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第175回 新興国における「食糧のグローバル化」

2009年7月13日

今日のまとめ

  1. 富の蓄積、自然環境面での制約などが「食糧のグローバル化」をもたらしている

  2. 文化や宗教の面で制約の少ない鶏肉で国際化が最も急激に進行している

  3. ブラジルに巨大な食肉加工業者が誕生する

グローバル化が進む食糧の調達

近年、食糧の貿易はどんどん拡大しています。その理由は新興国を中心に所得が上昇したこと、都市化の進行で食糧の消費パターンが変化し、それが輸入への依存を助長していること、世界的な貿易の自由化で輸入障壁が撤廃されていること、水不足などの自然環境面での制約から思うように国内で増産出来ず、輸入に頼らざるを得ないなどが原因です。

世界70カ国の穀物輸入(百万トン、商業ベース、支援物資を含む、国連)

グローバル化は大豆やトウモロコシなどの穀物でも進行していますが、食肉でも進んでいます。とりわけ輸入・輸出の拡大が著しいのが鶏肉です。下のグラフはBRICs各国の鶏肉生産の長期予想です。中国とインドの成長率が高いことがわかります。

鶏肉生産高の長期予想(1000トン、米国農務省)

中国の場合、鶏肉の国内生産は国内消費の伸びとほぼ一致しています。

中国の鶏肉の生産(青)と消費(赤)の長期予想(1000トン、米国農務省)

中国は今後、鶏の飼料となる大豆をどんどん輸入拡大すると予想されています。
インドの場合、鶏肉の輸出・輸入は規制されているため、国内の生産と消費は完全に一致しています。

インドの鶏肉の生産(青)と消費(赤)の長期予想(1000トン、米国農務省)

次にブラジルですが、同国は国内消費量より遥かに多い鶏肉を生産しています。

ブラジルの鶏肉の生産(青)と消費(赤)の長期予想(1000トン、米国農務省)

これは即ち、ブラジルには大きな輸出余力があることを示唆しいています。ブラジルは世界最大の大豆の輸出国であり、大豆の加工産業も他国には無いスケール・メリットを享受しています。ブラジルの養鶏業者は大豆の加工工場に隣接してその搾りかすから飼料を得ているため、コストは極めて安いです。

鶏肉のグローバライゼーションが最も早いわけ

さて、牛肉、豚肉、鶏肉の3種類の食肉の中では鶏肉の輸出市場が最もダイナミックに変化しています。その理由は新興国の人々の所得の増加に伴い、最も安価な食肉である鶏肉の重要が先ず増加していることによります。さらに鶏肉は宗教上の問題や文化的な制約などが少ないです。

鶏肉の輸出でガリバー的存在の企業

さて、これまでの説明でブラジルは養鶏業でコスト優位に立っていること、輸出余力の面でダントツであることがお分かり頂けたと思います。そう考えれば鶏肉の輸出で世界的な企業がブラジルに存在することは不思議ではありません。実際、ブラジル・フーズ(ティッカー:PDA)は今後、世界の鶏肉貿易の市場で極めて支配的な存在になると思われます。

ブラジル・フーズの生い立ち

ブラジル・フーズはブラジルで1・2位を争ってきたサディア(ティッカー:SDA)ペルディゴン(ティッカー:PDA)という2つの企業が合併して出来る会社です。これまでのサディアの株主は合併後、会社名がブラジル・フーズに社名変更になります。なお、ブラジル・フーズのティッカー・シンボルは現在のペルディゴンのティッカーであるPDAを使うことが決まっています。

主要食肉加工企業の売上規模(10億ドル、2009年、ヤフー・ファイナンス)

ブラジル・フーズは合併に際してバランスシートの補強のため22億ドルに上る公募増資を現在実施中です。目先のペルディゴン(PDA)ならびにサディア(SDA)の株価はこの大型増資が上手く消化できるかどうかで乱高下することが予想されます。
サディアの株主は今回のペルディゴンとの合併、ならびに公募増資が成功したあかつきには経営基盤が遥かに強固になりますので長期で見ればこれらのリストラクチャリングはプラスだと思います。なお、食肉加工業者の株は市況に左右されるだけでなく鳥インフルエンザなどの疫病のリスク、貿易摩擦や食品衛生上のリスク、為替リスクなどに晒されます。


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