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第125回 インド株式市場の投資チャンスについて(その2)

2008年4月9日

今日のまとめ

  1. インドの自動車株は成長の盛りにある
  2. 販売台数は金利に敏感
  3. タタ・モータースの『NANO』が話題に
  4. ジャガー・ランドローバーはタタ・グループの買収戦略を踏襲

自動車業界

インドの自動車業界は急成長の過程にあります。

単純に台数ベースで言うとオートバイが多いのですが、カテゴリーとして重要なのは乗用車と軽商用車ならびに中・大型商用車だと思います。乗用車のマーケット・シェア・リーダーはマルチで市場占有率は54.6%です。第2位は現代自動車で16.8%のシェアです。第3位はタタ・モータース(ティッカー:TTM)でシェアは15.4%です。乗用車市場はこの3社の寡占となっており他のメーカーは余り重要ではありません。また上位3社のマーケット・シェアは比較的安定的に推移しています。軽商用車の市場はタタ・モータースが強く、65.4%のマーケット・シェアを誇っています。第2位はマヒンドラ&マヒンドラで24.3%の占有率です。中・大型商用車の市場ではテルコ(市場占有率62.8%)とアショク・レイランド(同27.9%)が圧倒的に強いです。

インドの自動車市場の特徴

インドの自動車市場を中国のそれと比べた印象としては、中国の場合、実力の拮抗した中途半端な規模のメーカーが乱立し、激しくシェア争いを演じているのに対してインドの市場はメーカーの数が限られている上、先行企業がしっかり基盤を固めてしまっているため、余り劇的な序列の変化は無いということが挙げられます。自動車産業が典型的なスケール・メリットの働くビジネスであることを考えると中国よりインドの競合状況の方が好ましいという風にも言えます。

金利と自動車販売高の関係

一方、インドと中国の自動車業界に共通する点というのもあります。その最たるものは需要が金利に極めて敏感であるという点です。下のグラフは各車種別の販売台数成長率の推移を示したものですが、政策金利の上がり始めた2006年に中・大型商用車、乗用車、SUV(スポーツ多目的車)などの高額な車種を中心に販売台数成長率が落ち込んだことがわかります。

現在のインドの金利を見るとプライム・レートは13%です。インフレ・プレッシャーは未だ残っているのですが、暫くはこの金利水準が維持されると予想されます。インド経済がソフトランディングして金利が下落基調に転ずるとオート・ローンが組みやすくなるという思惑から自動車株が人気になると考えられます。

超低価格車

乗用車のカテゴリーで話題になったのはタタ・モータースが発表した『NANO』だと思います。『NANO』は10万ルピー(約27万円)という超低価格で、新しいマーケット・セグメントを創出しようという試みです。この超低価格車のコンセプトには他社も対抗する商品を企画しはじめており、いずれ新しいカテゴリーとして定着すると思われます。

タタ・モータースのジャガー・ランドローバー買収

タタ・モータースはフォードの傘下にあった英国の名門ブランド、ジャガーならびにランドローバーを23億ドルで買収しました。この買収に関しては「安物のクルマを作っているインドのメーカーがジャガーのような高級ブランドを買収してもイメージを損ねるだけだ」という風に批判的な声が強いです。しかし我々投資家が先ず理解しなければならない点はインドの経営者、とりわけタタ財閥は財務のソロバンの立つ担当者がこの買収を仕掛けているという点だと思います。実際、タタ・グループ企業が過去に行った大型買収としてはタタ・コミュニケーションズ(旧ヴィデッシュ・サンチャ・二ガム)のタイコム(もともとはAT&Tの海底ケーブル事業)買収やタタ・スチールのコーラス(旧ブリティッシュ・スチール)などがあり、いずれの場合も世界的なブルーチップ企業を極めて有利なバーゲン価格で買収しています。つまり純投資として考えた場合でも十分採算に見合う案件にしか手を出していないのです。実際、ジャガー・ランドローバーの場合、フォードの傘下にあった間にフォードは通算で100億ドルに近い設備投資をこの部門に投下しています。

買収のタイミングに関する考察

もうひとつの特筆すべき点は今回の買収がジャガーの新製品サイクルとちょうどタイミング的に合致している点だと思います。『ジャガーXF』という新しいモデルはちょうどショールームに並び始めたタイミングです。フォードはすでにリストラにより2004年から2006年にかけてフォード・ランドローバーの従業員の17%を削減済みであり、この面でもタタ・モータースがやらなければいけない仕事は限られていると思います。買収時期に関しての投資家の懸念としてはこれから先進国経済が景気後退局面に入っていく過程にあり、高級車の売り上げは景気敏感なので業績悪化が心配されるという点が挙げられます。

その他の懸念材料

またジャガー・ランドローバー部門がタタ・モータースの全社売り上げの5割にも上る計算になるので純粋なインド株としての性格が失われると見る投資家もいます。加えてタタ・モータースの乗用車部門の主力ブランドである『インディカ』は登場以来10年を数える古い商品ラインであり、フルモデルチェンジが必要です。その設備投資費用をどう捻出するのかが懸念されています。


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