現在地
ホーム > マーケット情報 > レポート&コメント > 広瀬隆雄「新興国投資情報レポート」 > 第158回 「東欧の通貨危機」

第158回 「東欧の通貨危機」

2009年2月18日

今日のまとめ

  1. ムーディーズが東欧への貸付ポートフォリオの悪化に警鐘を発した
  2. 東欧諸国は外貨建て融資を受けているので通貨安になると返済に困る
  3. 欧州の金融機関に新興国全体の貸付リスクが集中し過ぎている

ムーディーズが東欧に警鐘

2月17日にムーディーズが東欧各国の経済の悪化がそれらの国に貸し込んでいるヨーロッパの銀行の経営を不健全にすると警鐘を発しました。これを受けてヨーロッパの銀行株に不安が走りユーロも軟調な展開となっています。そこで今回はそもそもなぜ東欧が問題になっているのかについて解説します。

東欧ブーム

いまから5年ほど前、新興国が注目されはじめた頃、欧州の投資家や銀行はBRICs(=ブラジル、ロシア、インド、中国)に続く投資先を物色していました。英国などでは不動産価格が高騰していましたから国内ではセカンド・ハウスなどのバケーションならびに投資用物件を買うことがだんだんむずかしくなっていました。ヨーロッパの投資家はスペインをはじめとする地中海沿岸地方の物件を昔から好みましたが、すでにそれらの場所では不動産価格が上昇してしまったため、新しい地域が模索されるようになったのです。折からライアン・エアーのようなディスカウント航空会社のサービスが充実しはじめ、国内旅行の延長のような感覚で東欧に週末に遊びに行くことができるようになりました。このため東欧に不動産の投機ブームが来たのです。

外貨建て融資という誘惑

ヨーロッパの銀行はこのブームに乗じて東欧に積極的に店舗進出し、住宅ローンを提供し始めました。それらのローンの多くは現地通貨建てではなく外貨建てでした。例えばポーランドの住宅ローンの6割はスイス・フラン建てです。東欧の通貨が強含んでいるうちは返済金額が少なくなるのでそれらの外貨建てローンは借り手にとって好都合なのですが、ひとたび自国通貨が急落しはじめると逆に返済金額が雪だるま式に膨れ上がり、返せる筈のローンも返せなくなってしまいます。このため融資の焦げ付きが急増しつつあります。

ヨーロッパの銀行も窮地に

東欧の借り手が借金を返せなくなることは融資をした側であるヨーロッパの金融機関にとっても死活問題になっています。下のグラフは西側銀行の東欧への貸付残高を示したものです。

とりわけ東欧に貸付が多いのはオーストリア、イタリア、ドイツ、フランス、ベルギー、スウェーデンなどの銀行です。

国際通貨基金(IMF)の手にも負えない?

すでにラトビア、ハンガリー、セルビア、ウクライナの各国は国際通貨基金(IMF)から緊急融資を受けています。しかし国際通貨基金の限られた財源では窮状を訴える東欧諸国全てを救うことはできません。東欧諸国の西側からの借り入れ総額は1.7兆ドルと言われており、そのうちの4000億ドルが今年返済期限を迎えます。この借り換えが失敗すると90年代のアジアの通貨危機よりもっとひどいことになると警告を発する関係者も居ます。

東欧以外の新興国へも飛び火する?

一方、東欧諸国よりもっと広く世界の新興国全体で物事を見た場合、4.9兆ドルの貸付が外国金融機関によってなされています。その貸付の74%がヨーロッパの金融機関に集中しているのです。つまり欧州の金融機関が東欧への融資の焦げ付きで痛手を受けるとラテン・アメリカやアジアの新興国へも影響が及ぶ可能性があるわけです。


楽らくサポート

個人確定拠出年金iDeCo

口座をお持ちでない方へ

まずは無料でかんたん

口座開設

口座開設中のお客様

クイック口座開設手続き中のお客様

楽天証券へ資料請求して、今すぐご利用いただけます。

楽天証券資料請求はこちら

今すぐご利用いただけます。

ポートフォリオ一覧を表示

楽天証券にログインしてご利用ください。

楽天証券へログイン

上記より楽天会員にログインしてください。

ポートフォリオ機能とは?

よくあるご質問

お問い合わせランキング

マーケットスピード IIダウンロード

Marketspeedダウンロード

Marketspeed for Macダウンロード

MarketspeedFXダウンロード

投資情報メールサービス「マーケットアロー」

 お友達紹介プログラム

お客様の声をカタチに