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第117回 メキシコの株式市場(その2)

2008年2月4日

今日のまとめ

  1. コカ・コーラ・フェムサのビジネスは景気後退に強い
  2. イカの受注残は過去最高水準
  3. ホーメックスは持ち家奨励政策の恩恵を蒙る
  4. 空港管理会社の株は景気後退による旅客数の減少に注意

前回に続いてメキシコの代表的なADRを紹介してゆきます。

コカ・コーラ・フェムサ(KOF)

同社はラテン・アメリカを中心とするコカ・コーラのボトラーです。コカ・コーラのボトラーとしては世界第2位の規模です。同社はメキシコを代表する飲料の企業、フェムサと米国のコカ・コーラの合弁企業で1979年に創業されました。

ニューヨーク証券取引所への上場は1993年と比較的古く、このためアメリカの投資家にも馴染みのある銘柄となっています。2003年にはライバルのパナメリカン・ベバレッジ社を買収し南米最大のコカ・コーラのボトラーとなりました。同社は「コカ・コーラ」の他にも「ファンタ」、「リフト」などのブランドのソフトドリンクを販売しています。国別の出荷量は下のグラフのようになっており、過去4年間の平均年間成長率は4.1%です。国別ではベネズエラ、アルゼンチン、ブラジルが最も急激な成長を見ています。

同社の業績は清涼飲料のボトリングという比較的ディフェンシブ(景気変動に強い)な性格を反映して安定的に推移しています。過去10年間の年率平均EBITDA(税・償却・利払い前利益)は17%程度で成長しています。

このためパナメリカン社を買収したときに背負い込んだ負債も順調に返済中であり、2003年の時点で28億ドルあった負債は現在18億ドルまで圧縮されています。

イカ(ICA)

イカはメキシコを代表する建設・エンジニアリング会社です。同社は道路建設や土木工事に加えて米国のフルアー(FLR)社とのジョイント・ベンチャーによるエンジニアリング部門を抱えています。さらに住宅建設や空港の建設ならびに運営管理を行っています。カルデロン政権はインフラストラクチャー整備を政策の目玉に据えており、向う5年間に2350億ドルにものぼるプロジェクトを計画しています。これはメキシコとしては異例の高水準の公共投資額です。具体的には水力発電所、高速道路、空港などの建設がそれです。このため同社のバックログ(受注残)は過去最高の水準に達しています。

歴史的にイカは建設やエンジニアリングに特化していたのですが、最近では有料道路や空港のコンセッション(運営管理)のビジネスに力を入れています。これは安定的な通行料金や空港使用料の収入の割合が増えることで、これまでの同社の業績の特徴であった好況・不況時の売上高激増・激減をある程度、均す効果をもたらすと期待されます。反面、自社のバランスシートを積極的に活用したこれらのコンセッション事業は資本市場の環境が急変した場合、思わぬ資金繰りリスクを招くことになりかねません。

同社の負債は外貨建てが30%です。一方、同社の収入は外貨建てが33%であり、収入の通貨と負債の通貨のマッチングはきちんと出来ています。

ホーメックス(HXM)

ホーメックスは1989年に創業されたメキシコ最大の宅建業者です。同社は廉価な一戸建て住宅を専門としています。米国屈指の不動産投資家、サム・ゼルが出資していることから米国の投資家にも知られています。メキシコの人口のうち6割は30歳以下であり今後住宅を購入する必要のある国民は多いです。また現在、メキシコでは年間約65万世帯の住宅が新規に必要になると試算されています。メキシコでは近年の金利の低下で住宅ローンを組める消費者の数が激増しました。これを反映して住宅ローン承認件数も順調に伸びています。

メキシコの住宅ローン市場はアメリカのように証券化に依存していませんのでサブプライム問題に絡む証券化市場の機能不全の悪影響は軽微です。カルデロン政権は国民の持ち家促進を政策の柱にしており、同政権の打ち出した持ち家奨励プランで新たに100万世帯が住宅取得可能になると試算されています。ホーメックスはローン審査がおりて、手付金を払った住宅購入希望者からの注文だけに応じて建設を始めるという極めて保守的な方針を堅持しています。また、建設手順の標準化、規格化を通じて低コスト化、建設作業の効率化を徹底的に追求しています。今年の売上成長ガイダンスは+16~18%、EBITDA(利払い、税金、償却前利益)マージンのガイダンスは24~25%です。

メキシコの空港管理会社株

メキシコのADRとしてギャップ(PAC)、アスール(ASR)、オーマ(OMAB)という3つの空港管理会社の株式がアメリカの株式市場に上場されています。このうちギャップはグアダラハラ、プエルト・バジャルタ、ティファナ、ロス・カボスを中心とした太平洋側の空港のコンセッションを所有しています。年間の利用客は約2000万人です。アスールはカンクン、コスメル、オアハカなどのメキシコ湾沿岸の空港のコンセッションを所有しており、年間の利用客は約1400万人です。オーマはモンタレー、アカプルコなどのコンセッションを所有しており、年間1200万人の利用者があります。メキシコの旅客数は年間13%程度で成長しています。成長の原動力になっているのは安売り航空会社の進出です。但し旅客数の伸びは景気に比較的敏感であるため、このところの米国経済の減速には十分気をつける必要があると思われます。またジェット燃料の高騰で航空会社の運航費用が高騰していることも懸念材料のひとつです。メキシコの空港管理会社を巡る中期での材料としてはメキシコ・シティーに第二の国際空港が近く建設される可能性が高い点です。このコンセッションが近く入札にかけられるという憶測もあり、これが具体化すれば各空港管理会社も積極的に応札するものと思われます。


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