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2016年10月6日

第471回 「ドル/円は三角保合の上値抵抗線をブレイク!・10月相場の押し目は買い場か?」

ドル/円は三角保合の上値抵抗線をブレイク!投機筋はドル買い出動

先週のレポートで、「ここで投機筋が注目しているのは、ドル/円(日足)相場の三角保合離れだ。ダマシとなることも多い<トレンドラインのブレイク>だが、それでも上値抵抗線のブレイクが起きれば、運用者の多くはストップを置いて保合離れ相場に参戦する姿勢をみせている。上値抵抗線をブレイクできるかに注目したい」と書いたが、ドル/円の日足は10月4日に102円付近を走っていた上値抵抗線をブレイクし、現在、103円66銭までの上昇を記録している。この水準は7月高値111円43銭から7月安値99円.00銭までの下げ幅の38.2%戻しレベルだが、9月2日高値104円30銭を上抜ければ、半値戻しの105円レベルまでのリバウンドがあってもおかしくない。

ドル/円(日足) 三角保合の上値抵抗線をブレイク!投機筋はドル買いで相場参入

(出所:石原順)

円安を受けて日経平均も17,000円付近まで上昇

ドル/円相場が円安に振れているのを好感して、日経平均も素直に上昇相場に転じている。17,000円の節目を超えることが出来れば、25日エンベロープ+5%乖離水準までの上昇も期待できるだろう。この17,000円付近は正念場だ。

日経平均先物(日足) 転換点売買のシグナル(買い=赤 売り=青)
上段:25日エンベロープ±5%(青)・±10%(赤)
下段:14日修正平均ADX(青)

(出所:石原順)

米10年国債金利の上昇とISM景況感指数の改善

ドル/円が買われているのは、米国の大手証券が相次いで「米10年国債が2%を目指す」という金利上昇レポートを出して、米10年国債の金利が上昇しているからである。加えて、悪化していた米国のISM景況感指数が大きく持ち直したことも大きい。

米10年国債金利(日足) 10年債金利は2%を目指すのか・・?
上段:14日修正平均ADX(赤)・26日標準偏差ボラティリティ(青)
下段:21日ボリンジャーバンド±1シグマ(緑)・±2シグマ(赤)

(出所:石原順)

米国のISM景況感指数の推移(2000年~2016年)

(出所:石原順)

OPECが8年ぶりの減産で原油価格上昇

OPEC(石油輸出国機構)は、9月28日(水)、臨時総会を開催し、市場の予想に反して、加盟14カ国の原油生産量を日量3,250万~3,300万バレルに制限することで一転、合意した。 実際には、2016年11月の総会で具体的な内容を詰めるというスケジュールなので、それがどうなるかは不明である。しかし、原油価格下落による国家財政の悪化で、サウジアラビアは公務員給与削減など追い込まれている。サウジアラビアはシェールオイル潰しをやっている間に、自分の尻に火がついてしまったようだ。

原油価格の上昇でリスクオンになるのは今年1~2月の相場急落がオイルマネーの売りであったこと、原油価格の下落が新興国の景気を悪化させ、それが世界経済の足かせになっているという発想からであろう。いずれにせよ、サウジアラビアが減産に熱心と報道されており、上値切り下げパターンの崩れたNY原油の先物価格は、テクニカルには50ドル台半ばまでのリバウンドも噂されている。

NY原油先物(日足)(転換点売買のシグナル(買い=赤 売り=青)
上段:13日エンベロープ±3%(青)・±10%(赤)
下段:3日修正平均ADX(青)

(出所:石原順)

ラリーTV 原油(日足) 短期的な上げ基調に転じた?

(出所:ラリー・ウィリアムズの週刊マーケット分析(ラリーTV)10月3日放送分)

英ポンドが31年ぶり安値、FTSE100指数は1年4カ月ぶりの7,000台乗せ

リスクオン的な相場展開となっている株式相場だが、株式相場の上昇は英国株が牽引している。ブレグジット(Brexit)以降の緩和路線で、直近のポンド/ドルは31年ぶり安値を更新しており、英国は通貨安を好感した株高が進行中である。

ポンド/ドル(日足)のフィルター付き逆張り売買シグナル
<200日移動平均線の下に相場がある時は押し目買いをしない、逆に200日移動平均線の上に相場がある時は戻り売りをしない>というルールに基づいて、ストキャスティクス5.3.3(ストキャスティクスの考案者であるレーンのオリジナルのパラメータ)のシグナルを点灯させている
上段:200日EMA(緑)・52日ボリンジャーバンド±2シグマ(赤)
下段:ストキャスティクス5.3.3

(出所:石原順)

FTSE100先物(日足)のフィルター付き逆張り売買シグナル
<200日移動平均線の下に相場がある時は押し目買いをしない、逆に200日移動平均線の上に相場がある時は戻り売りをしない>というルールに基づいて、ストキャスティクス5.3.3(ストキャスティクスの考案者であるレーンのオリジナルのパラメータ)のシグナルを点灯させている
上段:200日EMA(緑)・52日ボリンジャーバンド±2シグマ(赤)
下段:ストキャスティクス5.3.3

(出所:石原順)

ドイツ銀行問題も小休止

「世界秩序の転換が既に明白化している。欧州においてはドイツが力を増し、ドイツ周辺にはドイツシステムが形作られ、それは既に膨大な物質的・人的リソースを手にしている-

ドイツの切り札は、コンパクトな、歴史的に工業生産と戦争に特化したドイツ民族の持つ恐ろしいほどの生命力である。人間的価値観、家族および社会構成といった面で、ドイツは、米国その他のアングロサクソン国家と根本的に異なっている。両者の衝突は不可避である」と、『「ドイツ帝国」が世界を破滅させる』の著者エマニュエル・トッドは指摘しているが、ここにきて騒がしくなっているドイツ銀問題はVW問題に始まった強すぎる<ドイツ包囲網>の一環であるとの観測も多い。チャートを見ればわかるが、ドイツ銀行の問題は今に始まったことではない。

現在騒がれている賠償金問題でドイツ銀行が破綻することはないだろう。せいぜい、ドイツの銀行業界再編くらいのネタである。問題はドイツ銀行が持っているデリバティブは世界最大の75兆ドル(約8,000兆円)の方で、デリバティブの想定元本ベースの数字とはいえ、ポジションが大きすぎるとの指摘は多い。ファンドの運用者の多くが、ドイツ銀のデリバティブポジションの大きさは、「1996年6月に合併・吸収したバンカーズトラスト(世界一リスクを取る銀行と呼ばれた)の遺伝子の影響もある」と語っている。ドイツ銀行に限らず、欧州の金融機関の多くは、リーマン危機時に発生した損失飛ばしが噂されている。

ドイツ銀行(日足) 投機筋はドイツ銀行の売買に群がっている
上段:14日修正平均ADX(赤)・26日標準偏差ボラティリティ(青)
中段:21日ボリンジャーバンド±1シグマ(緑)
下段:出来高

(出所:石原順)

ドイツ銀行は米司法当局から、MBSの不正販売を問われ、140億ドル(1兆4千億円)の支払いを求められていたが、この値段はネゴシエーション(交渉)でいくらでも下がる類のものだ。先週金曜日の取引では、「140億ドルという米司法省から要求されていた和解金は最終的に54億ドルに減額される」というAFP発信の観測記事によって、ドイツ銀行の株価は14.%の大幅上昇となった。

ドイツのメルケル首相はドイツ銀行への支援を拒否したと報道されたが、税金で銀行を救済するということを発表しにくい選挙事情を抱えているからであり、実際にドイツ銀行が危なくなればドイツ政府はためらわずドイツ銀行に資金注入して救済するだろう。そうしないと、リーマンショックの二の舞になってしまうからだ。金融不安が起こって株が下がると、トランプが米大統領選挙戦で有利になる。欧州の金融不安は米大統領選にも影響を与えるので、今後もドイツ銀株の乱高下にマーケットが揺さぶられる可能性には留意したい。

米雇用統計と2回目の米大統領討論会

今週の材料としては、週末に予定されている米雇用統計に市場の注目が集まりそうだ。現在の非農業部門就業者数に関する市場のコンセンサスは17.4万人増となっている。年内利上げに影響するイベントとなっており、数字によっては相場の現在のトレンドが変わってしまう可能性がある。同時にボラティリティの上昇には注意が必要だ。また、10月9日には米国で第2回米大統領討論会が行われる。トランプ陣営の巻き返しがファンド勢からは警戒されている。

米雇用統計の推移(2000年~2016年) 非農業部門就業者数に関する市場のコンセンサスは17.4万人増

(出所:石原順)

「10月末買い・翌年4月末売り」という株式投資の王道

さて、筆者が毎年行っている<10月末買い>の季節がやってきた。日経新聞の前田昌孝編集委員の指摘では、「10月下旬は株式を買うタイミングだ。1950年1月から2015年9月までの日経平均の月別のリターンをもとに、株価が1年間でどのように推移するかを調べると、1~4月末に値上がりした後、10月末にかけてほぼ横ばいで推移し、11~12月末に再び値上がりするパターンが読み取れる。年間値上がり率11.40%のうち9.52%を10月末から翌年4月末までに稼ぐというのが過去65年間の平均像だ。6カ月間の投資をした場合のリターンは10月末スタートが9.46%と最も高く、4月末スタートが1.77%と最も低い。つまり、10月末のハロウィーンのころに日経平均を買い、4月末に売却するのが最も効率がいい」という。

株が下がりやすい月というのは「5月」・「9月」・「10月」である。そこが逆張りの買い場となるが、半年程度保有する場合、「5月の買い」は9月・10月の下げ相場に巻き込まれてしまう。したがって、運用成績の落ち込み(ドローダウン)を避けて投資するには「10月末買いの4月末の売り」が消去法で残ることになる。

株式相場やクロス円相場は急落時にボラティリティ(変動率)が上昇しやすく、上昇および横這い相場ではボラティリティ(変動率)は低下していく。株式投資と豪ドル/円投資に関してあまり好ましくない現象は、ボラティリティの上昇である。株式市場のボラティリティが上がりやすい月は「9月」・「10月」である。この9月~10月のリスク商品の押し目は半年間という中期投資の買い場となりやすい。

長年の統計的な優位性という意味では、「株式投資の始まりは10月末」である。「10月末買い・4月末売り」という投資をするのに(リスクを取るのに)ふさわしい半年間が始まろうとしている。

日経平均(月足) 「10月末買い・翌年4月末売り」のパフォーマンス

(出所:石原順)

NYダウ(月足) 「10月末買い・翌年4月末売り」のパフォーマンス

(出所:石原順)

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日々の相場動向についてはブログ『石原順の日々の泡』を参照されたい。

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石原順

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海外のヘッジファンドを運用する現役のファンドマネジャーが、相場の周期および変動率を利用した独自のトレンド分析や海外情報ネットワークを利用した「生」の情報を提供いたします。

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