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第169回 「BRICsのADRの決算発表が続く」

2009年5月20日

今日のまとめ

  1. これまでに発表された各企業の決算はまちまち
  2. マインドレイの苦戦が目立つ
  3. シートリップは上海万博に期待

ウーシー・ファーマテック(WX)

中国のウーシー・ファーマテックは世界の製薬会社の新薬研究開発作業を引き受ける企業です。今回発表された第1四半期の決算は売上高、EPSの両方で市場予想を上回りました。また、今後の見通しも好転しつつあります。

【第1四半期】
売上高:5910万ドル(コンセンサス5845万ドル)
EPS:20¢(コンセンサス8¢)

【2009年ガイダンス】
売上高:2.65~2.75億ドル(コンセンサス2.67億ドル)

新薬研究開発のアウトソーシング事業はこのところ製薬会社やバイオテクノロジーの会社の予算が切り詰められていた関係で厳しい状態でした。このためウーシー・ファーマテックの業績見通しに関しても厳しい見方をするアナリストが多かったですが、今期の決算は懸念されたほど悪くはありませんでした。売上高でも事前予想を上回っていますが、とりわけEPSの数字が良かった点が市場関係者から注目されました。これはコスト削減努力が効いてグロスマージンが改善したことが原因です。

通年の売上高ガイダンスはこれまでの予想数字が維持されました。ラボ・サービスの売上成長は下半期に集中しています。これは大きな契約が下半期に計上されるためです。また低分子薬の製薬アウトソース契約も下半期に集中しています。競合他社の中には未だ予想数字を引き下げているところが多いですが、ウーシーは新しいサービスが顧客に受け入れられはじめているとして強気なコメントを出しています。

グーシャン・エンバイラメンタル(GU)

中国でレストランなどから出る廃油をバイオディーゼルに精製する事業を展開しているグーシャン・エンバイラメンタルの決算は予想より悪かったです。今後の業績に関しても不透明な要因が多いです。

【第1四半期】
売上高:3990万ドル(コンセンサス4544万ドル)
EPS:1¢(コンセンサス1¢)

第1四半期の売上高が去年に比べて▼18.1%下がったのはバイオディーゼル価格が急落(▼27.4%)したことによります。因みにボリュームは去年より+22.3%増えています。第1四半期のバイオディーゼルの出荷量は6.3万トン(1890万ガロン)でした。一方、コストの方はバイオディーゼルの販売価格ほどは下がらなかったので、結果としてグロスマージンは去年の31.8%から今期は10.2%まで下がりました。

3月に北京工場の拡張工事が終わり、5万トンの生産能力が追加されました。この結果、第1四半期の時点での総生産能力は34万トン(1.02億ガロン)になっています。今年の年末までに総生産能力を45万トンに持って行くという計画には変更はありません。

グーシャンは中国の景気後退の影響をもろに受けて精製マージンの圧迫を受けていますが、原料コストを上手く下げることができなかった点にアナリストから不満の声が上がっています。

エイコーン・インターナショナル(ATV)

中国で直接販売事業を展開しているエイコーンの決算は予想より良かったです。また、今後の見通しもかなり上方修正されました。

【第1四半期】
売上高:9070万ドル
EPS:28¢(コンセンサス0¢)

【2009年ガイダンス】
売上高:3.1~3.5億ドル(コンセンサスは2.45億ドル)

エイコーンは英語学習装置や姿勢矯正装置など、オリジナル商品の開発ならびに販売に力を入れており、今期の決算ではそれが実って良い数字が出せました。携帯電話の販売の事業は相変わらず値引き競争に晒されています。しかし全体的にはエイコーンの直接販売の事業はかなり立ち直ってきた観があります。今後の事業展開としてもオリジナルの化粧品の販売とか、部屋のお掃除の際、環境にやさしい洗剤など、他では買えない差別化された商品を消費者に訴求していきたいと考えています。

エイコーンのキャッシュフロー管理、支出管理は厳格で、財務的には危なげない内容です。バランスシートには1.65億ドルのネット・キャッシュが載っており、一株当たりに換算すると5.5ドルになります。これは場でついている株価より大きい金額です。従って目先はこのキャッシュが株価の下支えになると考えられます。

チャイナ・デジタルTV(STV)

中国でテレビ放送のデジタル化のためのシステムを販売するチャイナ・デジタルTVの決算はほぼ予想通りでしたが、来期の予想が大幅に下方修正されました。

【第1四半期】
売上高:1440万ドル(コンセンサス1420万ドル)
EPS:13¢(コンセンサス13¢)

【第2四半期ガイダンス】
売上高:1450~1550万ドル(コンセンサス1750万ドル)

第1四半期のスマートカードの平均販売単価は去年の第4四半期に比べて▼2.0%下がりました。これは大口顧客の一括購入によるボリューム・ディスカウントで単価が下がったためです。なお同時期の単位コストの方は▼1.7%下がっています。

カンファレンス・コールで問題となった個所は第2四半期のスマートカードの出荷に関するガイダンスであり、会社側の予想は235~255万ユニットです。これは去年の実績に比べて少ない数字です。会社側の説明では去年はオリンピックの前に受注が高水準だったということでした。しかし実際には去年の受注状況はオリンピックの前から受注が止まり始めたので、アナリスト達はこの説明に余り納得しませんでした。このように第2四半期のスマートカード出荷予想が下がったにもかかわらず、通年では良い数字が達成できると会社側が考えている理由は:

  1. 下半期は季節要因で受注が増える
  2. 顧客企業のデジタル化計画の内容から判断して受注が増えることが予想される

ことによります。これまでの同社のトラックレコードでは予想が外れるケースが多かったので、下半期で後れを取り戻すという会社側の意見には疑問を挟むアナリストが多いです。

マインドレイ・メディカル(MR)

中国の医療機器メーカー、マインドレイ・メディカルの決算は売上高面で予想を下回りました。また今年の通年のガイダンスも引き下げられています。

【第1四半期】
売上高:1.34億ドル(コンセンサス1.45億ドル)
EPS:27¢(コンセンサス25¢)

【2009年ガイダンス】
売上高:去年に比べて10%成長(コンセンサスは16%成長)

マインドレイは去年の第4四半期に続いて今回も厳しい決算内容でした。売上予想がどんどん下がっているので、こういう状況では株価は上がりにくいと思います。

先ず海外市場ですが新興国の売上は世界的な景気後退の影響を受けてもう一段と冷え込んでいます。大体、16%程度落ち込みました。

一方、中国国内市場は今年25~30%程度成長すると見込まれています。これは良い数字には違いないのですが、去年中国市場は50%近く成長していたので、ここでも成長率は大幅に鈍化しているわけです。

今期のDSO(売掛金の回収に要した日数)は前期の40日から60日にジャンプしていますが、これは売掛金の絶対額が急増したからではなく米国のデータスコープ社を買収した後、計算のベースが変更されたことによります。

シートリップ(CTRP)

中国の旅行予約ポータル、シートリップの決算は予想を上回りました。また来期のガイダンスも引き上げられています。

【第1四半期】
売上高:5900万ドル(コンセンサス5390万ドル)
EPS:26¢(コンセンサス21¢)

【2009年ガイダンス】
売上高:6010~6290万ドル(コンセンサス5973万ドル)

シートリップの第1四半期決算ではレジャーの旅客数が増えていることが確認されました。その一方でシートリップの顧客の多くはビジネス客で、こちらの方は引き続き世界的な景気後退の影響を受けています。またシートリップが受け取る予約サービスの手数料はチケット価格のパーセンテージであり、航空運賃自体が少し安くなっているので予約手数料のレートも下がりました。

2010年の上海万博へは7000万人の来場が予想されており、万博期間も180日とオリンピックより長いことから旅行業界にとっての恩恵はオリンピックより数段大きいと見られます。(注:因みに北京オリンピックの入場券は680万枚で全て売り切れましたが実際の来場数はそれより少なかったと思われます。)現在、シートリップは万博の入場券を扱えるよう、主催者側と交渉中であり、また万博向けのパッケージ・ツアーの企画も準備中です。海外からの上海万博への観光客の訪問はその時点での世界の景気に左右される度合いが大きいので余り期待はしていません。因みに2009年の海外から中国への観光客の訪問はかなり落ち込むと見られています。

ホテルの予約のビジネスの方では地方のエコノミー・ホテルの成長に期待しています。これまでは三ツ星以上のホテルを中心にカバーしてきましたが、エコノミー・ホテルに対する顧客の満足度は高く、地方へのビジネス旅行が増えるにつれてエコノミー・ホテルもちゃんとカバーしないとシートリップの予約サービス全体としての利用価値が落ちるため、それらの新しい市場にも力を入れることにしています。


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