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第153回 インドのITアウトソース業界に統合の嵐が来る?

2009年1月5日

今日のまとめ

  1. サティヤムの経営陣の去就が問題になっている
  2. ITアウトソーシング業界はM&Aが起こりやすい業界である
  3. 厳しい経営環境下、M&Aが重要な企業戦略になる

M&Aの渦中に放り込まれたサティヤム

前々回のレポートでインドのITアウトソーシング企業、サティヤム・コンピュータ(ティッカー:SAY)が企業統治の問題で急落した事件を紹介しました。その後、この事件に新しい展開がありました。同社は12月28日に予定されていた取締役会を1月10日に延期したのです。同社はそれと同時に株価テコ入れのために何ができるかを検討するためメリルリンチをアドバイザーに指名しました。通常、この手の発表は身売りの可能性を仄めかす意図があります。

今回の事件の後で同社の取締役に名を連ねていたインディアン・スクール・オブ・ビジネス(ISB)のM・ラモハン・ラオ学長はサティヤムの取締役を降りると発表しました。さらに他にも2名の取締役が辞任を発表しており1月10日の取締役会はかなり荒れそうです。

ところでサティヤムの創業会長、B・ラマリンガ・ラジュの一族は同社株の8.6%を所有していることになっているのですが、どうやらラジュはその持株を担保に借金していて、今回、サティヤムの株価が下がったので担保不足になったようです。このためお金を貸していた銀行が場で差し押さえた担保のサティヤム株を処分したのではないか?という報道があります。

買収検討に入る企業が後を絶たない

上記のような経緯からB・ラマリンガ・ラジュがサティヤムの経営者として居残る道は極めて険しく、ラジュ一族の持ち株が他の企業に売却される、若しくはサティヤム全体が他の企業の傘下に入る可能性が強まっています。すでに多くの企業がサティヤムの値踏みをしていると伝えられていますが、その中には最近、EDSの買収を完了したばかりのヒューレット・パッカード(ティッカー:HPQ)などの大手も含まれて居ます。また海外の企業だけでなくインド国内のライバルであるウィプロ(WIT)なども食指を動かしていると伝えられています。下のグラフはインドのITアウトソーシング企業の時価総額を比較したものです。

サティヤムの株価は例の建設会社買収の発表を契機に大きく下落したのですが、実は業績見通しが悪いのは他のインドのITアウトソーシング企業も皆同じです。実際、過去3カ月の業績下方修正幅は下のグラフのようにサティヤムが一番小幅です。このことは他のITアウトソース企業にとってサティヤム買収はアクリーティブ、つまりEPSにとってプラスになる可能性が高いことを意味しています。

玉突き的なM&Aの連鎖が起こるか?

先に述べたヒューレット・パッカードによるEDS買収、そして去年の12月に成立したTCS(タタ・コンサルタンシー・サービセズ)によるシティグループ・グローバル・サービセズの買収など、このところITアウトソーシングの業界ではM&Aが続いています。ITアウトソーシング業界ではなぜM&Aが起きやすいのでしょうか?その理由は同業界では長期の役務契約が多いので将来のキャッシュフローが読みやすいことが挙げられます。またひとたびフォーチュン500のような大企業と取引関係ができれば、将来別の色々なサービスを紹介する機会が生まれます。これらのことから買収によりなるべく幅広いサービスを取り揃えた方が事業展開上有利になるのです。さらに事業統合によるコスト削減効果もあります。いまインドのITアウトソーシング企業はどこも売上成長の鈍化に苦しんでいます。そういう環境下で一株当り利益を伸ばす苦肉の策としてM&Aは当然、各社が考える経営戦略だと思います。これらのことから若しサティヤムがどこかに買収されたら、それがきっかけとなって一層インドITアウトソーシング業界の整理統合が進む可能性もあります。


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