現在地
ホーム > マーケット情報 > レポート・コラム&コメント > FX > 石原順「外為市場アウトルック」 > 第415回 「カジノ相場の到来と30年近く相場をやってわかったこと」
投資情報メディア「トウシル」が7月末オープン予定!レポート・コラムの最新記事はこちらでご覧いただけるようになります。

「外為市場アウトルック」一覧へ

2015年9月3日

第415回 「カジノ相場の到来と30年近く相場をやってわかったこと」

逆張りの買いシグナルが点灯しない

9月1日、債券の帝王と呼ばれるジャナス・キャピタル・グループのビル・グロスは、「マーケットは資本主義のために必要なレベルをはるかに超えてカジノのようになっている。1時間後に価格が1、2、3%...も変動するような時に、誰が売り買いするものか?」 とツイートした。

債券の帝王ビル・グロスのツイート

(出所:ジャナスキャピタル ツイッター)

筆者の経験から言えば、ボラティリティ(相場変動率)レベルが高い局面は、リスク/リターン比が合わないことが多い。今の相場は下げもきついが、リバウンドもそれなりの大きさになる。中途半端に売買していると、ジェットコースター相場に巻き込まれて翻弄されてしまう。日経平均が1000円下げても500円くらいは簡単に戻る空中戦相場なのだ。売っても買ってもリターンを得るのに大きなリスクをとる必要があるということである。

8月の強烈な下げで、NYダウも日経平均もすでにエンベロープやストキャスティクスの逆張り水準を下抜けたりしている。しかし、相場の潮目が変わり<本格的な売りトレンド>が発生しているため、筆者の見ているストキャスティクスの売買シグナルも「買いシグナル」が点灯しない状況となっている。

NYダウ(日足) 大幅に下落したが、ストキャスティクスの「買いシグナル」が点灯しない状況
上段:18日エンベロープ±3%(赤)・±1%(青)
下段:ストキャスティクス5.3.3

(出所:石原順)

日経平均(日足) 大幅に下落したが、ストキャスティクスの「買いシグナル」が点灯しない状況
上段:25日エンベロープ±5%(赤)・±10%(青)
下段:ストキャスティクス5.3.3

(出所:石原順)

ドル/円(日足)
上段:13日エンベロープ ±1%(青)・±2%(赤)・±3%(緑)・26日標準偏差ボラティリティ(紫)
下段:ストキャスティクス5.3.3

(出所:石原順)

相場で一番大切なのは<防御>

筆者の相場と関わってから30年近い時間が経過した。当時のファンドマネージャーや運用者の多くが、相場の世界から去っていった。それは、現在のようなボラティリティ・レベルの高い局面や、テール・リスクが到来する確率の高い局面で過剰なポジションを取り、マーケットから追い出されてしまったからである。

30年近く相場をやってわかったことは、相場で一番大切なのは<防御>で、具体的にはストップロス注文を置くという単純なことだった。加えて言うと、危ない局面は<休むも相場>で、様子見に徹するということである。

上海総合指数(日足) 売りシグナル点灯中 9月3~6日は「抗日戦争勝利記念日」絡みで休場に・・。8月25日に利下げ(0.25%)と預金準備率の引き下げ(0.5%)を同時に行ったが、市場は反応薄・・
上段:26日標準偏差ボラティリティ(青)
下段:21日ボリンジャーバンド±0.6シグマ(緑)

(出所:石原順)

日経平均(日足) 売りシグナル点灯中
上段:26日標準偏差ボラティリティ(青)
下段:21日ボリンジャーバンド±0.6シグマ(緑)

(出所:石原順)

ドル/円(日足) ドル売りシグナル点灯中
上段:26日標準偏差ボラティリティ(青)
下段:21日ボリンジャーバンド±1シグマ(緑)

(出所:石原順)

8月20日の時点で14だった日経平均のボラティリティは、9月1日には39まで跳ね上がっている。この尋常でない高さのボラティリティ・レベルの相場環境では、別途、<分散>の効いたポートフォリオを持っているか、資産管理上のストップを徹底しない限り、「売ってやられ・買ってやられ」という結果になりかねない。大きな損失を避けたいのであれば、ボラティリティが落ち着くのを待つべきだろう。

ARIMA (自己回帰和分移動平均)モデルを使った日経平均の売買シグナルとボラティリティ・レベル
8月20日の時点で14だったボラティリティが9月1日には39まで跳ね上がっている
≪ARIMAモデルによって<効率的市場仮説>の検証を行うと、市場には非効率部分(=トレンド)が存在することが証明されている。ARIMAモデルを応用したトレードシステムは、これまで長期にわたって優秀なパフォーマンスをあげているが、日本ではほとんど知られていない≫

(出所:石原順)

毎年、買い場は9月~10月に到来する?

危機が起こっても起こらなくても、結局、株は毎年の循環(10月末買い・4月売り)で動いている。現在の下げは、それに株の天井7年サイクルが影響を与えているのだろう。この点は留意しなければならないが、おそらく、例年通り9月~10月の秋相場で買い場が到来するだろう。それまでは、デフェンシブに資産管理を徹底して相場に臨みたい。

NYダウ(月足)10月末買い・4月末売り

(出所:石原順)

日経平均(月足)10月末買い・4月末売り

(出所:石原順)

NYダウ(月足)と米国の景気後退期(水色)
元米財務長官のローレンス・サマーズは、「1997年、1998年、2007年、そして2008年のように、私たちは非常に深刻な状況の始まりにいる可能性がある」と8月25日にツイート。ジム・ロジャースは「米国の歴史を振り返ると、経済の減速が4年または7年おきに起きている。株式市場に問題が起きてから既に6、7年経つから、そろそろ問題が起きる頃だ」と述べている

(出所:石原順)

相場で一番重要なことはゲームに生き残ること

「驚きが発生した時に、株式や特に債券の再評価は急激で劇的になりうる。同じ混雑した取引に捕まった全てのひとは、我れ先へと出口へと向かう必要がでる。これまでと反対方向への群れる行動が発生する。だが、多くの投資は流動性に欠けるファンドへの投資であったり、乱高下を円滑にしてきた伝統的なマーケット・メーカーはどこにも見当たらなくなる。したがって、売り手は投げ売りをせざるを得なくなる。このマクロ流動性と市場の非流動性との組み合わせはひとつの時限爆弾である」と、ニューヨーク大学のヌリエル・ルービニ教授が指摘する<市場の非流動性リスク>相場が現在到来している。

相場は生き残りを賭けたゲームである。相場で一番重要なことは、ゲームに生き残ることだ。時間はわれわれの味方である。王道に沿った運用を続けていれば、相場で成功することは可能であろう。しかし、それも、資産管理を徹底して相場をそこまで続けていることが大前提となる。

「株式投資の答えはもう出ている!?」 楽天証券WEBセミナー

「株式投資の答えはもう出ている!?」 楽天証券WEBセミナー

マーケットが大荒れの中、石原順氏による緊急ウェブセミナー(8月26日撮り)を公開いたしました。このマーケット環境下、短期から中長期までの投資戦略を70分びっしりと解説しております。ぜひ、ご覧ください。

今年も株は毎年の循環(10月末買い・4月売り)通りに動いています。いまの下げは、それに株の天井7年サイクルが影響を与えています。株の循環については、DVD『相場で道をひらく7つの戦略 標準偏差ボラティリティトレード』で、説明しています。興味のある方は、ぜひご購入ください。

『DVD 相場で道をひらく7つの戦略 ──標準偏差ボラティリティトレード』(石原順) の販売が楽天ブックスで発売中です。

日々の相場動向についてはブログ『石原順の日々の泡』を参照されたい。

本資料は情報提供を目的としており、投資等の勧誘目的で作成したものではありません。お客様ご自身で投資の最終決定をおこなってください。本資料の内容は、弊社が信頼できると判断した情報源から入手・編集したものですが、その情報源の確実性まで保証するものではありません。なお、本資料の内容は、予告なしに変更することがあります。

石原順

「外為市場アウトルック」

海外のヘッジファンドを運用する現役のファンドマネジャーが、相場の周期および変動率を利用した独自のトレンド分析や海外情報ネットワークを利用した「生」の情報を提供いたします。

新着レポート

山崎俊輔

投資信託 2017/07/25

分からないことを認める勇気と、分からないことがある場合の投資方法について

山崎俊輔「『なんとなく』から卒業!実践・資産形成術」

出島昇

国内株式 2017/07/25

今週は、ドル売り要因多く、日経平均の上値は重い

出島昇「柴田罫線をベースとした相場分析」

池水雄一

金・プラチナ 2017/07/25

Gold 1,250ドル超え ほか

池水雄一「他にはない特別な金のレポート Bruceレポート拾い読み!」

窪田真之/香川睦

国内株式 2017/07/25

FRBはハト派?タカ派?円高で日経平均下落(窪田)

窪田真之/香川睦「3分でわかる!今日の投資戦略」

土信田雅之

国内株式 2017/07/24

さらなる上値追いは、主力バリュー株の動向次第?

土信田雅之「テクニカル風林火山」

出島昇

国内株式 2017/07/24

「柴田法則」個別銘柄分析 7月第4週

出島昇「柴田法則個別銘柄分析」

福永博之

先物取引 2017/07/24

もち合いが続くなか、上下いずれかのトレンド発生に要注意

福永博之「週間先物テクニカル分析」

今中能夫

国内株式 2017/07/21

特集:半導体・半導体製造装置セクターの最近の動き(東京エレクトロン、ディスコ、アドテックプラズマなど)

今中能夫「楽天証券投資Weekly:セクター・投資テーマ編」

吉田哲

コモディティ 2017/07/21

リグ増加が鈍化しても米国の原油生産量が減らない訳

吉田哲「週刊コモディティマーケット」

石原順

FX 2017/07/20

「相場の急落が起きる時のコンディション・トランプVSメルケルはブラックマンデーの構図か?」

石原順「外為市場アウトルック」

外国為替証拠金取引のリスクと費用について

外国為替証拠金取引にかかるリスク
外国為替証拠金取引は、取引通貨の価格変動や、スワップポイントの支払いにより、損失が生じるおそれがあります。また、外国為替証拠金取引は少額の証拠金で、その差し入れた証拠金を上回る金額の取引をおこなうことができ、大きな損失が発生する可能性があります。また、その損失額は差し入れた証拠金を上回るおそれがあります。
外国為替証拠金取引にかかる費用等
外国為替証拠金取引の取引手数料は無料です。なお、取引にあたっては各通貨の売付価格と買付価格には差(スプレッド)があります。スプレッドは通貨ペアごとに異なります。
委託証拠金について
外国為替証拠金取引をおこなうには、通貨ペアごとに、取引金額の4%(最大レバレッジ25倍)の証拠金が必要となります。 (法人のお客様の場合は、取引金額の1%(最大レバレッジ100倍)となります。)