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第121回 イスラエルの株式市場

2008年3月10日

今日のまとめ

  1. イスラエル株は妥当な水準である
  2. イスラエル株の多くはナスダックに上場されている
  3. イスラエル株は最近のブームから外れているので新鮮味がある
  4. 世界を相手に商売しているグローバル企業が多い

割安なイスラエル市場

イスラエル市場の現在のPERは11.3倍で、これは新興国の中ではタイランドに次いで低いです。

次にイスラエルの今年のEPS成長率は13%が見込まれておりこれは新興国の中ではちょうど中くらいです。2007年のEPS成長率は16%だったので成長率の落ち込みは他国に比べると少ないです。

PERをEPS成長率で割った、所謂、PEGレシオで見ればイスラエルは0.87と新興国の中では中位に位置づけています。PEGレシオが1以下であるということは同国の株価水準が適正であるということを示していると思います。

テルアビブ取引所

イスラエルの株式市場はテルアビブ取引所です。テルアビブ証券取引所は1935年に創設されました。上場企業数は650で時価総額はおよそ2000億ドルです。イスラエル株の少なからぬ銘柄はアメリカの株式市場にも上場されており、特にナスダックとの結びつきが強いです。これはイスラエル企業にはハイテクや薬品企業が多いこととも関係しています。現在ナスダックに上場されているイスラエル企業は70社を数え、その時価総額の合計は約600億ドルです。それらのナスダック上場イスラエル銘柄の多くはテルアビブ取引所にも同時上場されています。下に比較的流動性の高い銘柄のリストを掲げます。

銘柄名 ティッカー 業務内容
スマイル・コミュニケーションズ SMLC ブロードバンドおよびボイス・サービス
アラジン・ナリッジ・システムズ ALDN デジタル版権保護
アルヴァリオン ALVR ワイヤレス・ブロードバンド・システム
オーディオ・コーズ AUDC VoIPパケット・プロセッサー
セルコム CEL 携帯電話会社
セラゴン CRNT ギガビット・イーサネット・バックボーン
チェックポイント・ソフトウエア CHKP インターネット・セキュリティー・システム
メラノックス MLNX インフィニバンド・チップ
ネス・テクノロジーズ NSTC ITアウトソーシング
ナイス・システムズ NICE 電話システム
パートナー・コミュニケーションズ PTNR 携帯電話会社
シネロン・メディカル ELOS 医療機器
テバ・ファーマシューティカル TEVA 薬品

これらのイスラエル企業の多くはこれまで人気になってきた新興国の投資テーマ、具体的には商品ブームやインフラストラクチャー投資などとは縁遠いです。それはこれらの銘柄が余り注目されておらず、新鮮味があることを意味すると思います。バリュエーション的にも割安感の強い銘柄が多いです。イスラエルは国土が狭いため、イスラエル企業ははじめから世界を相手に商売しようという気概が強く、米国流の企業統治や企業風土をいちはやく取り入れているところが多いです。アメリカで取引されているこれらの銘柄のうち、上場してからの歴史が比較的長く、かつ今のイスラエルを代表する銘柄を紹介します。

アラジン・ナリッジ・システムズ(ALDN)

アラジン・ナリッジ・シズテムズ(ALDN)はソフトウエアの著作権を保護するシステム(商品名『HASP』)を作っています。また、同社はネットワークのユーザーを認証し、特定のユーザーだけが保護されたサイトにアクセス出来るようなシステム(商品名『イー・トークン』および『イー・セイフ』)を作っています。同社のソフトウエア著作権保護システムならびにユーザー認証システムはUBS(ユニバーサル・シリアル・バス)トークンなどのハードウエアに基づいた商品です。ソフトウエアの著作権保護システムの市場は1.7億ドル程度の市場で、年率10%程度で成長しています。アラジンは約37%の市場占有率を有しておりマーケット・シェア・リーダーです。一方、USBによるユーザー認証システムの市場は1.4億ドル市場で、近年個人情報の漏洩防止などのニーズの高まりから年率40%程度と高成長しています。この市場ではアラジンは20%程度のマーケット・シェアを持っており、セイフネットに次いで業界第2位です。『イー・トークン』は警察などの政府機関、教育機関、金融機関などに導入されています。また、今後は中国やインドなどの新興国でも需要の伸びが期待できます。現在の売上構成比は著作権保護システムが約6割、ユーザー認証システム(エンタープライズ・セキュリティー、この中には『イー・セイフ』を含む)が4割となっています。

アラジンの売上高成長は2004年あたりを境に成長率が上がっていますが、これは『イー・トークン』の貢献によるところが大きいです。

アラジンの今年のガイダンスは売上高が19.8%成長、EPSが18.6%成長となっています。

チェックポイント・ソフトウエア(CHKP)

チェックポイント・ソフトウエア(CHKP)はインターネットのファイアウォールならびにVPN(バーチャル・プライベート・ネットワーク)のソフトウエアの会社です。同社は企業向けITセキュリティーのみに特化しています。現在の顧客数は10万社で、「フォーチュン100」にランクインしている企業の100%、「フォーチュン500」の企業の98%を顧客としています。つまりこの分野ではすでに確固とした地位を築いているわけです。同社は単価にして 150ドル程度のスモール・オフィス向けのソリューションから大企業向けのブレード・サーバーに基づく本格的なシステムまで幅広い品揃えを誇っています。さらに去年からアプライアンスと呼ばれるハードウエア製品も発売しました。アプライアンスの登場によって同社のビジネス・モデル、ソフトウエア契約の形態、売上計上タイミングなどは微妙に変化しています。さて、チェックポイントの業績は先に述べたアラジンと同様、最近好調です。それはデータ・セキュリティーの市場の成長が原因です。ネットワーク・セキュリティー市場全体は年間8~10%でしか成長していませんが、データ・セキュリティーのセグメントだけは年間30~40%で急成長しているからです。第4四半期の売上高成長は29%と好調でした。これは新製品のアプライアンスの売上が貢献しているためです。同社のバランスシートには12億ドルのキャッシュが載っており、負債はありません。さらに年間3.6億ドルの営業キャッシュ・フローがあります。今年の売上、EPSともに約10%程度の成長が見込まれています。

ナイス・システムズ(NICE)

ナイス・システムズ(NICE)はコール・センター管理システムを作っている会社です。具体的にはコール・センターに電話や電子メールやビデオで入ってくる情報を追跡、記録、管理、再生、分析することを可能にするシステムを作っています。さらに同社は公安関係のセキュリティー監視システムも作っています。顧客別では売上の75%が企業向け、25%が政府や治安当局などの公的機関です。企業向け顧客の典型的な使用例としてはコール・センター、トレーディング・ルーム、リモート・オフィスなどが挙げられます。地域別では米国が総売上高の55%を占めています。また売上に占めるハードウエア・ソフトウエアなどの製品が6割、サービスやメインテナンスなどの継続的支援から来る売上が4割です。SOX法のような法規制は同社の製品へのニーズを喚起します。またリスク・マネージメントも最近は重要度を増しています。例えば最近、ソシエテ・ジェネラルでトレーディングの不祥事があり、トレーディング・ルームのモニター・システムの重要性が再認識されました。同社の製品は従業員の不正の発見、防止にも活用されています。これらのことから現在 ナイス・システムズの受注残は過去最高の水準であり、今年の売上の半分はすでに確定しています。しかし不透明要因としてはサブプライム問題で米国の金融機関の経営が苦しくなっており、今後、設備投資を絞り込む会社が出てくる可能性がある点です。

テバ・ファーマシューティカルズ(TEVA)

テバ・ファーマシューティカルズ(TEVA)はジェネリック薬、API(アクティブ・ファーマシューティカル・イングリーディエンツ)、ニッチ・ブランド薬などを作っている製薬会社です。売上規模で世界の薬品メーカーのトップ20に入っています。地域別の売上構成比は米国が約60%、欧州が25%、残りが世界のその他の国となっています。同社にとって米国の薬品市場が最も重要度が高いわけですが、米国のジェネリック市場は過去5年、年率31%で成長しており、世界の中でもとりわけジェネリック化が進んでいます。現在米国で売られている全ての薬の数量ベースでは63%、金額ベースでは16%がジェネリックになっています。この中にあってテバは処方箋の数量ベースではすでにファイザーなどの大手製薬会社を抜いて全米第1位になっています。別の角度から見れば北米の全ての処方薬の12%、ジェネリック薬の処方の20%が同社製品でした。米国のジェネリック市場の向う5年間の年率成長予想は15%程度です。

欧州市場は過去5年間に年率33%程度で成長しました。向う5年間の成長率は年率19%程度と予想されています。欧州の中でもイタリア、スペイン、フランスのジェネリック市場の成長が著しいです。その他の世界におけるジェネリック薬の成長率は過去5年で年率42%でした。向う5年間の成長率は21%程度だと予想されています。中でも日本とブラジルのジェネリック市場は急成長が期待されています。同社の経営目標としては2012年までに売上高を200億ドルにするというものです。因みに2007年の同社の売上高実績は94億ドルでした。


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