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第165回 インドの政治、経済、企業業績の点検

2009年4月27日

今日のまとめ

  1. インド総選挙はボラティリティー増大の原因となる?
  2. 今年度のインドのGDP成長率は6%程度が予想されている
  3. 企業業績は大体予想を下回っている

今回はインドの政治と経済の置かれた状況、ならびに最近発表されている各社の決算を駆け足でレビューしてみたいと思います。

インド総選挙がはじまる

インドでは4月16日から5年ぶりの下院総選挙がスタートしています。インドは広い国ですし7億人を超える有権者が居るので投票は1か月をかけて実施されます。

ソニア・ガンジー総裁とマンモハン・シン首相の率いるコングレス党(国民会議派)を中心とする与党連合とアドヴァーニ氏率いるBJP(インド人民党)を中心とする野党連合の対決となりますが、両陣営ともに明解な政策提言に欠けています。

さらに過半数を獲得するには273議席が必要となるのですがコングレス党は現在152議席しか占めておらず、過半数を形成するには1000以上も存在すると言われる小さい政党の支援を必要としています。この事情はBJPも同じです。これらの小政党は現在も合従連合を繰り返しており状況は混沌としています。

5月16日の開票を経て6月2日までに速やかに政府が組成できない場合はもう一度選挙のやり直しの可能性もあります。その場合はインド株式市場もかなり荒れる可能性があります。

経済に関する最近のニュース

まず金利の引き下げが続いています。インド準備銀行は去年の10月以来、レポ・レートを通算で4.25%引き下げ4.75%とし、リバース・レポ・レートも2.75%引き下げ3.25%としました。さらに銀行が貸付をする際、一定の割合を中央銀行に預けなければならないとするキャッシュ・リザーブ・レシオも合計4%引き下げられ5%となっています。

次に景気対策ですがインド政府は外人投資家によるインドの社債への投資制限の緩和や39.8億ドルのインフラ整備補正予算などの景気支援策を打ち出しています。現在のインド準備銀行のシナリオでは来年3月までの今年度のGDP成長率は6%が予想されています。これは今年の3月までの昨年度のGDP成長率6.5~6.7%(未だ確定値は発表されていません)より若干鈍化することを意味します。

企業業績に関するニュース

いまインドでは1~3月期の決算発表がたけなわです。ざっと見渡した印象ではネガティブ・サプライズが多いです。個別企業をハイライトすれば:

【マルチ】:乗用車に強いマルチの決算は純利益24.3億ルピーとアナリスト予想の38.7億ルピーを下回りました。原料費の高騰と為替差損が響いています。世界経済の減速で素材価格は既に下がっているのですが同社の決算では仕入コストがタイムラグを伴って上昇したため、商品市況の下落の恩恵に浴せなかったようです。

【リライアンス・インダストリーズ】:コングロマリットのリライアンス・インダストリーズの決算は354.6億ルピーとアナリスト・コンセンサスの364.6億ルピーを下回りました。リライアンスは去年、石油価格が高い時に原油買い付け契約を結んでおり、その後の原油価格の下落が利鞘縮小や在庫評価損の原因となりました。

【ウィプロ】:ウィプロの決算は90.7億ルピーと前年同期比で+4%にとどまりました。欧米の金融機関が引き続き金融危機で不安定な経営状態になっていることから、来期以降の見通しに関しても弱気なコメントをしています。役務単価の値引き、賃上げの凍結を発表しています。顧客数は去年の12月末の436社から今期は427社へと減少しています。

【HDFC銀行】:住宅ローンなどを中心とするHDFC銀行の決算は純利益で63.1億ルピーとアナリスト・コンセンサスの62.9億ルピーを上回りました。去年の同期に比べると+34%成長です。住宅ローンの成長や金利収入の上昇が好決算の原因です。金利収入は去年に比べて+44%成長し、425.1億ルピーとなっています。しかし金利低下局面を受けて貸付利鞘は縮小しています。純金利マージンは4.2%でした。

【ICICI銀行】:ICICI銀行の純利益は74.4億ルピーでアナリスト・コンセンサスの83.4億ルピーを下回りました。同行は現在を経営の地固めのときと捉え、立て直しの施策を次々に打ち出しています。例えばホールセール市場からの資金調達を減らし、小口預金を集めることで預金基盤の安定化を促進しています。融資ポートフォリオには急激な劣化は見られず、所謂、ノン・パフォーミング・アセット比率は安定的に推移しています。

ICICI銀行のネット・ノン・パフォーミング・アセット比率

さらに貸付利鞘と調達利鞘の差額である純金利マージンは上昇しています。

ICICI銀行の純金利マージン

また自己資本比率を示すティア・ワン・キャピタル・レシオも11.8%とインドの銀行の中では最も高い水準を維持しています。

ICICI銀行のティア・ワン・キャピタル・レシオ


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