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第170回 「太陽光発電、カジノなどの第1四半期決算の要約」

2009年5月25日

今日のまとめ

  1. 太陽光発電関連企業の決算は苦しい

  2. マカオでは『シティ・オブ・ドリームス』の開業が間近に迫る

  3. ネットイーズの『WoW』計画は不明瞭

サンテック・パワー(STP)

中国の太陽光発電関連企業、サンテック・パワーの第1四半期決算は売上高面で市場予想を大幅に下回りました。またその売上高の「質」についても少し疑問が残りました:

売上高:3.16億ドル(予想は3.51億ドル)
EPS:1¢(予想は▼6¢)

売上高は去年の第4四半期に比べて▼27%下落しました。売上減少の主因はPVモジュールの平均販売単価の下落によります。また製品の出荷量の下落も影響しています。売上の低迷は第2四半期も続くと予想されます。なお今期売上高にはサンテックが筆頭出資者(86%株主)であるグローバル・ソーラー・ファンド(GSF)という投資基金の支援を受けた企業に対する売上、約1億ドルが含まれています。これは「身内」に対するセールスであると看做すべきでしょう。その大半が3月に駆け込みで成約したものである点は注意を要すると思います。

このGSFは太陽光発電プロジェクトを促進するためにサンテックが戦略的見地から組成したファンドであり、現在、イタリアのシシリー島でソーラー・パネルの設置を計画しています。そのファンディングの一部は欧州の銀行からの借入で賄われます。なおGSFの投資先企業に対してサンテックが販売活動をする際は価格や支払い条件に特別の優遇はありません。

第1四半期中、シリコン・ウエハー・コストは▼25%下落しました。コスト単価は1ワット当たり66¢と、これまでの70¢から下落しており、グロスマージン17.8%を確保することに寄与しました。一方、営業マージンは6.7%でした。第1四半期のDSO(売掛金回収に要した日数)は76日と、第4四半期の46日からジャンプしています。

なおサンテック・パワーは第1四半期の決算を発表した直後に2000万株の公募増資で約2.4億ドルを調達しました。

インリー・グリーン(YGE)

同じく中国の太陽光発電関連銘柄であるインリー・グリーン(YGE)も落胆すべき決算を発表しています:

売上高:1.43億ドル(予想は1.94億ドル)
EPS:▼9¢(予想は▼1¢)

売上高は第4四半期に比べて▼35.7%下落しました。出荷量の減少と平均販売単価の下落(約▼15%)が売上減の原因です。これにはドイツの冬が厳しかったこと、ソーラー・タリフがスペインで変更されたこと、信用市場が冷え込んだことなどが影響しています。一方、グロスマージンは第4四半期の13.2%から今期は15.3%に改善しました。これは原料のポリシリコンの価格が30%程度下落したことが寄与しています。

インリーは今年通年のPVモジュール出荷予想は450から500メガワッツを予想しています。また第1四半期がたぶん需要の大底だろうと発言しています。今後、米国、中国で、国が後押しするプロジェクトが相次いで立ち上がることから少し希望が持てます。

中国政府によるソーラー・プロジェクトで向こう2年の間に800メガワッツ程度の需要が生ずると予想されます。

足元の景況感としては、4月、5月で受注が少し戻ってきました。ディストリビューターにおける過剰在庫の整理が進捗し、ドイツを中心に需要が戻っています。この中にはドイツを経由してイタリアやフランスへ出荷される需要分が含まれていると考えられます。その一方で去年までの需要をけん引したスペイン市場の落ち込みは激しく、回復の兆しはありません。

LDKソーラー(LDK)

LDKソーラーの第1四半期決算は売上高面では市場予想を上回りましたが、EPSは予想を大幅に下回りました:

売上高:2.83億ドル(予想は2.4億ドル)
EPS:▼21¢(予想は▼8¢)

第1四半期のウエハー出荷量は206メガワッツで、去年の第4四半期の254メガワッツより下落しました。平均販売単価も去年の第4四半期から▼29.4%下落し$1.54でした。グロスマージンは1.7%でした。営業マージンは▼5.7%でした。

去年の第4四半期に仕掛け品在庫の評価損の計上がおおむね済んでいることから今期のグロスマージンが1.7%と低かったことは現在の価格環境の厳しさをそのまま反映した数字だと言えます。直近の平均販売単価は$1.10から$1.30あたりであり、第1四半期を〆たときより更に下落しています。平均販売単価の底入れは下半期だろうと予測しています。

今期の売掛残は売上高が減少したにもかかわらず大幅にジャンプしました。これはLDKの顧客が資金繰りに困っており、支払いをなるべく先延ばしにしようとしていることが影響しています。ただDSO(売掛金の回収に必要とした日数)そのものは55から60日であり、これは他業種などの平均から比べるととりわけ不健全ではありません。

LDKは短期の借入への依存度が高まっています。資金繰りや在庫の状況から考えてこれは好ましくないトレンドです。

メルコ・クラウン(MPEL)

次にマカオのカジノの株に移りますがメルコ・クラウンが第1四半期の決算を発表しています。売上高面では予想を下回りました:

売上高:2.17億ドル(予想2.5億ドル)
EPS:▼8¢(予想▼8¢)

今期の売上高は去年の第4四半期より▼15%下落しました。これはホールド・レート(=カジノの勝ち分)が低かったことが影響しています。因みに今期のホールド・レートは2.8%にとどまりました。去年の第4四半期は2.85%、そして去年の第1四半期は3.1%でした。但しホールド・レートはある程度上下するのが普通で、これ自体は経営の健全性の指標にはならないと思います。

一方、顧客の賭け金の額を示す指標はローリング・チップ・ボリュームと呼ばれますが、こちらの方は去年の第4四半期をボトムに改善基調にあります。毎月、ローリング・チップ・ボリュームはしり上がりに伸びてきており、第1四半期の決算を〆た後の、4月、5月にもこのモメンタムは持続しています。このことから「マカオの最悪期は脱出した」とメルコ・クラウンの経営陣は発言しています。

むしろ同社にとって重要なのはいよいよ6月1日に迫った『シティ・オブ・ドリームス』の開業です。『シティ・オブ・ドリームス』はプレミアム・マスマーケットにフォーカスした巨大な施設であり、マカオの市場のパイそのものを拡大するきっかけになると期待されています。一方、既存のカジノである『クラウン・マカオ』は改装を経て『アルティラ』という名前に変えました。

メルコ・クラウンは1.75億ドルの公募増資を敢行し、バランスシートの補強を済ましました。開業前後の資金ニーズは従って完全にカバーされています。

ネットイーズ(NTES)

オンライン・ゲームのネットイーズの決算発表は売上高面で市場予想を下回りました:

売上高:1.14億ドル(予想は1.16億ドル)
EPS:47セント(予想は46セント)

主力のオンライン・ゲーム部門の売上高は1.06億ドルで去年の8140万ドルより増えています。ユーザー数などの面でも安定しています。むしろネットイーズにとって不安定要因としては新しくアクティビジョン・ブリザード社から配給権を獲得した人気タイトル、『ワールド・オブ・ウォークラフト』の運営が上手く行くかどうかでしょう。このタイトルの取得に必要とした費用は明らかにされていません。またサービスの開始時期に関しても明らかにされていません。そういう点が不透明感を増していると思います。

一方、ネットイーズのもうひとつのビジネスであるブランド広告部門のパフォーマンスは悪かったです。広告収入は600万ドルにとどまりました。これは前期の1640万ドルより大きな落ち込みとなっています。広告収入ではライバルのソーフーが今期+18%、バイドゥが+40%を記録していることからも同社の不振が目立ちます。


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