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第126回 インド株式市場の投資チャンスについて(その3)

2008年4月23日

今日のまとめ

  1. 銀行株の調整はきつかったが内容は決して悪くない
  2. ITアウトソーシングの決算はまちまちと言ったところ
  3. 長期でみた同セクターの成長率の鈍化は顕著

銀行株

最近、インフレ懸念が高まっていることからインド準備銀行は先週キャッシュ・リザーブ・レシオ(CRR)を0.5%引き上げ8%とすると発表しました。インドの株式市場、とりわけ銀行株は今回の引き締めを予期していたのでこのニュースは株価に織り込み済みだと思います。

インドの銀行株は1月の高値からHDFC銀行(ティッカー:HDB)の場合で23%、ICICI銀行(ティッカー:IBN)の場合で39%の調整となっています。これは(1)ICICI銀行がサブプライム絡みの市場の混乱で債券ならびデリバティブ部門が含み損を抱えていると公表したこと、(2)貸付の焦げ付きの増加するのではないかという懸念、(3)融資成長率が鈍化していること、などが原因とされています。

まずICICI銀行の含み損に関してですが同行は直接サブプライム・ローンに関連する投資対象には投資していません。含み損はあくまでも市場全般の混乱が原因です。また含み損の金額は同行の規模から考えれば取るに足らない額です。

貸付の焦げ付きに関してはICICI銀行の場合、融資全体に占めるノン・パフォーミング・ローン(NPL)の比率は3%程度であり、これは去年までの数字より大幅に改善しています。さらに焦げ付きに対する引当金に関しても以前は引き当てが不十分だったのですが最近ではだいぶ改善してきています。

資産内容が良いことで知られているHDFC銀行に関しては融資全体に占めるノン・パフォーミング・ローン(NPL)比率は1.5%に過ぎず、引当金のカバレッジも120%と十分です。

次に融資成長率に関しては去年までの融資成長率が余りに高すぎたのでむしろ今の成長率(ICICI銀行の場合は約20%、HDFC銀行の場合は約25%)の方が安心して見ていられる無理の無い成長率だという気がします。

インドの銀行セクターはインド株式市場のいろいろなセクターの中でとりわけ業績成長率が安定的に推移しています。大体、年率18~20%程度の成長をコンスタントに出せています。このペースは今後も当分変わらないでしょう。

ITアウトソーシング

ITアウトソーシングのセクターは主要銘柄の決算が続々出ているところです。全体の印象としては、まちまちと言ったところだと思います。ただ一部の投資家が懸念していたように「2008年はサブプライム問題の影響を受けてひどい年になる」という懸念はどうやら杞憂に終わったと言えるでしょう。そこで各社の内容を見ると:

インフォシス(ティッカー:INFY)

3月期決算は売上高、EPSともにコンセンサスと同じでした。しかし来期、ならびに今年通年のガイダンスはコンセンサスより少し低くなっています。因みに今年(FY09年)の売上高ガイダンスは49.7~50.5億ドル(約20.2%成長)、EPSガイダンスは$2.31~$2.35です。同社の場合、売上高の約3分の1を銀行などの金融サービス業の顧客に依存しており、サブプライム問題の影響をとりわけ受けやすいと懸念されていました。しかしこのセクターからは今のところキャンセルは1件もありません。顧客のうち上位100社に対して行ったアンケートでは76%から回答が寄せられていますが回答のあった全ての顧客が今年の予算を現状維持か、ないしは拡大しています。しかし回答の無い、今年の予算の策定が遅れている顧客に関しては不確実性を残しているとも言えるでしょう。営業戦略としては顧客の所在する国(例えば米国や欧州)での役務比率をなるべく下げ、その分、コストの安いインドでの役務比率を上昇することによって顧客が倹約できるように提案してゆきたいとしています。この場合、インフォシスにとってはインドでの役務比率が高まると見かけ上売上成長にマイナス要因になります。しかし、逆にマージンという点ではインドにおける役務提供の方がマージンは高いです。従って均してみるとこういう提案をすることは同社の不利益にならないとしています。

ウィプロ(ティッカー:WIT)

3月期決算は売上高、EPSともにコンセンサスと同じでした。ウィプロのIT部門のFY08年通年の売上成長率実績は+18.3%でした。これは他社に比べて低い成長率です。6月期の売上高ガイダンスは買収で新しく加わった部分を除くと前年同期比で+26%成長を見込んでいます。また今年後半にかけてだんだん売上成長が良くなる、所謂、バックエンド・ローデッド型の業績推移を同社は想定しています。なおインフォシスに比べるとウィプロのガイダンスは信頼度が低いと一般に投資家は考えているようです。

サティヤム(ティッカー:SAY)

3月期決算は売上高、EPSともに市場予想を若干下回りました。3月期の売上高成長率は+18.5%とこのところ好調な同社としては意外に伸び悩みました。同社の今年(FY09年)の売上高ガイダンスは+24~26%成長です。6月期の売上成長率は控えめなガイダンスです。それでも6月期の落ち込みはライバルのインフォシスやウィプロよりは軽微です。また他社同様、年後半にかけてだんだん売上高のモメンタムは強まると見ています。

先進国の景気後退という目下の懸念事項をひとまず棚上げしておいて、一歩さがって巨視的にインドのITアウトソーシングの業界全体の成長率を見た場合、やはり2年前くらいまでは楽々年率30~40%近い成長が出せていたのに、最近では上に見たようにそれが20%台に下がってきているのはまぎれもない事実です。勿論、株価の方もそれに呼応する形でこのところずっとダラダラ安が続いています。つまり期待も株価水準も両方ともリーズナブルな水準と考えられ、ホームランをかっ飛ばすというよりはシングル・ヒット狙いのような投資スタンスになるかと思います。


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