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第157回 「ロシアの通貨危機」

2009年2月9日

今日のまとめ

  1. ロシアの通貨危機はいよいよクライマックスを迎えつつある
  2. これまでの経過は「教科書通り」の展開である
  3. 通貨崩落が起こってしまったら株は「買い」

売り圧力を受けるルーブル

ロシアのルーブルが売り圧力にさらされています。下のグラフはロシアの主な貿易相手地域である欧州の通貨、ユーロに対する為替レートを示したものです。チャートが上に行けば行くほどルーブルの価値が下落することを意味します。

ロシア政府は去年の年末にルーブルのレートを徐々に切り下げてゆきたいと発表しました。通貨切り下げは「デバリュエーション」とも呼ばれます。デバリュエーションには一気に切り下げてしまう方法と今回のロシアのようにじりじりと切り下げる方法があります。

投機筋の餌食に

さて、今回のようにじりじりと切り下げるやり方の問題点は政府の意図が余りにも明白なので投機家たちはそれに乗じてルーブルを売りやすいという点にあります。ルーブルの急落を避けるためには中央銀行がある程度買い支えなければいけません。買い支えの原資は外貨準備になりますから買い支えれば支えるほど外貨準備が減るわけです。

2月5日現在のロシアの外貨準備は3881億ドルまで下がりました。ロシアの中央銀行は政策金利を引き上げるとともに通貨の供給量を押さえ込むことでルーブルの「軟着陸」を演出しようとしています。

なお政策金利を吊り上げ、しかも流動性の供給を絞り込むと当然不景気になります。ですからこういう人工的な介入はロシアの経済成長や株式市場にとってはマイナスなのです。

防戦ラインを引いたロシア

さて、先週、ロシア政府は今の為替水準(対ユーロと対ドルをミックスしたバスケットで41の水準)でルーブル安を容認することは止め、この位置で為替相場を安定させたいと発言しました。つまりここからは徹底的に為替介入してルーブルを支えるという宣言です。しかし市場参加者の多くはそういうロシア政府の発表を冷笑し、隙を見て一気にルーブルを突き崩そうと考えています。

デバリュエーションを巡る経験則

さて、ここで一旦、ロシアを離れ、過去のアジアやラテン・アメリカでの通貨危機の経験から、デバリュエーション(通貨切り下げ)の前後にどういう経済現象やマーケットの動きが見られたかをおさらいしておきます:

デバリュエーションが辿る「お定まり」のコース

危機前夜
  1. 輸入成長のペースが早まる
  2. 国内信用創造の成長率が高い
切り下げ前
  1. 外貨準備が減少に転じる
  2. ドル建て輸出額が減少に転じる
  3. 経常収支が悪化する
  4. マネー・サプライ成長が鈍化する
  5. 金利が上昇する
  6. 株価が底値圏に落ちる
切り下げ後
  1. 外貨準備の減少が止まる
  2. 輸出が回復する
  3. 輸入の回復には時間がかかる
  4. 経常収支の回復には時間がかかる
  5. 金利は高止まりする
  6. 企業収益は回復する
  7. 株価は回復する
  8. 失業率は高止まりする
  9. 工業生産は低水準から抜け出せない

これを見ると今回のルーブル危機でも「教科書通り」の出来事が次々起こっていることが確認できます。

今後のシナリオ

さて、ロシアの今後のシナリオですが、若しユーロ+ドル・バスケットで41という、ロシア政府が目指している防戦ラインが維持された場合、その水準を死守しようとする限りロシアの外貨準備は減り続けるしマネー・サプライも増えないのでアク抜けにはなりません。

次にこれは「もしも」のシナリオですが、防戦ラインが投機筋によって打ち破られ、ルーブルが暴落したら(=その瞬間、海外の投資家は為替で大損します)、その後ロシア政府はルーブルを支えることを諦めるでしょう。すると外貨準備を費やし、買い支えすることが無くなるのでもうこれ以上、外貨準備は減りません。またルーブルがすごく安くなるとロシア製品がとても割安になるので輸出は好調になります。また外国製品は「高嶺の花」になり輸入は減少します。企業収益はようやく回復に向かうでしょう。すると株価は出直る事が予想されるのです。

つまり全てが壊れてしまったら、その後で株は一旦、「買い」になるのです。これは過去の通貨危機で何度も繰り返されてきた光景です。但し出動するのは通貨暴落の前ではなく、直後でないといけません。


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