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第182回 中国株の「独歩安」と当面の投資戦略

2009年8月31日

今日のまとめ

  1. 上海総合指数が調整局面に入った直接の原因は融資成長の抑制にある

  2. 中国株の「独歩安」は続かない

  3. グローバルにビジネスを展開している企業に新鮮味がある

上海総合指数の調整

上海総合指数は高値から一時20%下げ、いわゆるベア・マーケットの定義にあてはまる展開となりました。その直接の原因は銀行融資の鈍化に対する懸念です。人民銀行によると7月の人民元建て銀行融資は3,559億人民元と6月の1.53兆人民元から大幅に抑え込まれました。

中国の銀行融資(10億人民元、人民銀行)

銀行融資が株式市場へ直行

本来、産業への貸付による景気てこ入れを目指した銀行融資が、そのまま株式市場へ直行してしまったのにはわけがあります。

まず世界不況の状況に関しては中国の経営者も良く理解していますから、新しい運転資金を融資してもらっても、本業にそのお金を投入して、満足なリターンを得られる保証はありません。ましてや多くの産業分野ではそもそも設備自体がだぶつき気味です。

するといちばん堅いやり方は金余りで活況を呈する可能性の高い株式市場にこの余資を投入し、融資の返済期限に利子をつけて返さなければいけない金額以上のリターン(大体5%程度だと言われています)を狙うという方法です。

また、四兆人民元の景気刺激策によって建設資材やコモディティーの値段がいずれ高騰するだろうという読みから、先回りして素材を投機、転売の目的で仕入れるという方法も当然、実業家なら考え付く方法です。

つまり中国でそうした投資行動が盛んに取られたということは、ある意味では企業の経営者が経済原則に従って合理的に行動した結果だと評価することも出来るのです。

現在のコンセンサスは下半期の銀行融資成長は鈍化するだろうというものです。ただ、折角復活してきた景気が腰折れするリスクが出るのであれば、ふたたび融資を増やし、景気刺激のための追加予算が積み増しされる可能性も無いとは言い切れません。したがって銀行融資成長は必ず鈍化するときめてかかるのは早計だと思います。

中国株の「独歩安」は続かない

ここ数週間だけの動きを見ると急伸した後、いち早く調整局面に入った中国株に対して、他国のマーケットは比較的切り離された動きをしています。インド株やブラジル株は今年の高値の水準にありますし、調整していたロシア株ですら、今年の高値からそう遠くない位置につけています。この状況はアメリカや欧州など先進国の株式市場でも同じです。

つまり今は中国株の「独歩安」の状況になっているのです。

ブラジル株の市場参加者の意見を聞くと、「確かに中国経済は一番大事だ。でも幸い世界の他の地域の景気が戻ってきている。だから中国からの素材の需要が一段落した分はその他の世界からの需要でおぎなえる」という考えのようです。

問題は工業コモディティーの消費者として、中国は突出した存在となっており、若し中国の工業コモディティーに対する需要が減退したならば、それを他の世界からの需要で埋め合わせするのは容易ではない点です。

実際、鉄鉱石や石炭などの工業コモディティーと密接に関係しているバルチック海運指数(BDI)は6月以降、右肩下がりのトレーディング・チャンネルにがっちりと囲い込まれており、じりじりと値を切り下げています。


(出典:ストックチャーツ・ドットコム)

若しバルチック海運指数が正しいのであれば、世界の素材・資源株はある程度の調整を余儀なくされると考えるのが自然です。その場合、たとえば素材・資源株への依存度の高いヴァーレ(VALE)などのブラジル株は調整局面に入るリスクもあります。

あるいはその全く逆で、いまは「独歩安」となっている中国株が切り返し、世界の市場に追い付き、再びリーダーとしてのポジションを奪回するというシナリオも十分考えられると思います。

いずれにせよ世界が中国にサヤ寄せするか、あるいは中国が世界にサヤ寄せするかのどちらかが起こり、現在のちぐはぐな状況に訂正が入ると考えるのが自然だと思います。

グローバルなビジネス展開をしている企業に注目

中国の景気刺激策は株式市場での投機を助長するなど「ムダな部分」もありましたが、それが世界景気の下支えに役立ったことは大方の投資家が賛成するところだと思います。

実際、先週好決算や業績予想の上方修正を発表したティファニー(TIF)、マーベル(MRVL)、インテル(INTC)、デル(DELL)などの発表内容を見るにつけ、世界的な景気底入れの恩恵は既に極めて広範な分野でじんわりと感じられ始めていることが確認できます。

当面はこれらの企業のように間接的に世界経済復活の恩恵を蒙るグローバル企業の方に新鮮味があるような気がします。


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