメントと言えます。こうした手軽さが受けて中国のオンライン・ゲーム市場は急成長しました。年々、分母の数字が大きくなるので、さすがに昔のような年率30%といった成長率は期待できませんが、それでも市場調査会社のIDCによれば2013年にかけての中国のオンライン・ゲーム市場は年率16.7%で成長すると見られています。

中国のオンライン・ゲーム市場規模(10億ドル、IDC予想)

オンライン・ゲーム市場はゲームの形態から分類する方法と課金方式から分類する方法があります。

先ずゲームの形態ではMMORPG(Massively Multi-player Online Role-Playing Games)と呼ばれるものがあります。多くの場合、それらは中国の伝統的な軍記などのストーリーに基づいた設定になっており、一度に数千人ものゲーマーがネット上で同じゲームに参加できる形式になっています。このゲームで自分のランクを上げるためには何時間も費やし、定められたハードルを越えなければいけないようになっています。

こうしたゲームの設計上、MMORPGはとりわけゲーマーの定着率が高く、ひとたびゲーマーを獲得すると長い期間に渡って顧客になることが期待できます。

もうひとつのゲームの形態はカジュアル・ゲームと呼ばれるもので、こちらは一回限りの、短い時間でのゲームです。ちょっと空いた時間に気軽に暇つぶしをするのがカジュアル・ゲームの遊び方です。このためマス・マーケット向けである反面、ゲームの顧客単価は低いです。

3番目のゲームの携帯はウェブ・ゲームと呼ばれるもので、顧客側のパソコンにソフトウエアをインストールする必要が無く、ブラウザー上で楽しむゲームです。ウェブ・ゲームは未だそれほど普及していません。

ゲーム形態別の市場規模予想(10億ドル、IDC)

次に課金方式からの分類について述べます。

中国ではインターネット・カフェなどからオンライン・ゲーム市場が発達した関係上、プリペイド・カードによりゲーム・ポイントを先ず購入し、それをプレイ時間によって消費するか、ないしはバーチャル・アイテムの購入によって消費するという2つの課金方式が一般的です。

従来はプレイ時間に基づく課金方式が支配的でしたが、この方式は特定のゲーム・タイトルに飽きてしまうと残りが無駄になってしまいます。またゲーム・タイトルのリニューアルの際にそのアップグレードに人気が無ければ、顧客離散を招くリスクがありました。

この一方でアイテムへの課金の方式では個々のアイテムの価格設定や顧客側での購入の判断の柔軟性が高いことから、ゲーマーにも、オンライン・ゲームを提供する企業の側でも人気が高いです。このため次第にアイテム課金方式が主流となりつつあります。

課金方式別の売上高予想(10億ドル、IDC)

アイテム課金方式が定着したということは業界全体としての収益の安定性が高まったという風にも評価できます。

最近のトレンド

さて、オンライン・ゲーム市場の最近の動きとしては4月に大手ポータルのソーフー(SOHU)がオンライン・ゲーム子会社のチャンヨウ・ドットコム(CYOU)をスピンオフしました。チャンヨウ・ドットコムの株価は上場後も堅調に推移し、これがひとつの前例を作ったかたちになっています。

今回のシャンダ・インタラクティブによるシャンダ・ゲームズのスピンオフはこのチャンヨウ・ドットコムの成功に刺激された決断であることは間違いありません。

この他にも、たとえばネットイーズ(NTES)はソーフー同様、ポータルの事業とオンライン・ゲームの事業を兼業しており、理論的には子会社のスピンオフは可能です。

うしたIPOのトレンドに加えて、業界の整理統合も今後ひとつのテーマになると考えられます。その理由は中国のオンライン・ゲーム市場には幾つもの上場企業がひしめいており、事業規模の面で中途半端さが目立つ企業が散見されるからです。

例えば人気ゲーム、『ワールド・オブ・ウォークラフト』のライセンス更新に失敗したザナイン(NCTY)は目玉になるゲーム・タイトルを持っておらず、「漂流」状態になっています。同社の現在の時価総額は2.1億ドル程度ですが、これは同社がバランスシート上に抱えているネット・キャッシュにほぼ匹敵する金額であり、同社のインタンジブル(無形)な価値に投資家は一切、評価を与えていないことを意味します。

これまでのところオンライン・ゲームの業界では上に述べてきたような運営会社がゲームをデザインする小企業を買収するというケースは幾つもありました。しかし大きな運営会社同士の合併というのは例がありません。今後、そういったことを含めて業界の再編成が起きるかどうかを見守ってゆきたいと思います。


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