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第149回 経済の体質改善はラクじゃない

2008年11月29日

今日のまとめ

  1. 中国経済は第二次産業への依存度が高い
  2. 中国の消費セクターはまだまだ規模が小さい
  3. 中国政府の大型景気テコ入れ策はそれなりに良く練られている
  4. しかし即効性の面からは「箱物」への投資が景気浮揚効果を生みやすい

中国経済の工業部門への依存

中国経済はGDPの中に占める第二次産業の占める比率が極めて高いです。第二次産業とは工業や製造業などを指します。歴史的に見て各国の経済はその成長発展段階の或る時点において高度な工業化を経験し、その後、所得が向上し賃金水準が上昇するとともにだんだん経済の中心がサービス業に代表される第三次産業へと移ってゆく傾向があります。下の図は主要国のGDPに占める第二次産業の比率を過去のレンジ(青色)で示したものです。これを見ると米国、英国、フランス、ドイツ、日本など先進国はいずれも現在、第二次産業比率が最も低くなっていることがわかります。

(出典:CFRブログ、ブラッド・セッサー)

内需、内需と言うけれど・・・

さて、日本がバブルに踊った1980年代はアメリカから「日本は輸出ばっかりじゃなくて、もっと内需を拡大すべきだ」という要求をしばしば受けました。当時は日本も景気が良かったのでどんどん高級ブランドやレジャー産業も普及し、貿易不均衡是正への努力は「それなりにやった」という実感を私のようにその時代を生きてきた人間としては感じます。(ティファニーが日本へ進出し、浦安にディズニーランドができたのはこの頃です。)日本が歩んできた、「いつか来た道」を、いま中国が歩むことが世界から期待されています。とりわけサブプライム問題以降、米国の消費の先行きが怪しくなっているので中国に寄せる世界の期待は並々ならぬものがあります。しかし、この中国内需待望論はどこか間違ってはいないでしょうか?

そもそもソロバンとして無理

中国の消費者にアメリカの凹んだ部分を穴埋めしてもらうという考え方は、そもそもソロバンとして無理だという事を先ず指摘したいと思います。下のグラフは中国と米国の消費がGDPに占める割合からそれぞれの国の消費市場の規模を単純に算出したものです。

いま、米国の消費市場は約845兆円、一方の中国のそれは76兆円です。米国の消費市場は好景気の絶頂のときと、通常の不景気の谷間では大体、4.5%程度スウィングすると言われています。好景気だった2007年から今年、そして来年にかけての消費の落ち込みはまさしくそういうスウィングの例だと思いますが、そこで失われる消費が大体、38兆円と言われているのです。すると「中国に頑張ってもらおう」と言っている間にもすでに中国の全消費の約半分に匹敵する需要が消滅しようとしているわけで、これを中国ひとりに埋め合わせしろというのは土台無理な要求なのです。

大型の景気刺激策はどうか?

中国は11月のはじめに4兆人民元という大型の景気テコ入れ策を発表しました。その中には10項目からなる重点項目が盛り込まれています。それらは今後中国が取り組んでゆかねばならない経済の体質改善を考慮した、よく練られたプランであるような印象を受けました。しかし、投入した予算がどれだけすぐに成果を生むか?という実効性から考えた場合、どうしても重工業や建設業などの第二次産業がいちばん即効性を持っていると言わざるを得ません。なぜならそれらのセクターは固定比率が高く、今回の景気後退でとりわけ需要の減退に苦しんでいますから、新しい刺激策を受けることで景気を浮揚する効果が極めて高いからです。

「箱物」依存型の復興シナリオになりやすい?

もちろん、中国政府は今回の景気刺激策の重点項目の中に環境保全や地方での医療制度・インフラの充実、教育分野への投資など、思慮深い項目を盛り込んでいます。また、雇用創出力の大きいサービス産業への注力も謳われています。しかし目先の投資リターンという点から考えれば、どこかの国がそうであったように所謂、「ハコモノ」に傾倒した財政撒布こそ一番効き目があるのも事実なのです。


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